見出し画像

解題【こんなもの頼んでないけど】NEMURENU53th

こんばんは。今日もお疲れ様です。

みなさまの悪夢「NEMURENU」こと眠れぬ夜の奇妙なアンソロジーです。第53回となる今回のテーマは「こんなもの頼んでないけど」。発案はくにんさんでした。

「頼む」という行為があって、それに対する結果には逆裏が生じている状況。それはどのようなミスマッチだったのでしょうか、と中々興味深いテーマでした。考えてみれば、「今日は晴れる」という天気予報が当たって今日が晴れたなら、そこには何ら物語は生じない。今日は晴れるはずの日に雨が降るからこそ物語は生まれるものです。

ひとは起点から終点にかけて、「こうであって欲しい」「こうあるべきだ」と何らかの期待を寄せるものです。その期待は天運の導きに対する願望です。が、そこに「こんなもの頼んでないけど」と逆裏が起こる。予測と相反する不整合はドラマツルギーの根幹とも言えるテーマですね。この逆裏は喜劇でもあり、悲劇でもあり、どのような物語にも発展し得ます。さて、今回はどのような作品が集まったでしょうか?
眠れぬ夜の奇妙なアンソロジー第53回、「こんなもの頼んでないけど」。いよいよ開幕でございます。


ところで。今回のマガジンの扉絵はこちら。NEMURENU史上初のアニメ絵です。段ボールと少女。

なぜ今までアニメ調の扉絵が無かったのかと言えばそれはひとえに版権の問題であるわけで、人様の描かれたイラストをネットで拾って無断使用するわけにはいきません。しかしながら昨今、イラストを描くのは人間どもばかりではありません。

画像生成AIアプリ

「絵が描けない人間」たちの強力すぎる味方。
その名も人工知能様です。人工知能様がいれば、イラストも音楽も小説だって版権フリーのものが作れてしまう!
神様!

で、今回の扉絵は人工知能様に以下のような絵を描いていただき、それをレイアウトして仕上がった次第でございます。

これなー。

しかし、このイラストに辿りつくまでには並々ならぬ使用者の苦労がございまして。そもそもの注文が「宅急便が届いて梱包を開けたら生首が入っている」という、NEMURENUにふさわしい王道的な怪奇なイラストを注文したところ。







こんなの。

んん?
梱包を開けたら生首・・・。間違ってはいない。
でもちょっと違う。生首はこんなに生気があってはいけないんだ。
そんなにつぶらな瞳で、あどけない純粋無垢でこちら(開封主)を見るものでは無いんだ。

さらに・・・

こんなもの頼んでないけど!!
こーんーなーもーのー、たーのーんーでーまーせーんー!

イヌなのかネコなのかクマなのか不明瞭な合成獣が梱包されている。
これはこれで怖いよ!
などなどの苦労を経て、様々に注文のワードを変更して、試行錯誤の結果ようやく出来上がったのが、

こちらというわけさ。ありがとう神様(人工知能)!ありがとうわたし!

というわけで本マガジンに皆様から寄せられた「こんなもの頼んでないけど」をお楽しみください!

目次


01 小説 「いやはての集いの場所に」 闇夜のカラス
02 小説 「ブラッディ・ザネリ」 海亀湾館長
03 漫画 「エリちゃんがいく! 誤発注」 ぷいん@イラスト講師
04 小説 「こんなもの頼んでないけど?」 千本松由季
05 動画 「世界からのサプライズ動画。」 LANDGARAGE
06 動画 「みずほ証券誤発注-ジェイコム事件-」 おにぎりさん
07 小説 「編集長、書けました。」 としべえ
08 コラム 「マジで包丁で刺される5秒前・・・/のび太絶体絶命①」 藤子Fノート
09 コラム 「タイムラインが闇堕ちする仕組み」 深津 貴之 (fladdict)
10 小説 「雪の日のプレゼント」 くにん
11 小説 「箱の父」 武川蔓緒
12 小説 「椰子林の象と殺人鬼」
13 音楽 「チョーケシのうた」 妖怪美術館


01 小説 「いやはての集いの場所に」 闇夜のカラス

闇夜のカラスさんの小説。
或る日、世界がブラックホールのような黒いドームに覆われて、そのドームは次第に輪を縮めていく。ドームの外側は観測不能。隅端から消えていく世界の中では人間がいつの間にか消失していく。そしてドームは直径が可視可能にまで狭まり一両日で円は閉じる。とうとう世界が滅亡する日に残った人類は男女二人だけ。世界の秩序は既になく、もう明日も来ない。
極限状況です。人類が予想もできない大災害に対して人間はそれを回避することはできない。回避したいと思う人間の願いは空しく壊されていきます。人間には明日の天気を操作することも許されない。「こんなもの頼んでないけど」と頼んでいない大災害に人間は幾度も見舞われます。それでも人間はその絶望の中で生きていくものです。この絶望の中で、男女は何を考え、何を選択していくのでしょうか。滅んでいく世界と漂う虚無感、男女の機微にリアリティがありました。

