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厳しさと、ユーモアと、上田と。 【11/18松山キャンプ紅白戦○】

なおみちの守備は本当に安定してきたなあ、と思う。顔つきも随分とたくましくなった。一年のレギュラーの経験と、そしてそのあとのこの松山での一ヶ月弱の経験が、さらになおみちを成長させたのかもしれないなあと思う。そう思った直後、なおみちはおっくんの打球を、元気にミスしてとり損ねる。

・・まったくもって、これはいつものヤクルトである。

バックネット裏1階という、普段の神宮ではまず座らない席に座って、はらじゅり vs村上くんという、夢あふれる打席を眺めていた。「先発」のはらじゅりは、1番こーたろー、2番渡邉くん、3番村上くんを三者凡退に打ち取った。これはあれじゃないの、夢のノーヒットノーランを達成するんじゃないの、と私が言うと、2回にピッチャーは岩橋くんに交代した。

続く3回をれんれん、4回中尾くん、5回梅野くん、6回寺島くんが投げ、みんな仲良く1点ないし2点ずつをとられ、結果1ー5で「先発」はらじゅりが好投したチームが負けた

・・まったくもって、これはいつものヤクルトである。

それでも、この若手中心のヤクルトを見ていると、その中にいる上田や荒木が、やたらとすごい打者に見えてくる。やっぱり一軍の経験が豊富だというのはすごいことなのだな、あと年の功っていうのは少なからずあるのかもしれないな、と思っていると、さっきまでいっちょまえにベンチからサインをだしていた上田は、自分の打順を間違えて打席に立とうとする。

まったくもって、これはいつもの・・いやそんなことはないけれど。(たぶん)

だけど、そうだよなあこれだよなあ、と私は思った。日米野球のエリートたちの野球はすばらしかったけれど、わたしが好きになったのはこのヤクルトだ。もちろんレギュラーシーズンが始まっておんなじことをされたら私はまた深くため息をつくわけではあるけれど。

見ている方としては最高に楽しい夢のような「ヤクルトvsスワローズ」の紅白戦を、選手たちは必死に戦っていた。あきおはグラウンド中にひびく声で「ほしくんナイスピッチング!」「いいよいいよ!!」と声がけをし、自らホームランも放った。あきおそれは夢へと続く道だ、と私は思った。

あきおのあの、チームの雰囲気を最高に良くするスキルはすごいよなあと思う。そしてあの後輩力。某広告代理店のかわいい後輩のようだ、といつも思う。気の利かない私はいつも、そういう人に頼りっぱなしの人生を送ってきたから、あきおみたいなタイプには頭が上がらない。

選手たちは信じられないくらい(ほんとうにあんなのいまどき信じられない)厳しい練習を、ユニフォームをまっくろにしながら(ところでいつも思うのだけれど、ユニフォームのズボンが白いのは、汚れさせるためなのだろうか)しんどさに顔を歪めながら、毎日毎日朝早くから続けている。

そしてそのバックでは、猪木のテーマがまじめな顔をして流れている。いや、猪木のテーマに表情があるのかどうかはわからないけれども。さらには、サンドバックには鬼になったコーチの写真が貼り付けられ、円陣で謎の声出しをする。

どれほど厳しい中にも、というか厳しいからこそ、そういったユーモアがあるのはやっぱりすごく大切なことだ。そしていつもいつだってどんなときもユーモアを作り出す上田は、すばらしいのだ。いやほんとうに。厳しいだけじゃ、誰も強くはなれない。

目の前のボールを必死に追いかけ、ユニフォームを真っ黒にして、ひたすら練習を続ける選手たちを見ながら、それでもわけのわからないBGMをバックで聞きながら、あきおのホームランや、渡邉くんのスリーベースや(紅白戦渡邉くんは大活躍でした)、星くんや高橋くんの好投に拍手を送った。

この日々の積み重ねが、来年の何かにどうか繋がりますように、と思いながら。もっと言えば、この先の人生の、例えばユニフォームを脱いだ後もずっと続く人生の、大切な糧になりますように、と願いながら。

いやだからもうほんと、松山で大成長をした選手たちの、ファン感での活躍が楽しみだ(そこ)

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