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決算書で会社の健康状態をチェック

おはようございます。

【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。

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■3月あたりから、

 福岡市からの案内はもちろんのこと、
 商工会議所や税理士会からも
 健康診断の案内が来ることが
 多くなりました。

 サラリーマン時代は、
 年に1回定期的に
 健康診断を受けていたのですが、

 これが経営者ともなると、
 自らの意思なくしては
 健康診断を受けないことになりますので、

 しっかりと自らの健康の定点観測を
 するためにも、
 健康診断は受診したいところですね。


 
■どうしても健康診断ともなると、

 数値を良くしたいため、
 前日の食事を制限したり、
 数日前から筋トレをスタートしたり(笑)、

 いろいろな取り組みをされることも
 あるかもしれません。

 法人の決算書においても、
 その健康状態を示す指標
 となるものがあります。

 
■まず、

 【その時の健康状態を示すのが、
 損益計算書】。

 まさに、前日の食事制限などをして、
 その結果が反映された
 短期的な状態を表しているようなものです。

 具体的には、過去1年間の健康状態が
 損益計算書では見えるという状態ですね。

 逆に、もう少し踏み込んだ
 健康診断になると、
 血液検査をしたり、
 レントゲンを取ったりなど、
 深部の検査をすることになります。


■そして、

 【会社が創業して現在までの間の
 トータルの健康状態を示すのが
 貸借対照表】

 であると言えます。

 これは現在までの蓄積ですので、
 これまでの経営活動の歩みが
 如実に表されるものになるわけですね。

 
■会社経営において、
 
 前日の食事制限に近い状態が、
 過度な節税志向であると言えます。

 節税をするためには当然現金が必要。
 現金を使って税金は減るのですが、
 当然その分本来存在していた
 利益はなくなり、
 現金も少なくなっている状況。

 現金が潤滑に回っていない状況ですので、
 血管がボロボロになり、
 思わぬ合併症を引き起こしてしまっている
 ということも往々にしてあります。
 
 損益計算書の利益が少なくなって
 いるのはもちろんのこと、

 毎期このような過度な節税を
 繰り返していると、
 その利益の累積である純資産は少なくなり、
 当然現金を使っていることから
 経営の血液とも言える現金も
 スカスカの状態。

 こういった貸借対照表は、外部から見て、
 その取って来た行動がストレートに
 表現されており、
 金融機関の評価としても
 マイナスとなってしまうような状況です。

画像1

 
■結果を見ると、節税をした結果、 
 
 現金がなくなり、
 企業の内部留保も少なくなっている状況。

 これは会社の健康状態を考えた時に
 いかがなものかとも思われます。

 結局のところ、経営の血液は現金であり、
 ピンチな時に現金が使えなかったり、
 逆にチャンスに際して打てる手が、
 現金がないことで打てなくなってしまう
 ことも少なからずあります。

 節税は基本的に現金を使うもの。

 その節税をして、
 税金は少なくなってはいるのでしょうが、
 真に経営のことを考えた際に、
 トータルしてその効果が
 プラスに出ているでしょうか。

 しっかりと冷静に状況を俯瞰して、
 経営者として、
 短期的な視点及び長期的な視点を持って
 経営判断をしていきたいものですね。

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《本日の微粒子企業の心構え》


・決算書は会社の健康状態を
 示すものである。

 損益計算書は過去1年間の健康状態を、
 貸借対照表はその会社が創業して
 現在までの健康状態を、
 それぞれ表しているものとなる。

・過度な節税は、
 会社の健康状態を著しく
 阻害するものである。

 健康な経営を考えた際、
 そのような過度な節税を避け、 
 真っ当に利益を出し納税をし、
 会社の内部留保を厚くし、
 現金残高を増やしていくということが、
 経営にとっては有効である
 とも考えられる。

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今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。


これまで書いてきた記事は、
バックナンバーとして、
私の公式HPの【ブログ】に
アップしていますので、
よかったらご覧くださいませ。^^

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起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹

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