外注か給与かを見誤ると・・・
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
==================
■先日、
顧問のお客様とのご面談のお約束の中で、
ちょっとした捉え違いがありました。
どういった内容かと言えば、
本来15時からの面談だったのですが、
顧問のお客様からメッセージがあり、
「30分ほど後からスタートに
変更できないでしょうか?」
とのこと。
その時は11時であり、
私としては『30分後』なので
「11時半からスタートで大丈夫ですよ」
とのことで、
ZOOMの面談の準備をしていました。
結局、実際に11時半から
ZOOM面談がスタートしたのですが、
お客様としては、
「当初の15時の予定を15時半からに
したかったんですよー(笑)」
とのことだったのです(汗)。
ただ結果として、
11時半からの方が逆に都合が良かった
とのことで、
双方にとって良い時間となった
といったことがありました。
結果オーライだったと言えば
それまでですが、
言葉の遣い方、捉え方は
本当に注意しないといけませんね(^^;。
■さて、
先日の記事の中で
『外注費か給与か』というお話を
させていただいたのですが、
この外注費か給与かについては、
ちょっとした捉え違いということでは
税務上済まされないため(滝汗)、
今日はその違いについて
もう少し深掘りをして
見ていくことにいたします。
今日見ていくのは、
『外注費だと思っていたのが
税務調査で給与としてひっくり返された』
といった場合、
どういった点が変わってくるのか
ということ。
大きく変わってくる税目としては、
【源泉所得税】と【消費税】
であると言えます。
■まず
『源泉所得税』については、
通常『外注』であれば、
その料金の支払いの際
源泉徴収をする必要がないのですが、
(ただし、外注の内容によっては
源泉徴収が必要なものもあります。)
これが『給与』となると、
源泉徴収をする必要が出てくることに
なります。
結局のところ、
「本来は給与だったよね」
ということで、
それは
『源泉徴収すべきであったもの』
とみなされて、
源泉所得税を徴収していない
ということに対するペナルティーが
かかってくる
というわけです。
■次に『消費税』について。
『消費税』については、
その外注費を払っている事業者が、
消費税の課税事業者である場合で
なおかつ、
原則課税により計算している場合に
限定されるのですが、
原則課税の場合、外注費を支払った際は、
その外注費には消費税が乗っているもの
として考える
ということになります。
仮に33,000円の外注費を支払った
とした場合、
それがその事業者の方が
意識的に3,000円の消費税を乗せて
税込で請求したつもりであろうと、
逆に特に意味もなく
消費税の概念を考えずに
33,000円を請求していたとしても、
これは
『30,000円+3,000円の消費税』
として消費税法では考えていく
ということになります。
そうなると、
税務署に納付する消費税
(原則課税に限定されます)については、
売上の際お預かりした消費税から、
その外注費などの経費の際に支払った
消費税をマイナスした差額を
納付していくことになりますので、
当然、外注費が多ければ多いほど、
税務署に納付する消費税も
少なくなっている
というわけですね。
しかしながら
これが『給与』とみなされてしまうと、
『給与に対しては消費税はかからない』
と考えられますので、
その外注費として申告し、
消費税を引いて税務署に申告納付していた
消費税の分だけ、
【消費税の納付漏れ】
とみなされてしまうわけです。
これが結構怖い、
源泉所得税と消費税についてのお話…
■そして、
税目は違うのですが、
どちらの税目も
【相手からお預かりした税金】
という意味合いになりますので、
それを納付していなかった
ということに対しては、
結構大変な罰金が科される
ということになってしまいます。
具体的に言えば、
申告期限までに申告しなかったという
『無申告加算税』や、
納付期限までに納付しなかった
という場合の
『不納付加算税』や『延滞税』が
付いてきます。
また消費税を本来の税額より
少なく申告してしまっていた場合は
『過少申告加算税』
というものも付いてくるということに。
■このように、
源泉所得税にしても消費税にしても、
納付しなかったことによるペナルティーは
相当なもの。
そういった面からもしっかりと
この『外注費か給与か』という線引きは
明確にして、
税務上しっかりと
その対応をしていきたいものです。
■そして、税務外の話なのですが、
給与であれば場合によっては
『雇用保険』や『社会保険』に
加入する必要が
出てくるかもしれません。
なお、『労災保険』については
労働者であれば絶対に加入する
必要がありますので、
そういった税金以外の面からも
注意が必要です。
しっかりとこういった
線引きを明確にして、
『外注費』と『給与』とを
区分けするようにしましょう(^^)
--------------------
《本日の微粒子企業の心構え》
・外注としていたものが
給与としてひっくり返されてしまうと、
【源泉所得税】と【消費税】について、
重たいペナルティーがかかってくる
ことになってしまう。
・しっかりと、
【外注費か給与か】の線引きを明確にし、
契約書などでそれを明記するとともに、
しっかりとした根拠を残して、
その証拠を強いものにし、
万全を期したいものである。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^
起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?