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平日の科学館は子どもの遊び場として穴場かもしれない(ただし、コロナ前の感想)

※この記事は、1年超遅れで書きはじめた「2才児連れてミュージアム活動」の記録です。”コロナ前”の記録であることを念頭に置いてお読みください。

最初は「千葉県立現代産業科学館」。この時の一番の感想は、”幼児の遊び場として穴場じゃないか!”でした。それはつまり、館内スッカスカで2才児の行動を気に病む必要がない(!)、ということでしたが、でも、もちろんそれだけではなく。

早速、入口で立ち止まる

この2才児は、場所見知りが激しかった(2才0か月当時)。
現在(もう3才半だ)ではもう昔のことなどだいぶ忘れてしまったが、当時は子どもの遊び場に行ったのに、ずっと抱っこから降りないような子だった。今思い返すと、それでもよく出かけたものだ。

千葉県立産業科学館では、入口のカウンターで、おじさん(退職後の元教員風)から入場券を買う。右を向けばもうそこは展示物のあるフロアなのだが、ゲートもなにもないその入り口で、2才児は立ち尽くす。

はい、そうですね。(折り込み済)

2才児は、立ち止まったまま奥に見える何か大きな物体を見つめている。「なんだろうね、見に行こうか」など声をかけるが、ちっとも動かない。入場券売りのおじさんも、あっちになんちゃら(忘れた、ごめんなさい)があるよ、など声をかけてくれるが、動かない。こんな時、もし後ろに待っている人がいたり、横をすり抜けていく人がいたりしたら、母は抱っこするなり、手を引くなりして無理にでも前に行かせてしまうだろう。でも、ここなら大丈夫。だって、見渡す限り他にお客はいないのだ!

この余裕が持てる環境、最高です。
(むしろ3才半ばになった今、私にこんなに待つ余裕はないかもしれない、と書いていて思った)

ここにはさらに、話し相手になってくれる入場券売りのおじさんまでいる。「場所見知りなんです」と苦笑しながら告げると、「お母さん、素晴らしいですね」と褒めてくれた。ありがとう、おじさん。そんな些細な褒め言葉が子育てする心の支えになるんですよ。本当ありがとう。

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そうこうしているうちに、場所見知りの硬直から解けはじめた2才児。じわじわと歩き出す。中の大きな物体は、火力発電のタービンだった(上の写真)。少し近づくと、大きくて怖いのかやはり立ち止まる。壁にある鏡で興味を引くと、笑顔になった。が、ここで「抱っこ」の号令。

はい、ここまでありがとう。母は君がどう動くのかが知りたかったから、あえて床に立たせておいたのだ。母は完全に子の行動観察モードなのだ。

ぽちぽちしまくっても、心配ない(たぶん)

人が少なくていいこと、その2。好きなことを好きなだけやらせておける。2才0か月が一番ハマったのは、これ。

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ボタンを押すと、その色の光がついて、机の上の白い丸の部分と、棒に刺さった白い多面体が照らされる仕組みのもの。光の3原色が学べる装置ですね。左横には「複数同時に押してみよう」「影も楽しいよ」など書いてあり、多面体の奥にも「何色になる?」と大きく書かれている。

もちろんそんな問いかけなど、2才児には関係ない。押す→光る、離す→消える、が楽しくて、ぽちぽちぽち押しまくる。壊れるんじゃないかと心配になるくらい、ぽちぽちぽちぽちぽち…。心配になって止めたくなるが(実際、もう少しゆっくり押そうよとか声をかけたような気もする。とにかく全く2才児は聞いていなかった)、ええまあ、これで壊れるくらいならもうとっくに壊れてるだろうから、きっと大丈夫なんじゃないかな…と思っていると。

通りすがりのお姉さん(館内スタッフ)が「ハマってくれたねー」と声をかけてくれた。

職員の〇〇先生(伏せているのではなく忘れただけ)が、小さかったスイッチを改良して今の形にしたのだと教えてくれた。これだけ押してくれるというのは改良の成果だわー、と喜んでくれた。

