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倒産防止共済の賢い使い方とは

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■先日は


 個人事業主や法人役員の方についての
 オススメの節税として

 『小規模企業共済』

 について、
 改めてご説明させていただきました。

 今日はそれと似たような
 国の制度なのですが、

 【倒産防止共済(経営セーフティー共済)】
 
 について見ていきたいと思います。


■この倒産防止共済についても


 以前の記事でも何度か
 紹介をさせていただいているのですが、

 今日は少し入り込んだ話を
 していきますね(^^)。

 倒産防止共済が作られた
 趣旨については割愛しますが、

 現実として

 【節税として使われているもの】

 であると言えます。

 どのような制度かと言えば、

 毎月5千円から20万円までの
 月額の積立金額を設定することかでき、

 その積立総額が800万円に達するまで、
 積み立てを続けるとができる
 
 というもの。

 感覚として、
 銀行に預金をしていくような
 イメージなのですが、

 小規模企業共済と同じく、

 『積み立てた金額が全額経費になる』

 というもの。

 毎月20万円の金額としたら、
 年間で240万円ですので、
 その高額な積み立てにより、
 多くの経費を計上することができる

 というものなんですね。

 しかしながら、
 これを解約した際には

 【全額収益として税金の対象】

 となってきます。

 ざっくりとした考えでいけば、

 『積み立てた段階で経費になり、
 これが戻ってくる段階で収益となるため、
 トータルで見るとトントンとなり、
 節税効果はないもの』

 と考えられるわけです。


■しかしながら、


 個人事業主においては、
 その所得が大きければ大きくなるほど、
 所得税の率が上がっていきますし、

 個人事業税についての対象
 となってくることもあります。

 逆に、
 所得が低ければ低いほど
 その税率は少なくなるものであり、

 上述した
 個人事業税の課税対象とならない
 ケースもあったりするわけです。

 このようなことから考えると、

 所得が大きな時期に
 この倒産防止共済を積み立てていき、

 逆に経営不振などで、
 所得が小さくなったタイミングで
 これを解約して収益化することにより、

 高い税率の時に経費を作り、
 低い税率の時に解約して収益にする
 ことで、税負担が少なくなる

 というわけです。


■そして、これは


 個人事業主のみならず
 法人についても言えること。

 法人については、

 法人税で言えば
 『年800万円の所得』という線引きにより、
 税率が変わってきます。

 そして、

 法人県民税などについては、
 福岡県においては、
 400万円、800万円という区分で
 その税率が変わっていき、
 (都道府県により区分は異なります。)

 個人事業主ほど小刻みな
 税率の設定ではないのですが、
 やはり大枠としての考えは同じであり、

 『所得が大きくなればなるほど
 その税負担も増えていく』

 というもの。

 よって、

 法人についても所得が大きく
 税率が高いタイミングで
 この倒産防止共済を積み立てていき、

 やはり経営不振や、
 何らかの経費の増大などにより、
 所得が低くなっているタイミングで
 これを解約すれば、
 その分税負担が少なくなる

 と言うことができます。

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■『倒産防止共済』については


 一般的に、
 経費と収益がチャラになり、
 その効果は少ないもの

 と言われますが、

 このようにして、
 戦略的にその積立と解約をしていく
 という手もあるわけです。

 しかしながら、
 経営の見通しはそんなに
 明確に見えるものではなく、

 なおかつ、経営に使うことができる現金を、
 倒産防止共済に回してしまうことにより、

 『当面の資金繰り』
 という面では厳しくなってきます。

 結局のところ、

 【現金を使う節税】

 ですので、当面の現金はなくなり、

 逆に、

 【利益に対してしっかり納税をしながら
 手元の現金を手厚くしていく方が
 資金繰りの面では良い】

 とも言えます。

 しっかりと、
 自分の置かれている現状を把握しながら、
 その上手な積み立てなどを
 していきたいものですね(^^)。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・基本的に、『倒産防止共済』は、
 積み立てた金額が全額経費となり、
 解約して戻ってくる金額が全額収益
 となるため、

 【トータルすると税負担は変わらない】

 と言える。


・しかしながら、 
 個人事業主においても法人においても、

 所得が少なければ税率は低くなり、
 所得が高ければ税率は高くなるものである。

 したがって

 【所得が高い段階で
 倒産防止共済の積み立てをし、
 所得が低くなったタイミングで
 これを解約すること】

 は、節税という面からは有用である
 と言える。


・しかしながら、
 手元の現金は多く減ってしまうことから、

 【経営においての現金】

 といった面で考えると、
 マイナス要素であるとも言える。

 しっかりと、自らが置かれている
 経営の状況を総合勘案し、
 ベストな方法を検討したいものである。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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