02 小説 「ブラッディ・ザネリ」 海亀湾館長

海亀湾館長さんの小説。海亀湾館長さんの小説は現代に生きる人々の人間模様を描いたものが多いように思いますが、今回の小説の主人公は吸血鬼。宇多田ヒカルを愛聴しています。小説世界において「現代」と名付けられたものは実のところ同じものを指していない。各々の現代を舞台とする小説において宇多田ヒカルの存在する現代と、宇多田ヒカルが存在しない現代があります。宇多田ヒカルの代わりに宇多川ヒカルとか歌麿ヒカルが存在する現代かもしれません。
そしてこの小説の現代は宇多田ヒカルが存在する現代。宇多田ヒカルが存在するのであれば、これは我々が知る現代に限りなう近い現代であるわけですが、その現代の中に吸血鬼が隠れ住んでいる。
創作されるものは少なからず虚構であって、作品はまず物語を始めるにあたり虚構と現実の配分比率を提示しなければなりません。
そのような意味で冒頭に登場する宇多田ヒカルは効果的です。舞台が存在する世界線が読者の中でぴたりと定まる。舞台は紛れもない現代であると。この方法は豪胆な手法で、その後に読者の良く知る現実世界と描写がかけ離れてしまうと舞台設定が破綻をきたすため、なかなか小説を書く人は現実即に従った固有名詞は出しにくいものです。ところが、この作品では宇多田ヒカルのいる現代に舞台が定められた直後に吸血鬼が登場する。この極端に現実的な舞台設定と、極端に虚構的な主人公という虚実の配分が面白いですね。
物語も軽妙軽快に進んで、およそ吸血鬼からは予想外の方向に展開していきます。
前述カラスさんの小説を紹介した時に人間は無力だ、と書きましたが、人間よりも尊崇の存在である吸血鬼もまた運命の前には無力なものです。

03 漫画 「エリちゃんがいく! 誤発注」 ぷいん@イラスト講師

「エリちゃんが行く」シリーズはイラスト講師ぷいんさんが描かれる四コマ漫画のシリーズです。

マガジンの中には85本に渡ってエリちゃんの活躍が描かれます。
剽軽なエリちゃんは実在の人物とのことです。
この度のマガジンに所収したエリちゃんのお話は間違えて100倍の本数のボールペンを発注してしまった話。
間違える→怒られる→死刑?
というのが社会の構造で、ミスをすることは命に関わります。エリちゃんの狼狽たるや察するにあまりある。そんなひと様のパニックを対岸から眺める事の楽しさが本作にはあります。
「こんなもの頼んでないけど!」と言いたいところが、実際に頼んでいたのでもう仕方ない。人生には度々起こる不運と諦めるほかないですね。

04 小説 「こんなもの頼んでないけど?」 千本松由季

千本松さんのコメディ小説。
海亀湾さんの小説もコメディでしたが、今回のテーマはやはりコメディが映えますね。
レストランに座ったら、頼んでいない注文が次々届く。この謎の状況は主人公にとっては日常茶飯事。謎の正体が知れています。それは友人であるハッカーの仕業。いつも主人公を監視している天才ハッカーが、レストランの電子システムに侵入し、注文も会計も操作した結果です。このような愉快犯的傾向の友人の周囲を追いかけているのは、警察や内閣府。その他の重要機関。彼の腕を見込んで、自分たちの手駒に加えようと躍起に追いかけます。
ハッカーと警察たちの追いかけっこを傍観する主人公たち。展開が飽きないドタバタの喜劇です。良いですね、平和で。
物語中、主人公がずっとあらゆる言葉について、「死語なのか、そうでないのか」と考え続けるところも終始徹底して良いリズムになっていました。
小説中に

君の小説には美形しか出て来ない、と先生に怒られるけど、まだ二人目だから、まあいいや。

という作者のメタ的な発言がありました。このような発言が小説においてできるのは書き方が脱力している証拠で、良い傾向です。力作を書こう、大作を書こうという意欲が小説の前面に出るとどうしても書き筋が固くなって、読む方も肩が凝ります。このような脱力の中で名作は生まれていくのだと思います。
読みやすくて楽しいお話でした。

