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【オフシーズン・ヤクルトエッセイ】ファン感謝祭後の、選手たちのインスタを見ながら

よく晴れた日曜日。まぎれもない、「ファン感日和」である。

その日たまたま外苑の銀杏並木を家族で見に来ていた同期が、「まいちゃんもしかして、いる?」と、LINEグループに神宮正面入口の写真を送ってきた。「いるよ!!!3万円握りしめて!」と、言うと、別の同期が「そんだけあったら銀座で寿司食えるがな」と言っている。

「あのね銀座のお寿司は頑張れば年に一回くらい食べられるかもしれないけど、ヤクルトの日本一は20年に一回しか見られないかもしれないの!」と、私は返す。「それはわかる。」と、同期から返信が来る。

平和な日曜日だ。紛れもない、「ファン感日和」。

つばくろうの枡入りスパークリングワインを片手に、フジテレビの優勝記念DVDを並ぶ列に並んでいたら、「まいちゃん!!!」と、同期がかわいいむすめちゃんとかわいい妻さんを連れて、ニコニコしながら向こうから走ってきた。

よく考えたらそれは、私が家族と仕事関係の人以外で久々に会う友達だった。「元気そうでよかった!!そりゃ元気やわな日本一やもんな!!お祝いしよな!!みんなで飲もう!!」そう言いながら、同期は家族で楽しそうに歩いていった。

ヤクルトは日本一になり、私は同期に会えた。みんなそれぞれの、あたたかい日曜日。最高だ。同期一家の背中を見ながら、私はこぼれそうなスパークリングワインを、しあわせな気持ちで一気に飲む。

一週間ぶりに会うヤクルトたちはかわいくて、何より今年は「日本一」という称号までひっさげて帰ってきてくれたことがうれしくて、私はたくさん、ホットワインを飲んだ。あと、スープカレーはおいしかった。

そして、枡を買いまくった。

楽しかった、みんなありがとう!と、思いながら、午前の部を終え、むすめと青山の「シターラ」にビリヤニを食べに行く。ここはほんとうに、落ち着いて食べられるいいお店だ。

さて、楽しかったな…と、思いながら、夜、インスタを開くと、普段あまり更新しない若手たちが、こぞってみんな、ファン感の写真をストーリーズにあげていた。

なんか、高校の文化祭のあとのようなノリである。いや、私が高校生のときにインスタはなかったけれど、もしあればこんな風にみんながアップするんだろうな、というような、そんなノリである。

私はそれを見ながらふふふふ、と、笑って、とてもとても、うれしくなってしまった。

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