見出し画像

生きづらさを抱える君へ

君は中学に入学してすぐに不登校になって
今年の春、通信制の高校へ入学したんだよね。

私も、うまく学校生活に馴染めなかったから、
正直、君に何かを言える立場にないよな、とは思ってる。

ただ、今、私が君に感じていることを伝えたい。

君が感じているイライラは、多分、思春期ってやつなんだと思うよ。
君くらいの年の子は、大抵、
ちょっとイライラしてたり、焦ってたりするんじゃないかな。

そのよく分かんない苦しさに
振り回されそうになるのって、
本当に嫌だよね。
私も、そうだった。

でも、それをどうやって周りに伝えたらいいかも分かんないし、
そもそも、これがイライラなのか、怒りなのか、
なんでそんな気持ちになるのか分類もできなくて、
ただ、辛いって思いだけが、君を包んでるのかもしれない。

近くに居て、なんとかしてあげたいって思うのに、
ごめん、

私も、そんな気持ちとどうやって折り合いつけてきたのか、
よく分かんなくて「こんな風にすると良いよ」って言ってあげられない。

それにね、思春期が終わったって、
苦しくなったり、辛くなったりすることは減らなくて、
もっと増えていくのかもしれない。

しかも、その時々で、解決法は様々だった気がする。

”苦しい時はこんなことするといいよリスト”みたいなのが、
ネットに落ちてたりするけど、そのリスト通りにやっても、
全然、苦しさは無くならなくて、
自分はダメな人間なんだ、と余計、辛くなったりもした。

七転八倒なんて言うけど、
私なんて、倒れ続けたまま、匍匐前進(ほふくぜんしん)するみたいに、
這いずり進んできた人生だから、
考えてみたら、起き上がり方なんて知らなかったわ。

希望のないこと言って、ごめん。

それでも、まあ、分かんないよー、苦しいよーって言いながら、
なんだかんだで今日まで生きてる。

それに、君と過ごす日々のちょっとしたこと、
一緒にご飯食べて、
野球中継みて、
トランプして、
バッティングセンターに行って、
犬の散歩に付き合ってもらう日々は楽しくてさ、
私にとっての幸せってやつは、
手を伸ばして掴むものじゃなくて、
自分のカラダに手を突っ込んであったかいなあ、と
感じるもんだったんだと思ったよ。

年を取るにつれて、言いたいことがゴミ屋敷みたいにたまってくからさ、
話がどんどん逸れていくね、困っちゃうね。

君がもし、通信制じゃない高校に通っていたとして、
友達がいたとしても、
こういう思春期のぐちゃぐちゃ感情とはひとりで向き合っていたと思うよ。

そんなのって嫌になっちゃうだろうけど、
色々、試行錯誤して、自分だけの解決方法を見つけていくんだよ。

そうやって、見つけたものだけが、
将来の君を必ず助けてくれるアイテムになるんだ。

私は、ちょっと苦しそうな君の隣りで
バラエティ番組見てバカ笑いしながら
”君なら乗り越えられるよ、ユニークな乗り越え方するかも”とか
思ってるね。

もちろん、もしも、君が私にアドバイスを求めるなら、
私は喜んで一緒に考えるよ。

でも、きっと君は相談しないだろうし、
苦しがりながら自分と向き合った答えが欲しいって
どこかで思ってるんじゃないかな。

君が君の心のどこかで解きたいと思ってる課題を
私は、奪うことはできない。

それが、たとえ、親であっても。
いや、親だから、なのかもしれない。
君は君で、私は私だからね。

お互いにそれぞれが、
必要な課題と向き合って生きていこうね。

そして、たまに、一緒に出かけて笑い合おう。

でも、本当にヤバいって私が思っちゃったら、
引きずりだして抱きしめて専門家に助けてもらうからね。
辛すぎる時は、人に相談する余裕なんてなくて、
追い込みすぎちゃうからさ。

私は君の課題の助けには、なれないかもだけど、
君の様子を横目で気にしてるからね。
いつだって見守ってるからね。

だから、
どうか、どうか
自分と向き合うことを恐れずに、
生きて欲しい。
生きていて欲しいんだ。

苦しんでる君にはうんざりのこの世界かもだけど、
どうか、お願い生きることを諦めないで。

いつか、青空見て「綺麗だな」って
涙する日とかあって、
生きてるの、悪くないかもって
思う時、あるかもしれないから。
「生きててもいっか」ってやつは、
そんなふとしたことの中にあったりするから。

(息子へ送れたらいいなって書いた手紙)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?