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むるめ辞典

■当然

[読]とうぜん

当たり前

[例文]
いつか家名のもつ意味が廃れ、世間の基徳は教育にとってかわった。そこから続く、しがらみの絡んだ複雑な仕組みに、うんざりしつつも慣れてしまった私は、当たり前な顔をして子供を学校に通わせている。

うちの子は学校に行きたくないという。
tvでは貧困に苦しむ子供が教育に夢見ている。子供たちを失望させないためにできることはないか、子を持つ親としての責任はなにか、最近考えることが増えた。

それで気を抜いてばかりいられないぞと、少し自分を奮い立たせながらも今日も当然のように長女と一緒に昼寝をする。

そもそも幸せな時間をともに過ごすこと以上に将来役に立つことはない、というのが私の持論だ。これ以上ないというのは語弊がある気がするけど、これから先に苦しいことや辛いことがあった時に心を温めてくれる思い出は、随分と役に立つはずだと思っている。

次の時代の当たり前をつくる時代に私たちが生きているなら、それを当たり前にできる今の生活に文句は言えない。力み過ぎは良くないぞと、自分に言い聞かせて、子供には本を読み聞かせながら眠る。

これからもきっと同じように過ごす。テクノロジーが今以上に生活を便利にしてくれるのを横目に、幸せについて考えながら子供の豊かな将来を想っている。

サポートしていただいたお金で、書斎を手に入れます。それからネコを飼って、コタツを用意するつもりです。蜜柑も食べます。