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読書「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」



子供の頃は野球が好きだったので選手である落合はよくみていたが

大人になってからは試合結果を追う事はなくなっていたので

落合が監督であったという事は知っていたが

監督としてどのような実績を残したのかは知らなった。

スポーツ紙の記者である著者が落合監督在籍時の中日ドラゴンズの

八年間の記録であるが

落合自身の言葉、選手の言葉、コーチ、スカウト、フロントの名前が

記された12章に溢れている。

一人の記者の成長の記録でもあり

球史の裏側を覗かせ、球団という組織の軋轢の内幕物でもあり

名監督とその家族の肖像を描き

日本とドミニカの若い選手の青春も描いている。

もっとこの頃の野球を観ておけば良かったと思うほど素晴らしい文章だった。


終章近くの落合は八年間変節せず

「変わったのは自分たちなんだ。。。」

という選手の思いが心に残った。


表紙は暗闇に一人落合が佇んでいるようなレイアウトになっている。


球団が日本一になる歓喜や隆盛は描かれてはいるが表紙の暗闇のような気持ちが残るのも感じる。

野球や落合を知らないだけで見過ごすのは惜しい一冊だと思った。

#読書の秋2021

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