🟢展示の語源と「抽斗(ひきだし)」~科博企画展「WHO ARE WE」③~【D-003】
国立科学博物館(科博)で開催中の企画展「WHO ARE WE」(開催は2022年10月10日まで)から感じ取れるヒントや方向性の【3回目】です。
◼️展示=displayを「語源」で考える
語源をたどって考えると、
その言葉の本質に近づくことができます。
日本の場合、
展示会社=ディスプレイ会社なのですが、
「展示」=「ディスプレイ」
として、まず「display」の語源をたどります。
display=dis(戻す)+play(L.plicare)
接頭語disは「戻す」
語根playはラテン語のplicareで「折りたたむ」
つまり、
「折りたたんだもの」を「戻す」
というイメージになります。
展示(display)="折りたたんだもの"を「戻す」
をイメージしたまま、
ご紹介している企画展「WHO ARE WE」の展示を見てみるとどうでしょうか?
「引き出し」の中に「情報」を隠しているのは、"折りたたんだ" 状態に似ていませんか?
展示を体験する「利用者」が自ら「引き出し」を「開ける」わけですが、
引き出しを開ける="折りたたんだもの"を戻す
つまり、
利用者自身が「展示=display」の本質を体現しているようにも見えます。
◼️「引き出し」は「抽斗(ひきだし)」
調べてみると、
「引き出し」は「抽斗」とも書くんですね!
「抽斗」は「ひきだし」と読みます。
「抽」は、抽出、抽選、抽象などの熟語に使われる「引き抜く」という意味を持ち、
「斗」は、升(ます)という穀物や酒などの量を計る「四角い容器」のことを指します。
そして、
「抽斗(ひきだし)」は、机や箪笥などに取り付け、「物を入れて"抜き差し"する箱」を意味する言葉になりました。
「箱」だから、大切なものを入れることができるんですね。
さて、「なぞなぞ」です。
なぜ、「抽斗(ひきだし)」は、「抜き差し」するのでしょうか。
私の「答え」は、
「抜いたままだと、もう抜けなくなるから」
です。
「開けて」嬉しかったら、
きっと「閉めたくなる」でしょう。
なぜなら、
「閉めないと開けられない」からです。
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