「役員報酬は毎月同額」ということの例外
おはようございます。
【起業準備中から起業5年目までの経営ドクター】
税理士の村田佑樹です。
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■つい先日のことなのですが、
妻から「メガネ変わった?」
ということを言われました。
私の使っているメガネは、
二年近く前に変えたものであり、
変わっていないという状況…
なぜそのようなことを思ったのか
疑問ではありますが(笑)、
今日はその『変わったかどうか』
ということで税務上大切になってくる
お話を進めていきたいと思います。
■法人の経費において、
「変更することができないもの」
と言えば、
どんなものが思い浮かぶでしょうか。
パッと思い浮かぶのは
『役員報酬』ではないかと思います。
法人がその代表者などの役員に対して
支払う役員報酬…
つまり給料については、
【基本的に毎月同額である】
というのが原則。
逆を言えば、
毎月一定でない役員報酬は、
一部の額が経費とならない
ことになってしまう
というわけなんですね。
もっと詳しく言えば、
役員報酬は原則として、
年に一度しか変えることができません。
この年に一度変えるタイミングは、
決算が終わったあたりのタイミング。
詳しくお話をすると
細かい論点になりますので
省略いたしますが、要は、
【役員報酬は年一度のタイミングでしか
変えることができず、
その額も毎月同額でなければならない】
というのが大原則
というわけなんですね。
■しかしながら、役員報酬については
【その毎月の役員報酬のほか、
継続的に供与される経済的な利益のうち、
その供与される利益の額が
毎月概ね一定であるもの】
も含まれるという規定があります。
(法律のコトバなので嫌になりますね(笑))
つまり、役員報酬は
現金での支給のみならず、
経済的な利益…
つまりその役員に対して
現金以外で利益が支払われる場合も
含まれるよ
というお話なんです。
■そこでポイントとなってくるのが、
【毎月概ね一定ではあるもの】
という内容。
『概ね』と書いていますので、
「必ずしも同額でないのかな」
というようなことが
伺えるかと思います。
そうなんです。
この経済的な利益で
毎月概ね一定であるというもの
については、
必ずしも毎月同額である
という必要ではないんですね(^^)。
例えば、
生命保険料を会社が支払っていて、
本来はその役員が
負担すべきものであった場合などは、
その保険料は役員報酬と考えます。
ただ、これは毎月一定ではない。
具体的に言えば、
『年払いの生命保険の契約』
というのも考えられるでしょう。
当然年払いですので、
突発的な支出であり、
これは毎月同額ではない
ということなんですね。
しかしながら、
『単に毎月払うべきものを
年払いにしている』
というだけですので、
これは毎月一定の額を
役員に対する経済的な利益として
供与していると考える
というわけです。
■よく、
生命保険に関しては
こういった論点の質問をされるのですが、
結論として言えば、
【この毎月概ね一定であるもの
に該当するため心配しなくて良い】
というお話になります。
上述してきたように、税務のお話は、
深く入り込んで考察していくと、
思っても見ないような現実が
隠されているもの。
しっかりと、税務上の判断の際には、
適切な税法の知識をもとに、
しっかりと的確に
その税務判断をしていきたいものです。
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《本日の微粒子企業の心構え》
・役員報酬は、
【基本的に年一度しか変更できず、
その額も毎月一定でなければならない】
という性質がある。
・しかしながら、
現金で支給される給料のほか、
経済的な利益で、
その額が毎月概ね一定であるもの
に関しても、
毎月定額の給与と考えられるものになる。
例としては役員個人が負担すべき
『生命保険料の年払い』
が考えられ、
この年払いの生命保険料は
【原則として毎月の役員報酬として
考えて差し支えないもの】
と言える。
・この毎月一定の
役員報酬のルールを破ってしまうと、
一定の金額が経費とならない上、
社会保険料の対象となってしまい、
さらには役員個人に対する
所得税や住民税もかかってくるので
注意すべきものであると
心得ておくべし。
今日も最後までお読みいただきまして、
ありがとうございました。
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よかったらご覧くださいませ。^^
起業準備中から起業5年目までの経営ドクター
税理士 村田佑樹
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