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インターンプログラム【13】~プログラムと「利用ポジション」~

この回では、4つの要素【時間・空間・コンテンツ・利用者】で構成される「プログラム」を、「時間の限定性」と「空間の限定性」の有無による「利用ポジション」の違い、についてお話します。(2022.2.1)

🌕〈S〉
今回のテーマは、
プログラムと「利用ポジション」
です。

🌑〈AC〉
「プログラム」は、つぎの4つの要素で構成されています。
①時間(いつ)
②空間(どこで)
③コンテンツ(何を)
④利用者(どうしたら参加できる)
「プログラム」は、
「その時、その場所でだけ」で、
コンテンツと利用者が相対するので、
基本的に「ライブ」であると言えます。

🌕〈S〉
「その時、その場所でだけ」で、
なくなってしまうから、
「仮設のプログラム」なんですね。

🌑〈AC〉
ミュージアムで開催される講演会や講座、ワークショップも、もちろんプログラムですが、
「利用」するものは、必ず「プログラムの形式(時間×空間×コンテンツ×利用者)」になる、と言うこともできます。
たとえば、
「レストランで、食事をする」
「スーパーで、買い物をする」
なども、
(時間×空間×コンテンツ×利用者)「プログラム形式」になっています。
〈S〉さんは、うまく「プログラム」を利用できますか?

🌕〈S〉
行きたいコンサートでも、
定員が決まっているので、チケットが取れずに「行けない」ことがよくあります。

🌑〈AC〉
「プログラム」の「利用しやすさ」は、「時間」と「空間」、その他の条件に大きく左右されるということですね。

🌕〈S〉
時間と場所が合わなくて、
「行きたくてもに行けない」こともあります。
料金が高すぎる時もですが……。

🌑〈AC〉
「プログラム」の基本は「ライブ」なので、
「特定の時間・空間に、利用者がコンテンツと接点を持つ」必要があるため、「時間」と「空間」が大きな制約となることがあります。
「プログラムの性質」と「利用しやすさ」の関係を、
「利用ポジション」として「4象限」で示したのが下の図です。
縦軸に、時間の限定・非限定、横軸に空間の限定・非限定を置いています。

プログラムと「利用ポジション」➀

右上の【Ⅰ】が、プログラムの基本である「ライブ」です。
空間の制約を取り除いた「利用ポジション」が。
左上【Ⅱ】の「オンライン」
さらに、時間の制約を取り除くことができるのが、
左下【Ⅲ】の「オンデマンド」という「利用ポジション」になります。

🌕〈S〉
最近、すごく増えましたので、よくわかります。
札幌会場でのコンサートを、東京で観ることができました。
交通費も宿泊代も往復の移動時間もかからないし、定員の上限もないので、利用できる人がものすごく増えたのではないでしょうか。
残っている「空白」が気になりますね。
右下の【Ⅳ】の象限は「何」にあたるのでしょう?

🌑〈AC〉
右下の【Ⅳ】は、空間が限定、時間が非限定(自由)な場合です。
その場所でしかやっていないけれど、いつまでもやっているから「いつでもどうぞ」という条件になります。

プログラムと「利用ポジション」②

🌕〈S〉
そんな「プログラム」って、ありましたっけ?
「いつでもどうぞ」とか言われても、「いつまでもやっている」なら急いで行く必要ないです。

🌑〈AC〉
このポジションは「プログラム」として成立していないかもしれませんが、
ミュージアムの「常設展示」が、右下の【Ⅳ】にある「利用ポジション」にあたります。
1970年の大阪万博を契機に、全国に波及していったスタイルが「常設展示」ですが、開館後2~3年で利用者数が激減してしまうことでよく知られています。
大規模なミュージアムでも、全面改装できるまで30年はかかるという例がほとんどなので、期間限定で相対的にライブ性の高い「企画展」の開催で利用者を集めようと考えるケースがほとんどになっています。

プログラムと「利用ポジション」③

🌕〈S〉
それなら、最初から「企画展」を中心にすればよいような気もします。
ミュージアムの「常設展示」が利用されるようになるには、一体どうすればよいのでしょうか?

🌑〈AC〉
この図を眺めて考えていれば、何か、良い方法を思いつくかもしれませんね。

このつづきは、また次回。

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