感想文　虎の血　阪神タイガース、謎の老人監督

虎の血 阪神タイガース、謎の老人監督／村瀬 秀信 | 集英社　―　SHUEISHA　―

昔にプロ野球未経験の老人岸一郎が
阪神タイガースオーナーにタイガース改革論の手紙を送って
感銘を受けたオーナーにより阪神の監督に抜擢されたがわずか二か月で
「痔瘻の悪化」により監督を外れたという
にわかに信じられないびっくりネタの話かと思うが、
そこに至るまでのまだプロ野球の方が新興で学生野球の方が
人気があり件の監督となった岸一郎は学生野球から
満洲に行って選手として投げてきた投手だった事。
球団フロントと選手間で初代ミスタータイガース藤村冨美男を
巡る軋轢があり謎の老人監督が就任したのも決して昭和のデタラメな
話ではなくそれまでの経緯があった事。
そしてそれが今日まで繋がるチームの悪しき伝統を生み出してしまった
事を丁寧に繋げていく凄く面白い本だった。
大阪球場事件の描写がなにより痛快なので興味を持った方は是非とも
読んで頂きたい。

このインタビューも面白かったです。