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コロナ禍で見られる経営者の心

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■この緊急事態宣言下において、


 5月に予定されていた税務調査も
 延期となりました。

 昨年はほぼ丸々税務調査がない年
 だったように思います。

 実際のところ、
 税理士会を通じての通知により、

 「確定申告が終わった段階から
 税務調査を再開する」

 という通知が届いてはいたものの、
 想定していなかった緊急事態宣言…

 こうなると、
 税務調査に入る予定だったものが、
 次々と後ろ倒しになってきており、

 この緊急事態宣言が終わってからは、
 いよいよ本格的な調査が
 スタートするのではないか

 と思っているところです。

 実際のところ、
 税務調査が本格化していくのは
 9月から11月あたりというのが通常。

 この9月から11月あたりに
 スタートする税務調査は、
 税務署内部の人事考課にも
 大きく影響するとのことで、

 税務署がいわゆる『本気モード』で
 調査に向かってくる時期なんですよね。

 そこで今日は、
 税務調査についてのお話から。


■ここ最近のコロナ禍においては、


 外部との飲食が
 めっきり減ったのではないか
 と思います。

 実際のところ、
 私の顧問のお客様においても、

 外部との飲食代が大幅に減少し、
 その結果図らずも経費が削減でき、
 思わぬ良い結果が得られた

 ということも少なからずありました。
 みなさん、これまでの飲食の多さに
 驚かれています(笑)。

 上述したように、
 このコロナ禍においては、
 外部との飲食が減少している

 という状況。

 しかしながら、実際の帳簿を見ると、
 (これは私のお客様のお話ではありません。)

 『飲食費がそんなに変わっていない、
 または逆に増えている状況』

 ということが見受けられると、
 どのように感じるでしょうか。

 私が税務調査官だったら、
 この飲食費をターゲットにして
 税務調査に入りたくなるだろうな、
 と思ってしまいます(^^;。


■というのも、


 社会全体で外食の回数が
 減っているのにもかかわらず、
 それが増えているということは、

 「もしかすると親族やプライベートの
 食事代を経費化しているのではないか」

 と考えてしまうからです。

 実際のところ、税務署がそういった
 部分に目を光らせ始めている
 という話も聞いています。

 もちろん、実際のミーティングや
 打ち合わせなどにより、

 例えばUber Eatsなどに注文して、
 オンラインでの飲み会などを通じて
 会食をするということもあるでしょう。

 ただ、通常はそのような機会は
 少なくなっているというもの。

 特に昨年は『持続化給付金』や
 『家賃支援給付金』などの入金により、
 思いがけず収益が上がっていて、
 利益が出ている

 というケースも。

 その利益を少なくするため…
 ではないかもしれませんが、
 何とか経費を増やそうとする動きが
 見受けられるようにも感じています。


■しかしながら、


 いったん税務調査のことは置いておくとして、
 一人の経営者として考えたとき、
 その経営のマインドとして、

 『もしプライベートの飲食代を
 会社の経費として計上しているとしたら、
 経営者としてどうなのかな…』

 と正直思ってしまいます。

 仮に私が税理士として
 そのような帳簿に遭遇した際は、
 すごく嫌な気持ちになってしまうでしょう。

 税理士としては当然、
 真っ当な経費を計上し、
 適正な会計帳簿を作り
 同じく適正に申告をする

 というのが仕事なわけで、

 そのように事業とは関係ない経費を
 領収書として提出されている状況は、
 本当に専門家として
 気が滅入ってしまいます。

 と言うより、
 (むしろこちらの方が強いのですが)

 同じ経営者としての気の持ちようとして、
 どうしてもその会社を応援したい
 という気持ちがなくなってしまう

 というもの。

 私自身、基本的に

 『その会社とその経営者そのものの
 ファンになって応援していきたい』

 というスタンスであり、
 その延長線として税理士の仕事をしている 
 というところがあるので、

 上述したようなことは
 本当にご法度なんです。

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■ここ最近の

 『一時支援給付金』や、
 『月次支援金』に関しても、

 どうにかしてこれを受給しよう
 という動きが見られますが、

 この給付金は当然、コロナにより
 経営成績が悪くなってしまったことによる
 支援策のようなもの。

 であるにもかかわらず、
 そのように

 「何とかしてもらえるものはもらおう」

 とする気の使い方としては、
 経営者としてどうかな
 と思ってしまいます…

 ここで申し上げているのは、
 どう見ても『受給の対象外』なのに、
 「なんとかごまかして受給を・・・」
 といったことです。

 そういった背景もあり、
 顧問のお客様以外の申請業務については、
 今回に関しては全くお受けしていない

 という状況。

 当然通常業務が手一杯でお受けしてない
 ということも事実なのですが、

 その背景には、こういった
 税理士として気が滅入ってしまうような
 ことも、実はあるんです。

 そもそも、普段の事業のことを知らないのに、
 無責任に『事前確認』なんてできないです…


■今日は


 このコロナ禍を通じて見えてきた、
 世間の(私を含めた)経営者の心について
 感じたことを綴ってみました。

 もしかすると、
 少し気分を害することも
 あったかもしれませんが(汗)、

 コロナにより残念な方向に経営者の心が
 動いているということを少なからず 
 聞いていますので、
 想いを綴らせていただきました<(_ _)>。


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《本日の微粒子企業の心構え》


・経営者として、
 プライベートの経費を入れ込もう
 とすることは、

 【その帳簿を目にする関係者
 (従業員を含む)にとって、
 どういった感情を持たれるものか】

 ということをしっかりと考えたい
 ものである。


・そして経営者自身として、
 そのようないわゆる

 『ブラックな経費を計上してしまう』
 ということについて、
 また、(誤解を恐れずに言うならば)
 『給付金などの不正受給』について、

 そこに経営者としての認知を奪われ、
 本来の経営を考える時間を
 潰してしまっているようでは
 本末転倒であるように思える。

 しっかりと、
 経営者としての理念を第一に、
 その経営を前向きに
 考えていきたいものである。


今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

https://muratax.com/blog/

起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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