東南アジア7年生のつぶやき

夫の海外赴任の帯同として、タイにやってきたのが6年前。その後、マレーシアのペナン島に移動になり、この4月で東南アジアで7度目の春を迎える。

縁もゆかりも、そもそも自身の興味すらなかった東南アジアであったが、やはり住めば都というべきか。暖かい気候と人々の優しさに助けられ、ゆるゆるとした毎日を満喫していた私にとって、1年前にやってきたコロナ禍は、とても大きなショックと異国での価値観の違いを気付かせてくれる機会となった。

マレーシアのロックダウンはアジアの中でも特に厳しいもので、極端に言えば、ある日突然自由が奪われる。
ざっと書き出してみると、

すべての学校が休校
レストランの店内での飲食は不可
生活必需品を扱うお店以外は閉店
美容院や衣料品店などももちろん閉店
買い物は家族の代表者が一人だけ可
自家用車に乗れるのは二人まで
基本的に家から出てはならない

などなどなど。

こういったロックダウンが2020年3月からの1年間で3回繰り返され、現在は少し緩和された条件のロックダウン下で生活している。
幼稚園や学校は再開され、レストランでの飲食も可能になった。自由に外出もできる。
ただ、どこへ行くにもアプリで自分の位置情報を報告する必要があり、ペナン州の外へ出ることは禁止されている。

特に、感染者が増えるとすぐに学校が休校になる点は、日本との大きな違いかもしれない。マレーシアの日本人学校の生徒がこの1年間で実際に登校できたのは、たった3ヶ月。オンライン授業があるにせよ、親子への負担は大きかった。
かく言う私自身も、遊びたい盛りの4歳男児を持つ親なので、幼稚園が休園になった息子とのステイホームは試練と忍耐の日々であった。なにをどう過ごしたのか、あまり記憶にない…。(ちなみに休校の際も学費は毎月払うのがマレーシアスタイル。)

このように自粛と緩和を繰り返すマレーシア。そう言えば、私がこの国にやってきた2017年頃、2020年に先進国入りするという目標を掲げていたはず。あの壮大な目標は一体どうなったのだろう?

将来を担う子供たちの教育を突然止める。
これがマレーシアが先進国入りできない理由の一つなのでは?と、意地悪な考えが浮かんでくる今日この頃である。             

福田 梓

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