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RASTA COMMUNITY

オーストラリア、アメリカの2ヵ国を周った所で、既に日本を出て10ヶ月以上が経過していた。
そしてやって来たのはジャマイカ。

これまでの出会いで、何故かラスタマンと仲良くなる事や、助けてもらう事が何度かあって、その人達が口を揃えて、


ジャマイカに行くなら、ラスタコミュニティを尋ねてみると良いよ。

というアドバイスを貰ってたので、ブルーマウンテンの中腹にあるコミュニティにお邪魔させてもらった。


すると、それまで思いも寄らなかった、彼らの生活風景が見えてきた。




かなり山の上までやって来た。
雲が近い。
遠くに見える街が、首都のキングストン。



丁度水汲みをしてた女の子が、挨拶しに来てくれて既にメロメロ。




TVでジャッキーチェンの映画がやっていて、僕を見るなりカンフーが始まった。
おそらく、僕は悪者の想定だろうというのがすぐにわかった。



ランチにしようと、アイタルスープをご馳走してくれた。
ラスタコミュニティで暮らす人達は、基本菜食なので、このスープも全て畑で収穫した野菜で作ってると教えてくれた。




ここの人達の生活を見に来た。

と、僕の持ってる全英語力を駆使して伝えると、(I want to see your life!) なんとガイドをしてくれてたお兄ちゃんが、殆ど全部の家を一緒に周ってくれた。


山の斜面には小柄で簡素な家が、ポツポツと建っていて、子供達が至る所で遊んでたり、水を汲んでたりしてて、僕達の事を見つけると、みんな寄って来てくれた。

それまで、キングストンに滞在中、
カメラは盗まれるから、絶対に一人で持ち歩かない方がいい。
一人で夜まで出歩かない方がいい。
お金も使う分だけ持って出て。

という、完全に危険な匂いしかしないアドバイスを宿で教わってたので、僕は、キングストンで写真を撮るのを殆ど諦めていた。

それでも何度か、街でカメラを構えてたら、色んな兄ちゃんが声をかけてきて、
遊びに行こう!とか、
街の写真を撮るなら、俺にチップだ!とか(払う人っているのだろうか)
何だかトラブルの匂いを感じる事が多かったので、なるべく人を避けてた。
一人で英語も殆どわからなかったので、余計に構えてたのかも。


でもここはどうだ。
みんなの表情がとても柔らかい。

言葉がわからない生活を続けていると、段々と人の事を表情や眼、仕草なんかで、色んな事を推測出来るようになってくるから面白い。

僕の危険センサーは、ここの人達に全く反応しないのだ。



街で暮らす人達とここで暮らす人達の、一体何が違うのだろう。
僕は、俄然 ”ラスタ” という言葉に興味が湧いてきていた。

彼らの生活は、自給自足と、時々僕みたいな観光客を案内や宿泊、ワークショップをする事で、ドネーションを募って生活してると教えてくれた。

何回か日本の雑誌にも出たよ。と、笑ながらそのファッション雑誌を見せてくれた。

数年後、日本に帰ってから、ここの人達と同じような生活スタイルをしている人に沢山出会って、その度ここのコミュニティの事を思い出す。

ここから既に何か始まっていたのだ。



収穫したカカオをボロボロと落としながら、僕から逃げるギャル達。
一度でも、ガオー!と追いかける素ぶりをしたら最後、永遠の追いかけっこが始まる。
子供達と追いかけっこでコミュニケーションの鉄板ぶりは、世界共通。



マリファナなんて別に珍しくもないだろう?
時々一服しては、それを写真に収める僕を見て笑うお兄ちゃん。



この国で麻は、特別な植物だ。
彼らも豆やコーヒー、野菜等と同様に、丁寧に育ててる。

食べ物を自給する事について、丁寧に説明してくれたけど、殆ど言ってる事が理解できなかった僕は、レコーダーにその会話を録音させてもらったのだけど、後にそのレコーダーを無くしてしまうという。

でもどれだけ大事にしてるのかは、畑で草を抜いたり、葉っぱの様子を真剣に見てる彼らの姿を見れば、言葉はなくてもわかった。




あれから十年が経って、日本でも大麻って本当にあぶない物なのか?という話題をTVやネットでも見るようになった。
医療用や、オイル、繊維、食べ物としての研究も、海外ではどんどん進んでいて、日本でもそう遠くない日に解禁の流れになるだろう。


でも、一番彼らがこだわっていたのは、自給する。という事だ。


日本でも今、食べ物を自給する人が増えてきてるそうだ。

無農薬にこだわってる人や、何人かのグループで集まって作ってる人、
最近じゃ土を触る事で、鬱やストレスが軽減されるという話もある。

このたった数十年で、随分土との向き合い方が変わりつつある人類が、この先どんな選択をしていくのか、心配でもあり、楽しみなのです。




帰り際、お兄ちゃんが教えてくれた。

ブルーマウンテンの大半の土地は、日本の大飲料会社、UCCが買い取って超大規模のコーヒー農園を作ってるんだそうだ。
そこで獲れるコーヒーの殆ど全て、日本に送られてるそうだ。

彼らはその事を怒るでもなく、愚痴ることもせず、ただ僕にもわかる様に教えてくれた。



僕が迎えの車に乗って見えなくなるまで、子供達が手を振ってくれる姿を、車の中から眺めてたのだった。


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いや、これ誰かからサポートあった時ほんまにむっちゃ嬉しいんですよ!!