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私の脳と心について

まず私は発達障害に区分される「アスペルガー症候群(ASD)」「ADHD」と、それに伴って発病した二次障害の「双極性障害Ⅰ型(躁うつ病)」があります。
前者は先天的なもの(=病気ではない)、後者は精神疾患(=病気)です。

今日はこの特徴について紹介してみようと思います。

なお、私は医療従事者ではありませんので、もしかしたら誤っている部分があるかもしれません。
一当事者目線としての発信であることを、心に留めていただけますと幸いです。



アスペルガー症候群とは

最近では「アスペルガー症候群」という言葉が単独で使われることは少なくなりました。
というのも、非常に似た症状に「自閉症」「広汎制発達障害」があるからです。
なので近年はこれら3つを合わせて「ASD(自閉スペクトラム症)」と呼ばれています。


ASD
の主な症状は下記のとおり。

重症度は様々ですが、言葉の遅れ、反響言語(オウム返し)、会話が成り立たない、格式張った字義通りの言語など、言語やコミュニケーションの障害が認められることが多くなっています。
乳児期早期から、視線を合わせることや身振りをまねすることなど、他者と関心を共有することができず、社会性の低下もみられます。学童期以降も友だちができにくかったり、友だちがいても関わりがしばしば一方的だったりと、感情を共有することが苦手で、対人的相互関係を築くのが難しくなります。
また、一つの興味・事柄に関心が限定され、こだわりが強く、感覚過敏あるいは鈍麻など感覚の問題も認められることも特徴的です。

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ASDと一言でいっても、程度や特徴は十人十色です。なので私は従来の呼び方である「アスペルガー症候群」のほうが、自分をより的確に表現していると思い、使い続けています。


アスペルガー症候群の主な症状は下記のとおり。

■社会的コミュニケーションの障害
■興味や活動の偏り
知的障害や言語発達の遅れがないことで自閉症と区別されます。


■社会的コミュニケーションの障害
アスペルガー症候群の方は、一見すると他人に興味がないように見えます。しかし、本当に興味がないわけではなく、どうやって他人と関わっていけばいいのか、その方法が分からない状況です。

こうしたことから、アスペルガー症候群の方は人のなかで浮いてしまうことが多く、幼児期には一人遊びが中心となります。しかし、他人にリードされること、自分より年齢が小さい子をリードすることなどで、集団行動が可能なこともあります。

アスペルガー症候群では、場や年齢にそぐわない言葉づかいをします。また、年齢相応の羞恥心や常識についての理解が乏しいこともあり、オブラートに包んだ表現をすることも苦手です。本人に悪気があるわけではなく、思ったことを正直にいう傾向があります。しかしこうした気持ちは他人には伝わらないこともあり、対人関係に障害をもたらすことがあります。


■興味や活動の偏り
アスペルガー症候群の方は、興味や活動の仕方に偏りがあります。こうした傾向が学問に向かう場合(たとえば数学やコンピュータープログラミングなど)には、驚くべき成果を達成することもあります。しかし、こうした傾向は必ずしも社会的な意味を持つものばかりではありません。

たとえば、バスのルートや時刻表を詳細まで記憶していることがあります。こうした情報は、アスペルガー症候群の方にとってはとても興味深いものであるため、他人と情報を共有しようとしますし、話題を変えることを嫌がることもあります。その結果、友人関係において、「話題が面白くない」「会話がつまらない」などの評価を受けることもあります。

アスペルガー症候群では、これらの症状があることから人間関係の構築に問題をきたすことがあり、学校生活や会社での環境において孤立することもあります。また、自身の気持ちが周囲に伝わらないことを経験して引きこもりになったり、うつ状態を呈したりすることもあります。

メディカルノート

まさに私です。
特に「興味や活動の偏り」が著しいことは、私と交流のある方であればピンとくるのではないかと思います。



ADHDとは

こちらは近年よく耳にするようになったのではないかと思います。

ADHDの主な症状は下記のとおり。

・「不注意(活動に集中できない・気が散りやすい・物をなくしやすい・順序だてて活動に取り組めないなど)」と「多動-衝動性(じっとしていられない・静かに遊べない・待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど)」が同程度の年齢の発達水準に比べてより頻繁に強く認められること

・症状のいくつかが12歳以前より認められること

・2つ以上の状況において(家庭、学校、職場、その他の活動中など)障害となっていること

・発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が障害されていること

・その症状が、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中に起こるものではなく、他の精神疾患ではうまく説明されないこと

