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最初の100人を想像する 〜「ほどよい量をつくる」を読んで〜

個人的に、これからは個の力でどれだけやっていけるかが大事だと思っている。

一方で、ずいぶん前から「大量に物を作る時代はもう終わった」と言われているけど、それでも大企業の大量生産の流れは変わらないだろう。例えば、コンビニの非常食のクオリティは上がりながら、生産は増えていくだろう。

そこに人の思いはなかなか見えづらいが、手軽さは強い。

甲斐かおりさんの著書「ほどよい量をつくる」を読んだ。

「今仕事の前後が見えにくい世の中なのでは?」と冒頭で投げかけれられる。

甲斐さんはそうなった理由の一つに、「みんなで『量』を追いかけてきたことがあるように思う」と続ける。本文をすこし紹介

余っているとわかっていながら、店の棚を埋め尽くす品々。発売から数週間でセールにかけられる衣服。量産するために農薬漬けにされる野菜。のっかけからネガティブなことばかり並べてしまったが、言いたいのは働きがいを感じにくい世の中になっているのでは、ということだ ーほどよい量をつくる(はじめに から引用)

この本は、既存のしくみから外れた場所でやりたいことを小さくスタートさせ、創作工夫で「ほどよい量」の仕事を成立させてきた人や企業を訪ねて学んだことが書いてある。

ただ、僕は冒頭でも話したけど、大量生産はある程度生きていくだろうと思っている。だからこそ、個人だったり、小さなチームでやるにはどうすればいいか、ヒントがこの本に書いてある。

僕がいいなぁと思ったのが、Minamalのチョコレートの話。

Minimal -Bean to Bar Chocolate-(ミニマル-ビーントゥバーチョコレート)は、世界中のカカオ農園に直接足を運び、品質の良いカカオ豆を選び仕入れ、
自社工房でカカオ豆から板チョコレートができるまでの全工程(選別・焙煎・摩砕・調合・成形)を管理し、製造する“Bean to Bar Chocolate”専門店 -Webサイトより抜粋

詳細は本書に譲るとして、特に納得したのが、「1万人が1回買ってくれるより、100人が100回買いたくなるもの」「最初の100人がどんなお客さんか?が重要」「店はメディア」「他の人にも伝えたくなる感じ」という言葉。

個人が大量に物を作ろうとしたところで、大企業のクオリティに勝てるわけがない。個で生きるなら、どんな人間かってことと、その人が発信するもののクオリティが生命線になる時代だと勝手に思っている。

僕は2020年はお店を始めることになりそう。

なので、この辺は大事にしたい視点だなと思った。


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