故郷でいろんな思いを充電させて、また戦場に戻る
ある人にローカル×ローカル」の本を出したいと連絡したら、
一徹さんが「これを本に出来なかったら死ぬかも!」って感じでなかったら、無理に出さなくてもいいんじやないか。一冊形にするのは、結構大変ですよ。時間かかる」
とありがたいアドバイスをもらった。
ちょっと話は変わるかもだけど、僕は今鹿児島に帰っている。
病院に入院している祖母の状態がよくない。
夏は元気だったけど、家で転んで骨を折ってから三度の入退院を繰り返した。ずっとリハビリを頑張ってきたけど、また転んでしまった。
しかも僕が今回帰省した日に。
リハビリの動画を以前から見ていただけにやるせない気持ちになった。
アスリートばりに頑張って足を動かそうとする祖母を見ていただけに。
しかも、祖母は今回頭を打ったこともあり、夢と現実を行き来する。
「ここはどこだ」とか「110番を呼ぶ」とか「家に帰れないなら飛びおりる」と言って、看護師さんを困らせている。
昨日母は病院に泊まった。
僕の家は両親が共働きだったので、幼稚園、小学校、中学、高校、うちに帰れば祖母がいつもいた。
祖母がどんな性格か一つのエピソードで紹介するなら、マムシを手で捕まえた話だろうな。
小学校の頃、うちの近くの田んぼにマムシが出た時、「婆ちゃんマムシがでた!」と祖母に助けを求めたら、マムシを足で踏んづけて、手で捕まえて叩きつけ、息の根を止めた。
「獲ったどぉ」と言わんばかりに。
マムシはかわいそうだったが、近所の子たちで「婆ちゃんかっこいい!」と拍手した。
そんな豪快な性格の祖母なもんだから、自由に体が動かせなくなった自分自身に違和感なのだろう。
骨折した初日は「みんなに迷惑をかけた」と言って泣いていたのに、今度は一変して赤子のように人を困らせてしまう。そんな祖母を見ると複雑な気持ちになる。
悔しい。
意識がつながったり、繋がらなかったりする祖母。
たまたま意識が現実と繋がった日、祖母がベットから体を起こして「てっちゃん(僕)、体に気をつけて頑張らんといかんよ」と言ってくれた。
あぁ気合が入る。
東京と南伊豆でひたすら仕事をしていて、ある意味仕事だけ集中していた。
だけど、実家に帰ると、自分のこと(仕事)以外に目を向ける機会が生まれる。
祖母のこと、祖母を介護する母のこと、無関心な父のこと。
メラメラと感情が燃える。やるせなさに、何もできない自分の感情が渦を巻く。
自分にとって、故郷という存在を切り離したら心というか、体は軽くなる気もする。どんどん前だけを見ればいいから。
だけど、切り離さないことで、もっと前へ進むために、決意が新たになる。
ガソリンが満タンになるというか。
僕にとって故郷は落ち着く場所でもあるけど、やる気というか、切なさとか、どろどろの感情が入り乱れる。
故郷の存在を再確認した。
冒頭で紹介した指針、「これを本に出来なかったら死ぬかも!」って感じでなかったら、無理に出さなくてもいいんじやないか、に答えると、やっぱり本を出さないと死ぬかもって感じなので、やるしかない。
というわけで、僕は祖母に比べてまだまだ頑張りが足りないので、2020年、必ず飛躍の年にしてみませす。
明日、鹿児島を離れます。
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