このようにADHDの診断は医師の診察で観察された行動上の特徴に基づいて行われ、それ単独で診断ができるような確立した医学的検査はありません。しかし、一部の神経疾患・身体疾患・虐待・不安定な子育て環境などが子どもにADHDそっくりの症状を引き起こす場合があり、小児科・小児神経科・児童精神科医師による医学的評価は非常に重要です。

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たしかに書いてあるのはその通りなんですが、ADHDという言葉が社会に出始めて最も強く感じることは、このいわゆる「落ち着きのなさ」は行動ではなく脳内で起きていて、その結果アウトプットとして行動に出ている、と私は思っています。
なので私は常に頭の中が騒がしく、色んな種類の睡眠薬を合わせて服用しています。そうじゃないととてもじゃないけど眠れません。脳内サーカスが止まらないからです。

また以前別の記事でも紹介しましたが、ADHDの改善薬というものは存在します。ただしこの騒がしさを無理やり抑えつける行為だと思っているので、私にはとても苦しかったです。脳内がひとりぼっちで、なんのやる気も起きない感じになりました。



双極性障害とは

以前は「躁うつ病」として呼ばれていました。
うつ病とは異なり、気分の高揚と落ち込みを繰り返します。
そしてその頻度、振れ幅によりⅠ型とⅡ型に分かれます。
私はⅠ型です。どっちがひどいとかそういうわけではなく、どんな特徴が強いかで分けられている気がします。


双極性障害
の主な症状は下記のとおり。

うつ病だと思いながらも、極端に調子がよくなって活発になる時期がある場合は、双極性障害(躁うつ病)かもしれません。
双極性障害では、ハイテンションで活動的な躁状態と、憂うつで無気力なうつ状態を繰り返します。躁状態になると、眠らなくても活発に活動する、次々にアイデアが浮かぶ、自分が偉大な人間だと感じられる、大きな買い物やギャンブルなどで散財するといったことがみられます。
躁状態ではとても気分がよいので、本人には病気の自覚がありません。そのため、うつ状態では病院に行くのですが、躁状態のときには治療を受けないことがよくあります。しかし、うつ病だけの治療では双極性障害を悪化させてしまうことがあります。本人だけでなく、周囲の人も、日頃の様子や気分の波を見守り、躁状態に気づくことが大切です。

■普通の「気分の波」と双極性障害の違い
双極性障害は、躁状態とうつ状態をくりかえす病気です。躁状態とうつ状態は両極端な状態です。その極端な状態をいったりきたりするのが双極性障害なのです。
気分の波は、誰にでもあります。幸せな感じがする時もあれば悲しい気分の時もあるのは当たり前です。嫌なことがあった時に落ち込んだり、楽しいことがあった時にウキウキしたりするのは、ごく自然なことで、病気ではありません。でも、周りの人たちが「どうもいつものあの人とは違う」と気づき、「ちょっとおかしいのでは?」と思えるほどその気分が行き過ぎていて、そのために家族や周りの人が困ったり社会的信用を失うほどであったら、それは、双極性障害かもしれません。

■躁状態のサイン
・睡眠時間が2時間以上少なくても平気になる
・寝なくても元気で活動を続けられる
・人の意見に耳を貸さない
・話し続ける
・次々にアイデアが出てくるがそれらを組み立てて最後までやり遂げることができない
・根拠のない自信に満ちあふれる
・買い物やギャンブルに莫大な金額をつぎ込む
・初対面の人にやたらと声をかける
・性的に奔放になる

■うつ状態のサイン
・表情が暗い
・自分を責めてばかりいる
・涙もろくなった
・反応が遅い
・落ち着かない
・飲酒量が増える
・食欲がない
・性欲がない
・眠れない、過度に寝てしまう
・体がだるい、疲れやすい
・頭痛や肩こり
・動悸
・胃の不快感、便秘や下痢
・めまい
・口が渇く

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双極性障害「Ⅰ型」と「Ⅱ型」の違い
長いしそんなに重要ではないので、興味のある方・不安な方はお時間ある時に読んでみてください。
参考程度に載せておきます。

