決算において、節税の他もう一つ考えるべきこととは
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■私は法人の決算の対策として、
主に【節税対策】と【資金対策】の
二つに分けて考えるようにしています。
読んで字のごとくなのですが、
『節税対策』とは
税金を減らすための対策であり、
『資金対策』とは
要は金融機関からの融資を
見越しての対策
という意味合いになります。
■最近、
顧問のお客様とのご面談の際に
言われて嬉しかったのが、
その顧問のお客様が銀行へ
融資のお申し込みに行かれた際に、
「よく考えられて作られた決算書ですね。
こういった決算書だと、
すごく融資の審査もしやすいです。」
とのことを言われたということ。
裏を話すと、
数年前に税理士の変更により
顧問のお客様になっていただいた
法人なのですが、
その際の決算書は、簡単に言えば、
ぐちゃぐちゃな状態だったのです…
とは言え、
これは税理士の決算書の作り方に
問題があったというわけではなく、
実際に経理の面が
ぐちゃぐちゃになっていたようで、
いわゆる法人からの支出が
公私混同になってしまっていた
部分も多くあったようなんですね。
なぜ、このような決算書に
なっているのかなと思いながら、
その詳細を帳簿で見せていただいたところ、
そのような背景が見て取れた
というわけです。
■決算書は、
急に改善できるものではなく、
それなりの期間をかけて、
じっくりと改善していくものです。
とは言え、
思いのほか簡単な改善により、
瞬時に数字をキレイに
することもできます。
当然それは
不正に数字を作り上げている
というわけではなく、
『決算書の中の不純物を
きれいにしていく』
という案外簡単な作業だけで、
その見栄えがグンと良くなる
ということは往々にしてあるもの。
■その一方で、
節税対策は基本的に
『現金を使うもの』が多いため、
どうしても節税対策に力を入れてしまうと、
手元の現金が消え、
そのことにより税金は減るものの、
せっかく計上されていた利益も消え、
銀行にとってはマイナス評価と
なってしまうものです。
しかしながら、
「何とかして納税はを抑えたい」
というのも本音でしょう。
その中で、最善の手を尽くし、
税金も上手に減り、
なおかつ
金融機関の融資も通りやすくするような
節税と資金の対策が打てるとしたら、
それは万々歳ではないでしょうか。
そのようなことを意識していたため、
上述した顧問のお客様が
銀行の担当者の方から
「よく考えられて作られた決算書」
と言われたことは、
私としては大変嬉しく
感じたところでした(^^)。
■よく
『節税』ばかりに
目がいってしまうのですが、
上述したように、基本的に節税は
『現金を使うもの』が多いため、
手元の現金を減らしながら、
税金を減らしていく
というものが大半です。
本当に必要なものを前倒しで買ったり、
その現金の支出により
経営が改善するのでしたら
そういった節税策も
考えられるのでしょうが、
【税金を減らしたいがために現金を使う】
ということは、結果として
【手元の現金を減らし、なおかつ
金融機関の評価も下げてしまうこと
となっている】
ということが大半です。
しっかりと、
【その節税は本当に必要なのか】
ということを考え、
最終的な決算の際の対策を
していきたいものですね(^^)。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・決算の対策には主に
【節税対策】と【資金対策】がある。
・節税対策は
【現金の支出を伴う節税】
が大半であることから、
結果として
【手元の現金が少なくなっている】
という現状に繋がってしまう。
・結局のところ真に必要なのは、
【手元により多くの現金を残す】
ということ。
そのような結論を考えた際には、
【無理な節税はせずに、
しっかりと利益を残し納税をし、
手元の資金を手厚くする】
ということが
経営にとっては有用であるもの
という側面も念頭においておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
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よかったらご覧くださいませ。^^
起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹
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