そんなお姉さんに向かって、「あお」「みどり」など2才児が言う。当時、他人の前で声を出すのはかなりはまってる証拠だった。ぽちぽちの楽しい最中にお姉さんに出会って心理的距離が近づいたのか、別の場所でお姉さんが話しかけてきても、2才児は母に「抱っこしてあっちに逃げろ」という指示を出さなくなった。(当時のメモにそう書いてあった。今からすると、2才児の人見知りぶりに驚愕だ)

滞在中、私達の他には3,4組のお客さんしか見かけなかった。それもあって、館内スタッフのお姉さんたちが気軽に、でも適度な距離感で話しかけてくれた。普段大人と会話する機会がほとんどなく、かつ、ママ友トークみたいなやつが苦手な私としては、そんな軽い会話が癒しだった。
もし、私に似たような人がいたら、平日の科学館は断然オススメ!と心底思った。

2才児、基本抱っこの科学館

千葉県現代産業科学館は、1階の広い空間に科学法則で不思議な体験ができちゃう系の展示が並んでいる。母の目からみて、2才児に受けそうなものを見繕っては、抱っこ標準装備の2才児に提案していった。

当時、2才児にヒットしたもの第一位は、スイッチ。スイッチは提案すればとりあえず押しに行く。

回すハンドルもやりたがる。が、回し方が違う。ハンドルに1本棒が付いていて、棒を持ってハンドル全体をぐるぐる回す形のもの(伝わりづらくてごめんなさい、写真撮り損ねました)を、「回して」と言うと、2才児は、棒の部分だけをドライバーの要領でぐるぐる回していた。

大きな音が出るものは怖がるし、芸が細かいものは伝わらないしで、臆病な抱っこ2才児にヒットするものはあまり多くなかった。家ではできない大きなシャボン玉が作れる場所でも、自分では作れずシャボン液をぺちぺちしている。もし、科学館に「子どもが楽しいと思って!」と来ていたら、しょんぼりしてしまうだろう。「”母が子どもの行動を観察するのに”楽しいと思って!」と来て、しかも継続的に観察するつもりでいると、そんな不発もまた味わい深いものになる。

2才児の実力に驚かされる

そんな中、2才児すごい、と思ったことが2つ。

1.球体の地球を見て「ちきゅー」と言う
この子はどこで地球を覚えたのか。1か月弱前にいった日本科学未来館で見た地球型ディスプレイを、私が地球と紹介したのだろうか。そんなような気もする。言った当人も覚えていないことを、2才児は記憶していたようだ。

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2.実演に、椅子に座って参加する(それも20分間も)
この日の実演テーマは「光」。偏光板を2枚重ねて、実演のおじさん(こちらも退職後の元教員風)が見えたり見えなくなったりするのを「いないいないばぁ」の要領で楽しみ、色の上に当てて押すとその色に光が変わる柔らかボール型の電球(下の写真で左に見切れているモノ)をぼいんぼいん押していた。やってみる?と声をかけられればやるし、おじさんが何かするとじっと見ていた。2才児、なかなかやるな。

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※上の写真のおじさんがマスクをしていないのは、コロナ前の出来事だからです

結果、滞在時間2時間

大体抱っこだったので母の腕は疲れたが、楽しかった。平日の科学館は幼児との遊び場として穴場かもしれない、子を観察する場として楽しむならば確実に。3才半ばになった今はどうなるのか気になるが、ホームページによると千葉県立現代産業科学館は、2020年11月現在、最も子ども受けする科学法則のハンズオン展示は閉鎖中とのこと。いつ再開できるようになるか先は見えないけれど、はやく試してみたいものです。

実は、閉鎖になる前にもう1度行っているので、また別の記事でいずれ書きます。


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