■躁病エピソード
A.気分が異常かつ持続的に高揚し,開放的または易怒的となる.加えて,異常にかつ持続的に亢進した目標指向性の活動または活力がある.このような普段とは異なる期間が,少なくとも1週間,ほぼ毎日,1日の大半において持続する(入院治療が必要な場合はいかなる期間でもよい).
B.気分が障害され,活動または活力が亢進した期間中,以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)(気分が易怒性のみの場合は4つ)が有意の差をもつほどに示され,普段の行動とは明らかに異なった変化を象徴している.
(1)自尊心の肥大,または誇大
(2)睡眠欲求の減少(例:3時間眠っただけで十分な休息がとれたと感じる)
(3)普段より多弁であるか,しゃべり続けようとする切迫感
(4)観念奔逸,またはいくつもの考えがせめぎ合っているといった主観的な体験
(5)注意散漫(すなわち,注意があまりにも容易に,重要でないまたは関係のない外的刺激によって他に転じる)が報告される,または観察される.
(6)目標指向性の活動(社会的,職場または学校内,性的のいずれか)の増加,または精神運動焦燥(すなわち,無意味な非目標指向性の活動)
(7)困った結果につながる可能性が高い活動に熱中すること(例:制御のきかない買いあさり,性的無分別,またはばかげた事業への投資などに専念すること)
C.この気分の障害は,社会的または職業的機能に著しい障害を引き起こしている,あるいは自分自身または他人に害を及ぼすことを防ぐため入院が必要であるほど重篤である,または精神病性の特徴を伴う.
D.本エピソード,物質(例:薬物乱用,医薬品,または他の治療)の生理学的作用,または他の医学的疾患によるものではない.

■軽躁病エピソード
A.気分が異常かつ持続的に高揚し,開放的または易怒的となる.加えて,異常にかつ持続的に亢進した活動または活力のある,普段とは異なる期間が,少なくとも4日間,ほぼ毎日,1日の大半において持続する.
B.気分が障害され,かつ活力および活動が亢進した期間中,以下の症状のうち3つ(またはそれ以上)(気分が易怒性のみの場合は4つ)が持続しており,普段の行動とは明らかに異なった変化を示しており,それらは有意の差をもつほどに示されている.
(1)自尊心の肥大、または誇大
(2)睡眠欲求の減少(例:3時間眠っただけで十分な休息がとれたと感じる)
(3)普段より多弁であるか,しゃべり続けようとする切迫感
(4)観念奔逸,またはいくつもの考えがせめぎ合っているといった主観的な体験
(5)注意散漫(すなわち,注意があまりにも容易に,重要でないまたは関係のない外的刺激によって他に転じる)が報告される,または観察される.
(6)目標指向性の活動(社会的,職場または学校内,性的のいずれか)の増加,または精神運動焦燥
(7)困った結果になる可能性が高い活動に熱中すること(例:制御のきかない買いあさり,性的無分別,またはばかげた事業への投資などに専念すること)
C.本エピソード中は,症状のないときのその人固有のものではないような,疑う余地のない機能の変化と関連する.
D.気分の障害や機能の変化は,他者から観察可能である.
E.本エピソードは,社会的または職業的機能に著しい障害を引き起こしたり,または入院を必要としたりするほど重篤ではない.もし精神病性の特徴を伴えば,定義上,そのエピソードは躁病エピソードとなる.
F.本エピソードは,物質(例:乱用薬物,医薬品,あるいは他の治療)の生理学的作用によるものではない.

■抑うつエピソード
A.以下の症状のうち5つ(またはそれ以上)が同じ2週間の間に存在し,病前の機能からの変化を起こしている.これらの症状のうち少なくとも1つは,(1)抑うつ気分,または(2)興味または喜びの喪失である.
(1)その人自身の言葉(例:悲しみ,空虚感,または絶望感を感じる)か,他者の観察(例:涙を流しているように見える)によって示される,ほとんど1日中,ほとんど毎日の抑うつ気分(注:子どもや青年では易怒的な気分もありうる)
(2)ほとんど1日中,ほとんど毎日の,すべて,またはほとんどすべての活動における興味または喜びの著しい減退(その人の説明,または他者の観察によって示される)
(3)食事療法をしていないのに,有意の体重減少,または体重増加(例:1ヵ月で体重の5%以上の変化),またはほとんど毎日の食欲の減退または増加(注:子どもの場合,期待される体重増加がみられないことも考慮せよ)
(4)ほとんど毎日の不眠または過眠
(5)ほとんど毎日の精神運動焦燥または制止(他者によって観察可能で,ただ単に落ち着きがないとか,のろくなったという主観的ではないもの)
(6)ほとんど毎日の疲労感,または気力の減退
(7)ほとんど毎日の無価値感,または過剰であるか不適切な罪責感(妄想的であることもある.単に自分をとがめること,または病気になったことに対する罪悪感ではない)
(8)思考力や集中力の減退,または決断困難がほとんど毎日認められる(その人自身の言葉による,または他者によって観察される).
(9)死についての反復思考(死の恐怖だけではない).特別な計画はないが反復的な自殺念慮,または自殺企図,または自殺するためのはっきりとした計画
B.その症状は,臨床的に意味のある苦痛,または社会的,職業的,または他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている.
C.そのエピソードは物質の生理学的作用,または他の医学的疾患によるものではない。

