【30万円未満の資産を全額経費にする】際注意すべき点
■令和2年分の確定申告が
4月15日に延長されましたね。
確定申告期限は延長されるものの、
しっかりと油断することなく
前倒しで確定申告の計算を
進めていきたいものです。
■さて、
個人事業主の青色申告である方に
ついてなのですが、
10万円以上30万円未満の資産は、
これを経費処理することにより、
全額経費として認められます。
『経費処理することにより』
というのは、
あえて資産として計上するのではなく、
しっかりと消耗品費や減価償却費などの
経費として経理することが必要
というわけです。
今日はそのことについて、
少し注意すべき点を
見ていきたいと思います。
■原則として
10万円以上のものは
『資産』として考えますので、
この10万円以上30万円未満のものが
全額経費となるという取り扱いは、
【例外的なもの】
になります。
税務上、例外的な考えを使うには、
【その特典を享受するための要件】
をしっかり備えておかないといけません。
この制度についてもそれは例外ではなく、
しっかりと要件を備えることが
必要となります。
■どのような要件かと言えば、
原則として、
この10万円以上30万円未満の資産
(以下、「少額減価償却資産」と言います)
については、
【明細書の添付が必要】
となります。
ただし、
確定申告書とともに提出する青色決算書の
『減価償却の計算』の摘要欄に
一定の事項を記載することにより、
明細書の添付を省略することが可能です。
具体的に言えば、
【その少額減価償却資産の購入金額の
合計額(その年の購入金額の合計)】と
【その少額減価償却資産について、
この例外規定の適用を受ける旨】、
そして
【その少額減価償却資産の明細を
別途保管している旨】、
この3点を減価償却の計算の摘要欄に
記載することにより、
明細書の添付を省略することができる
というわけです。
■そして、
この記載の仕方なのですが、
具体的にこの規定の適用は
『租税特別措置法第28条の2』
という条文を
適用することになりますので、
その旨を記載することが
必要となります。
ただ、この長々とした条文番号を
全て記載する必要はなく、
省略して記載していけばOK。
具体的にはその欄に『措法28-2』と
記載して申告することになります。
また、『明細は保管している』
ということも
記載することが必要ですので
その後に括弧書きで
『(明細は別途保管)』
という文言も加えるようにしましょう。
明細書を添付しない場合には、
そういった事項を記載して初めて
この規定の適用を受けることが
可能となります。
単に10万円以上30万円未満の資産が
一括して経費になるといっても、
こういった税務上の要件を
具備する必要がありますので
くれぐれも注意が必要です。
もしあなたが
この少額減価償却資産の規定の
適用を受けようとしているのでしたら、
上述してきたような点に
注意して申告するようにしましょう。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・少額減価償却資産については、
原則として
【その明細書の添付が必要】
となる。
・ただし、
【その少額減価償却資産の
購入金額の合計額】、
【租税特別措置法の規定の
適用を受ける旨】、
【明細書は別途保管している
ということ】
といった3点を
【減価償却の計算の摘要欄】
に記載することにより、
明細書の添付が省略できる
ということをしっかりと把握しておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
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起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