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【4/9巨人戦●】長岡くんが見せた悔しそうな表情の、その先に

サヨナラ勝ちする日があれば、サヨナラ負けする日もある。今日も私は「追いつく」と「勝ち越す」は違うんだなあ…と、遠い目をしながらそう思う。そうは言っても今日の追いついた瞬間は、もう随分前のことのようだ。7回以降は両者点が取れず、均衡した試合は緊張感を抱いたまま、延長線に突入した。

勝ち越しのチャンスは思えばたくさんあった。気づけばヤクルトは9本のヒットを放っていたし、何度も得点圏にチャンスを進めていた。でも高津さんが言うように、「あと一本」が出なかった。うめちゃんが打たれた「一本」も、野手が打てなかった「一本」も、終わってみればそれは、同じ重さを持つ。

でも一方で、たくさん良い守備があった。あと1本は出なかったけれど、最後まであと1本を打たれなかったのだ。

最後の最後に打たれたそれは、もう「打った瞬間」という当たりだった。グラウンドに立つ9人はみんな、それを確信した、と思う。村上くんは、しばらくしてから顔を上げ、まっすぐ前を見据え、切り替えたようにうめちゃんに声をかけた。その表情は、なにかを決意したようにも見えた。日に日にたくましくなっていくその背中を見ながら私は、明日にはまた、なにかやってくれるかもしれないな、と、そう思う。

対照的に、長岡くんは今まで見たことのないような悔しそうな表情を浮かべているところが、テレビに映った。まだあどけなさの残るその顔はぐんと、大人びて見えた。

てっぱちが同点のタイムリーを打った6回表、チャンスはまだ続いていた。たけしは四球を選び、二死1,3塁で長岡くんは打席に立った。そこで長岡くんは、フライに倒れた。

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