Bの(1)~(9)に示すように、躁病エピソードと軽躁病エピソードで見られる症状は同じです。症状の持続期間や程度がポイントとなります。「躁病エピソード」に記載の症状が「1週間以上」続くことが一度でもあれば「Ⅰ型」と診断されます。症状の程度としては仕事、家庭、経済状況、人間関係に重大なダメージを及ぼすほどで、そのダメージを回避するために入院を必要とするレベルです。抑うつエピソードは双極症I型の診断には必須ではありません。
「軽躁病エピソード」に記載の症状が4日以上続くことが一度以上、さらに「抑うつエピソード」に該当する状態が2週間以上続くことが一度以上あれば「Ⅱ型」と診断されます。症状の程度としては社会生活に深刻な影響は認めないレベルに留まります。Ⅰ型と異なり、Ⅱ型の診断では「抑うつエピソード」の存在が必須です。「抑うつエピソード」はⅠ型、Ⅱ型どちらでも社会生活に支障のあるレベルの症状を認めます。軽躁病エピソードで入院はしないⅡ型でも、抑うつエピソードでの入院はありえます。

躁病エピソード、軽躁病エピソード、抑うつエピソード、いずれにせよ、普段のその人とは明らかに違った様子であること、また、エピソード中は症状がほとんど一日中持続することがポイントです。ある日のうちの2時間だけ躁状態である、もしくは、ある日は一日中躁状態だったが翌日は落ち着いている、などといった経過の場合は「エピソード」にはカウントされません。

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル (医学書院)


なんとなく私がⅠ型であることが伝われば幸いです。
注意いただきたいのは、どっちが軽いとかそういう話ではないという点です。
本人にとってはどっちも辛いです。



なぜ発達障害だと精神疾患を発症しやすいのか

これは完全に私の考察ですが、端的に言えば「生きづらい」からです。
「生きづらい」なんて言うと発達障害の有無に関わらずあることなのでうまく表現できないですが、「頑張る」「頑張れない」の間に「頑張ればできるけどめちゃくちゃ疲弊してしまう」がある感じです。
だから、やればできるんです。やればできるけど、やったらそのぶん自分が壊れやすくなります。
ここが難しいし、他人に理解されづらいポイントです。

私の場合だと、月・水・金はめちゃくちゃ頑張れます。だから2日分のアウトプットを出します。
その代わり火・木は最低限の仕事をして、前日の仕事にミスがなかったか確認するぐらいに留めています。
毎日8割くらいで頑張る、みたいな調整ができません。
0か100かという生き方です。

だからテレワークやフレックス制度など、新しい働き方にだいぶ救われています。
そしてこれが多くの企業に導入されることを願っています。



伝えたいこと

・「努力不足」ではないこと
・「親の育て方の問題」ではないこと
・「精神が弱い」わけではないこと
など、従来持たれていた悪いイメージが払拭されれば幸いです。

また一言で発達障害と言っても、どの要素が強いかで全く特徴は異なります。
発達障害者同士を比べても、何の意味もありません。
健常者同士を比べても、みんな違うのと同じです。
一見程度が軽そうに見えても、実はだいぶ頑張ってたりするので、「本当に発達障害があるの?」なんて言われると、ものすごーーく傷つきます。
あまり日本では知られていませんが、発達障害は「完治はしないけど改善はできる」ものなのです。
その努力を見えないところでうまくやりくりしながら、みんな生きていると思います。
これもまた健常者と一緒ですね。

発達障害があっても、自分の輝ける場所を見つければ、圧倒的なパワーを発揮できます。


少しでもみんながお互いを分かり合い、手を取り合える世界になりますように💫


老婆心ですが、悩み相談はいつでも受け付けています。
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