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売上の立っていない外注費(原価)は存在しない

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■「終わってないものは
 経費にならないんですね…」


 決算を組んでいく中で、
 最終的に顧問のお客様との
 見解を合わせていくものの一つとして、
 『在庫』についてのことが。

 買った時点で『仕入高』として
 経費計上されてはいるものの、

 そのうち売れていないものについては
 『在庫』として仕入から抜いて
 『商品』という資産に振り替えていく
 必要があるわけです。

 この考えとして、

 いわゆる経費には
 『原価』と『費用』と『損失』
 という3種類があり、

 この仕入については
 『原価』に該当するものである
 と言えます。

 原価については、
 
 【売上と直接対応している】
 
 ということが前提なんですね(^^)。

 要は

 【売れて初めて
 仕入高などの経費になる】

 ということ。
 
 これが原価の考えである
 と言えます。


■物品販売などの場合は、


 このような『在庫』
 が考えられるわけですが、

 物品販売ではないものの、
 同じような考え方として、
 『工事』などの仕事があります。

 工事に関しては基本的に
 『在庫』はないのでしょうが、

 少なからぬ場合『外注』として
 現場の仕事を振っている

 ということがあります。

 この『外注費』に関しても、
 売上に直接関係するものと考えますので、
 売上との対応関係を考えるなんですね。

 【売上と直接対応するもの
 …つまり原価である】

 ということ。

 そのようなことから考えると、
 理屈としては在庫と同じ考え方に
 なるわけです。

 つまり、
 売上と直接対応しているもののみが
 外注費という原価
 …つまり経費として認められることになる

 ということ。

 逆に言えば、
 売上が立っていない現場に対しての
 外注費については、
 これを原価から抜かないと
 いけないんですね。

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 これは工事においては
 本当によくあることですので
 重々注意したいところ。


■具体的に言えば、


 3月決算法人で、
 3月中に外注費の支払いはしたものの、

 その外注費に係る工事の完成は
 翌期の4月であるため、
 売上高は立っていない

 という状況を考えてみましょう。

 このような状況であれば、
 外注費としての経費計上は認められず、

 外注費から抜いて
 『資産』とする必要がある

 というわけなのです。
 (これは製造業などでも考えは同じ。)

 外注費の資産の科目としては、
 製造業においては

 『仕掛品』

 という科目が使われます。

 工事の場合であれば、

 『未成工事支出金』となります。

 難しい言葉は置いておくとして…

 【在庫の場合の商品であれ、
 仕掛品などであれ、
 資産としては変わりないもの】

 ということ。

 この外注費の仕掛品計上については、
 税務調査でもかなり指摘が多い
 事項ですので、要注意です。


■要は


 【原価とは売上に直接関係するものである】

 と言えるわけで、

 上記の他にも、その業種によって
 この『原価』と考えるものは
 変わってくることになります。

 しっかりと、
 自分自身の営んでいる事業に応じて
 適切に正しく『原価』を
 処理していくようにしましょう(^^)。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・いわゆる経費には
 『原価』『費用』『損失』
 の3種類がある。


・在庫の考えは、
 この原価の考えに紐づいているものであり、
 同じようなこととして、
 製造業などにおける完成していないもの 
 についての『外注費』が考えられる。


・在庫であれ仕掛品などであれ、

 【経費から抜いて資産として計上する】

 という性質のものについては、
 税務調査についても重点的に見られる
 項目なのでくれぐれも注意が必要である。


・そもそも、単月や決算において
 売上から原価を引いた
 売上総利益がマイナスになる
 ということは通常考えられないため、

 もしそのような状況であれば、
 この『在庫』や『仕掛品』などの計上を
 まず調べてみるべし。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

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起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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