Wantedlyに書いた事をNoteに転記(きっかけは地方で開発する会社があれば良いのにと思ったこと)
Wantedlyに書いたことって無限に残る(確かに残っているのですが)企業側は有料プランに入らないと公開されない状態になるという事が分かって、Noteに転記します。(一番安いプランで年間60万だったかな?実際の採用を行うのであれば有料で良いのですが、記事の公開は無料でお願いしたいところですが、儲けれないと生き残れないのでしょうがないです)
海外での開発経験から
地方で開発する会社があればと思い始めたのは15年以上前になります。今でこそリモートワークというのが一般的になってきましたが、15年前とかは会社で仕事するのが当たり前でした。
そんな中、アメリカで1年間ほど働いたのですが IT の職場に関する考え方の違いが印象的でした。広い駐車場はMaxでも半分ぐらいしか使われることが無く、オフィスビルの向こう側に小川が有ってそこにはビーバーが住んでいました。時々、駐車場側に木が倒されている事があってもアメリカ人は気にしていない様子でした。聞けば、こういう郊外で開発するのは一般的で、ニューヨークとか都会にも開発する会社が有って「給料が倍欲しければニューヨークで働けばいい」ということでした。だけど自分達はニューヨークには行きたくないと。
日本の場合、郊外や田舎に IT の会社はあまり無いなぁと思っていたのですが、その後ヨーロッパもそういう感じなのだと聞いて、日本はどうして人を都会に集めたがるのかと思い始めたのが一つのきっかけです。
都会(特に東京)では、朝、家を出て満員電車で都心方向へ出社し、また帰りにも(朝ほどではないにしろ)また満員電車で帰宅していました。特にエンジニアに成りたての頃は、お客さんと顔を合わせる訳でもなく、終日パソコンを使って作業するだけなのにどうして都心に人を集めるのか不思議に思っていました。
国内旅行で感じた事
いろいろな所を見て回るのが好きであちこち行きました。ドライブが好きだったというのも有るかもしれません。20~23歳にかけてだったという記憶ですが日本の全部の都道府県へ行きました。当時は友人とどちらが先に日本の全都道府県を回るか勝負していたというのもあります。夏休みに北海道・春休みに九州・・・と言った具合です。
それから10年、20年経って2回目/3回目と行く事があるのですが、当時と比べて随分と寂れたなぁと思う所が散見されます。それを見るたびに胸が苦しくなるというか、悲しいような気分になります。それで少しでも地方を盛り上げるのに貢献出来たらと思ったのも一つのきっかけです。
弊社が拠点を地方に出したからと言って、地方衰退の流れを変えることはできないだろうと思いますが、それでも(自分も地方出身者ですが)地元に働く場所があれば東京へ出てこなかった可能性が高いと思っているので、多少なり貢献する事ができればと思っています。
人生のうちの数年間は東京で働いてみるという経験があった方が良いのではないかと思っておりますが、ずっと住む場所ではないように思っております。
日本の活力のため
この都市部集中、特に東京一極集中の流れは、第二次大戦後にさかのぼる事ができます。当時は高度経済成長期を迎えようとしていて労働力が圧倒的に不足しており、労働集約型の産業ではとにかく人が欲しい状態でした。その後、時間が経過してみんなが上京という流れは弱まったと思いますが、本社機能は東京に集まっており(名刺に「本社:東京」と書きたい会社が多かったのだと思います。今もそれは感じますが)ある程度の会社の情報システム部というと、基本的には東京にある状態です。そうなるとそこから発注される案件は東京の IT 会社が請負うという流れになっていて、全国的に展開している会社(地方で稼いでいるような会社)でもシステム開発は全部東京で・・・という流れになってしまっています。
ここで、もし東京で受注するけど地方で開発する会社があれば、この流れの逆ができるのではないかと考えました。20年ぐらい前ですが、インドや中国などの国外の会社を使うのが流行りました。(オフショアと言いますが)
当時は日本のエンジニアの 1/10(十分の一)ぐらいの単価だったという事もあります。しかし近年では、中国は日本の 80%、インドも日本の 70%ほどの賃金(*1)(*2)となっていて、言語や風習のオーバヘッド(*3)を考えると、日本のエンジニアを使うのと変わらない状況です。
そういう事であれば最初から日本国内の会社に仕事を出しませんか? という発想です。文化風習の差も有ると言われていますが「仕様書に書いてないから」という事でシステム化されていないシステムが出来上がってきて、一部作り直しという事が多いそうです。であれば、最初から日本国内で発注した方がお互いに良い結果になるのではないかと思っています。
また、日本の富を日本国内で還流させるという意味もあります。
「あまのじゃく」かも
社長をしている自分は「あまのじゃく」かもしれません。地方の会社ではありますが、世界に通じるソフトウェアを出してみたいと思っています。ここには書きませんがにアイデアが幾つかあります。
アメリカで開発していた時に思ったのは、日本のソフトウェアエンジニアは優秀だと思います。それなのになぜか日本のソフトウェアは世界に出て行っている物が無いと言っていいくらいに少ないです。
それで世界に出せるソフトウェアを作りたいのですが、東京ではなくて地方で作ったソフトウェアが世界へ出ていくというのがなんかカッコいいと思っているんです。(しょうもないのですが、ご容赦下さい)
弊社では、将来その開発を一緒にしてくれる人、または、まだ先の話なのでそれまでに勉強してくれる方をお待ちしております。
(2024.5.21 に転記、オリジナルは2022.04.16作成)
(*1) 2013年頃に調査した数字です。今はもう少し高くなっていると思います。
(*2) オフショア開発を行う場合「ブリッジSE」というのを置く事が多いです。これは日本語の仕様書を英語にしたり、文化の違いによる誤解を吸収するためです。つまりブリッジSEの料金も吸収しようと思うと大規模開発でないとトータルのコストが安くならないです。
(*3) 文化の違いというと面白い話があって「安いから」という理由でアニメの背景部分をインドに発注した会社があったそうですが、(背景ならどこでも変わらんだろうという事も有ったようですが)郊外の家の壁が全部「茶色」に塗られた物が納品されてきたそうです。日本の家の壁は基本的に白っぽい色にするべきです。