今がいつなのか分からなくなるよ、迷子は怖くないはずなのに。

今日は朝目覚ましを止めた記憶だけ残して、昼まで寝ていた。今がいつなのか分からなくなるよ。

ご飯を食べ過ぎなくらい食べて、動画を見ていた。ぼけっとしていた。最近ずっと、ぼけっとしていたら日が暮れる。最近に始まったことではないはずだけど、特に最近は顕著に感じる。

文字を書いて、他人の文章を読んでいた。エッセイを読んで笑い、幾度目かの小説を流し見てこんな話だったかと改めて気づく。

今日こそは外に出ようと気持ちを上げるために音楽を流したら楽しくなっちゃって着替えがなかなか進まない。服は出してあるのに、寒いからと部屋着を脱げないでいる。

歌いながら下の階の住人に迷惑をかけて、やっと着替えた。その後はなぜか座り込んでしまって、溜まっていたメールを見る。この間申し込んだチケットは取れなかった。取れた気でいたから外れたことに驚きつつ、そんなに人気なのかと嬉しくなった。

改めて考えると、やると決めたことを何もしないで申し込んだから当たるはずないんだ。当然の結果だった。

昨夜、好きな番組で流れていた音楽を聴いてみた。前から知ってはいたけれど、焦点を当てて聞くことはなかったから新鮮に感じた。その曲が入ったアルバムを聴きながら、やっと外に出た。

自転車に乗るか、徒歩で行くか、自転車の鍵を外してから迷った。信号待ちの間、やっぱり歩こうと気が変わり駐輪場まで戻る。いや、でも帰りはきっと寒くて歩くのが嫌になるぞ、と思い直して、体の右側で押されている自転車の向きをまた変えた。結局自転車に乗った。

どうしてこんなに迷っているのか分からなかった。今だ、と思う瞬間があったのに、ずっと先延ばしにしていることも出来なかった。決めたらすぐにやってみればいいと頭では分かっているのに、なぜか意識が追いつかない。いつも置いて行かれている感覚で、自分さえ待ってくれない。意識が後ろ髪を引いてくるから身体もずっと動けなくて、身体が動かないから気持ちも変わらない。ずっとその繰り返しで、自分がどこにいるのか分からなくなるよ。

外に出て、久しぶりに行く店に寄ってみた。ホームセンターには犬や猫が売られていた。子犬や子猫の相手なら働くのも楽しいかもしれないと思った。でも彼らのその後を知る勇気はないという気持ちがよぎって、早足で店を出た。

現金しか使えないスーパーでは、手持ちの千円札で買えるものをぎりぎりまで買った。数十円のおつりを持って帰った。

もう冬みたいな冷たさが足元を覆っていて、それでも坂道を立ち漕ぎで登っていくから背中は少し汗ばんだ。

これから冬になる前にもう少し誰かと遊ぶのも悪くないと思った。

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