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コラム「映画から学ぶことなど何ひとつない」(漫画「ナポレオン」の作者が観た映画「ナポレオン」)

映画「ナポレオン」は未見の映画だが
漫画「ナポレオン 獅子の時代」「ナポレオン 覇道進撃」で
20年ナポレオンの一生を追い続けておられる
長谷川哲也先生のYouTubeは拝見した。
曰く「漫画「ナポレオン」の作者が観た映画「ナポレオン」!」

長谷川先生の御意見
良いところ
・戦闘シーン(ツーロンの肉弾戦,
アウステルリッツで敵兵が進軍してると足元が「凍った水面」だと
「罠」だと気付いた瞬間にフランス大陸軍の砲弾が
雨霰の様に降って来て氷が割れて氷水に落とされてバタバタ人が死ぬところ)

ええーと思ったところ
・省略が凄い(イタリア遠征をバッサリカット,ナポレオン配下の
元帥が登場せず警察長官フーシェと政治顧問のタレイランしか出て来ない)
・ナポレオンとジョゼフィーヌのラブストーリーとして描いてる所。
(先生は「むさ苦しい男達」だけを描いていたいんです!)

僕的に嬉しい情報
「ナポレオン」の原稿を描いてたら編集部から
「もう一巻分描いていい」と言われ
「何を描こうかと思案中」との情報!
やった!
漫画「ナポレオン」は「もうちょっとだけ続くんじゃよ」。

漫画の「ナポレオン」と映画の「ナポレオン」の
媒体の性質の違いを考えずに優劣を比較し直ちに
「映画から学ぶことなど何ひとつない」
と極言するSNSの言説には僕は反対です。

確かに映画の「銀河鉄道999」は999が各駅停車じゃないし
映画の「宇宙戦艦ヤマト」はワープ航法使い過ぎだけど!

映画には原作TVアニメや原作漫画や原作小説には
逆立ちしても「絶対に真似出来ないこと」があるんです。

3年前に家人に介護が必要となって,
これ迄の様に好き勝手に生きられなくなって,
窒息しそうな日々が続いて,疲れ果てて,
何の考えも無しに着の身着のままで東京に逃げて,
池袋の映画館で観た「シン・エヴァンゲリオン」は
そうした諸々の鬱屈を吹き飛ばす程キラキラ輝いていたんです。
映画には!
「日常」を断ち切って「ハレの日」に誘う祝祭効果があるんです。
映画には!
日々の生活に疲れ果てた人間に希望を与える力があるんです。

だから映画はさあ配信のチッコイ画面で観たり,
自宅で円盤を再生するだけでは
「真価」が伝わらんのですよ。

コレでも「映画から学ぶことなど何ひとつない」と思うかい…?


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