05 動画 「世界からのサプライズ動画。」 LANDGARAGE

WEB制作・動画制作の会社LANDGARAGE様の商品紹介のページ。
よく結婚式などで、芸能人からのお祝いメッセージなどが流れるサービスがありますが、あのような芸能人が数秒間のアルバイト感覚でよく知りもしない他人に祝辞を述べる映像は、うそ寒く感じるものがあります。が、LANDGARAGEさんの商品は類似の祝辞サービスでもうそ寒い芸能人のそれとは幾分異なります。祝辞を述べてくれるのはアフリカです。
アフリカの大地で、アフリカの人々が見ず知らずの私たちに祝辞を!
芸能人とアフリカ人の何が異なるのか上手に説明できませんが、強いていうなれば善意の量が異なる気がします。芸能人の祝辞メッセージに善意がない、というのは偏見で中には凄く心優しい芸能人が心からの祝辞を述べている場合もあるかもしれませんが、そしてアフリカ人の祝辞に善意があると思い込むのも偏見かもしれませんが、それは実際に映像を見て頂いてから皆様にはご判断願いましょう。
まあ楽しそうで良いですよ、アフリカ。
このようなもの結婚式で流れれば、サプライズ間違いなし!
温かな雰囲気となることでしょう。
「こんなもの頼んでないけど!」と嬉しい方の誤算ですね。

06 動画 「みずほ証券誤発注-ジェイコム事件-」 おにぎりさん

前述、ぷいんさんの漫画を紹介しました。その時はボールペン10本を注文するところ1000本注文してしまったエリちゃんのお話でしたが、同じご発注でも規模違う、というお話。
一回の誤発注がなされて、停止されるまでに10分間。その10分間の間に起こった損失は407億円!
金融業界の闇。ジェイコム事件についておにぎりさんが分かりやすく、かつ愉快に動画にしてくれています。ナルホド!とためになる動画でした。
ジェイコム事件についてはnote内でも時々取り上げられていて・・・

susumun336さんのこの記事などもジェイコム事件の当事者たちとは異なるサイドで起こっていたことが見えて面白い記事でした。

こんなもの頼んでない!という誤発注。いや頼んだんですよ。間違いって怖いですね。

07 小説 「編集長、書けました。」 としべえ

世の中には朝起きたら毒虫になっている人もいるくらいですから、況や猫なら猶更です。
サブロウというイラストレーターが猫を描く。猫を描く前に顔が猫になってしまった。という物語のフレームが、ハナコ、サブロウと変転して小説の「舞台」が次々入れ替わる。迷宮的な面白い構造でした。小説を読みながら自分が道に迷って迷子になって、見知らぬ街を心細くも散策する楽しみがありました。
作者の用意する小説の世界、舞台に没入することは旅行のようなものですね。放浪家のとしべえさんならではの鮮やかな舞台転換です。としべえさんの作品は前回も同様の試みがなされていましたが、今月の方が物語が整理されているので、場面と場面の切り替わりに混乱が少なく鮮やかな展開を楽しむことができました。このような装置を明快に組み立てることは高い論理能力が必要ですが、流石です。

08 コラム 「マジで包丁で刺される5秒前・・・/のび太絶体絶命①」 藤子Fノート

藤子F不二雄先生の作品を解説している藤子Fノートさん。
この度は中でものび太が不慮の運命に翻弄される場面を取り沙汰した記事をご紹介いたします。

ドラえもんの原作は過激で面白い。という話はよく耳に致しますが、ここで紹介された話も、実に過激です。

この記事で「百苦タイマー」という道具が登場しますが、これは100分間の間にあらゆる苦痛が襲い掛かってくるというもの。

この道具を開発した未来人は何を考えていたんでしょうね!

( -_-)「100分間を計測するタイマーが欲しいのですが」
( -_-)「できました。オマケ機能付きです」
( -_-)「どんなオマケですか?」
( -_-)「100分間、あらゆる苦痛に襲われるので飽きません」
( -_-)「こんなもの頼んないけど!」

というやり取りの末に商品化されたんですかね。
( -_-)「だってせっかく作ったんだし」

藤子Fノートさんのご紹介するドラえもんの奇特な世界をお楽しみください!

09 コラム 「タイムラインが闇堕ちする仕組み」 深津 貴之 (fladdict)

