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『小公子』セドリックは小さい泰麒そのままだった。

普段翻訳本は読まないし、この小説の名前も知らなかったけど、本屋で見つけてつい帯買いしてしまった『小公子』。

いや〜、こんなん書かれて、この表紙のイラスト見せられたら、十二国記オタクとしてはもう買わずにはいられない!パケ買い!帯買い!!
だって泰麒好きだもん。青年泰麒も好きだし、雛泰麒も大好きなんだもん。

特に、十二国記『風の海 迷宮の岸』の雛泰麒が10歳と思えないくらい大人びた感覚を持ってる反面、年齢の割には言動が可愛らしすぎる違和感があったから、これを読んで何か見えてこないかな〜と思いながら手に取った。

「影響を受けた」とはいえ、そこまでではないかもなと思って読み進めていたけど、なんかもう、読めば読むほどセドリックは小さい泰麒そのままだった。小さい泰麒はセドリックそのままだった。

雛泰麒への違和感もすごく納得できた。
普通だとびっくりしてパニックになっちゃう状況の変化も、ぬるっと受け止めちゃう感じとかも一緒だった。

文章も綺麗だし、常に泰麒の面影が感じられるしで、読んでる間ひたすら癒されまくった。

大学の頃文学部で研究する中で、1つの作品を深く理解するために、その作者の他作品や影響を受けた作品とかまで読んでいったことを思い出した。やっぱり大好きな作品をこうして深く深く考えていくのはすごく楽しいなって。

ただの趣味でしかないんだけど、楽しい。

なんなら、ホワイトハート版と新潮文庫版で加筆修正あったところを分析して、どんな変化が加えられたのかを考えたいとか思っちゃってる(笑)愛が重すぎ。

一冊の本を何重にも何重にも味わい尽くすのは最高の贅沢なんだよなあ。

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