note民にとっては神様みたいな深津さんの記事で、ハートマークが2420個付いてます。神様みたいな数字ですね。私の直近の記事のハートは16です。
そんなゴミ虫の如き私が、神様のお言葉を取り上げるなどとは烏滸がましい限りですが。
昨今、タイムラインというものはユーザーの嗜好を読み取って、興味ありそうなものを引っ張って、ユーザーの性癖に合わせて表層をカスタマイズしてくれる。同じインターフェースを使いながら、それはもうユーザー独自のアプリケーションになっているという、なんとも優れたものです。夢のような世界ですね。いつの間にか自分の周囲は自分の興味あることしか無い。リアルでも同じことが起こると良いのにね。
しかし、そんな事がリアルで起きるとそれこそ大変な事態になりそうですよ。深津さんの記事によれば、ユーザーの閲覧履歴等々からユーザーの嗜癖を探っていくと、ユーザーの望むものとは異なった闇の世界に落ちていくのだと言われています。
これは非常によく分かる話です。
最近、TIKTOKで世界中のFYPをぼんやりと眺めて暮らしておりますが、何故かDIYを楽しんでいた筈が何故かおすすめで流れる動画が恐怖映像しかなくなる・・・という現象が起こります。DIYの合間に流れる恐怖映像につい興味を取られ見ているうちに、人工知能様が私の性癖を恐怖映像に認定するんでしょうね・・・。違うんですよ、DIYが見たいんです。土を掘って家を作るインド人が見たいんです。私が見たいのは恐怖映像じゃない!
その人間心理の虚をついて見ざるを得ない中毒性に心奪われる不可抗力を性癖認定するのはやめて!そんなもの頼んでないから!

10 小説 「雪の日のプレゼント」 くにん

「雪」というものは天からの贈り物であるわけで、温暖の土地に住む者としては雪が降ると心躍るものがありますが、年とともに雪がもたらす災厄も理解ができるようになり、純白の贈り物に対して「頼んでないんだけどなあ」と口零すようになりました。
くにんさんの小説は子供のためのクリスマスプレゼンをネットで注文して届くのを心待ちにしている親御様が、折からの大雪のため配達に遅延が生じて、クリスマスプレゼントが届かない。
ホワイトクリスマスの皮肉的展開です。
小説は意地悪い運命を思いつくほど面白くなると言いますが、この小説中の神様も中々の底意地の悪さです。プレゼントがもらえない子どもたちも、プレゼントを渡せない親御様も可哀そう!
そのような困った状況で、親御様たちが取るべき行動とは!
何度かお話したかもしれませんが、マーケティングにはニーズとウォンツという言葉があります。
ニーズというのは需要ですね。人々が現在必要としているものを提供することが商売繁盛の秘訣であって、雨が降る日は傘を売る。対して、ウォンツというものは人々が気付いていない潜在的な願望を刺激して、あるいは願望を創出してものを売る事です。縄縛を知らない人に縄を渡しても、必要の無い無価値の代物ですが、縄を渡して縄縛を教えればそのひとの人生に縄は必要不可欠の必需品となるわけです。そのように私たちの体内には私たちの知らない幾つもの扉があってマーケター達は躍起になって私たちの新たな扉を開こうとする。
買うつもりもなかった商品をテレビショッピングを見ているうちに欲しくなり、近所のホームセンターに行った折に思いのほか類似品が安く売られていて買ってしまった。なんてことはありませんか?
あなたの体内の未知なる扉がマーケターによって開かれてしまったのです。奴らに気を付けろ!奴らによってあなたの体内の新たな扉が次々開かれてしまいますよ!
このお話もまた然り。人間の欲しいものを与えることばかりが幸福なのではありません。新たな需要を生み出すこともまた幸福なのです。

11 小説 「箱の父」 武川蔓緒

季節外れの冬眠に入ってしまったお父さんの儀式を急遽することになった「私」。慣れない葬儀の段取りと参列者とのやり取りと。
葬式において死者が他人顔で棺に納まっているように、冬眠している当人も「私」を助けてくれません。

「ゆー・ぼん・のー・りん」
「ぼん・ぶー・にーん」

とは儀式で唱えられる読経ですが、なんと神秘的な響きでしょうか。
リズミカルにエスニックに音響がこだましています。
頼もうと頼まざると、人間にとって死と冬眠は不可避です。

幻想的な、それでいて秋晴れのように爽やかなお話でした。

12 小説 「椰子林の象と殺人鬼」

わたし。
世の中のすべてはスマトラ島のプランテーションで作られるアブラヤシの油脂から作られているという話です。
アブラヤシほど高効率に油脂を生産できるものはなく、それだけ世界中からアブラヤシが求められていますが、世界があまりにもアブラヤシを求めるためにスマトラ島ではアブラヤシ農園を荒らす象が毒殺されています。象が我々の植物性油脂生活の犠牲になっているのです。我々は象と健康のために油分を控えなければなりません。

13 音楽 「チョーケシのうた」 妖怪美術館

小豆島の妖怪体験型美術館「妖怪美術館」様が作った「チョーケシのうた」。一度聞くと頭から離れません。新たな妖怪のようですね。視聴の際は中毒にご注意下さい。
我々が望むと望まるとに関わらず、誰も頼んでいないのに幸福も不幸もやってきます。主に不幸がやってきます。
そうして訪れた不幸は元を辿れば、我々が自身の失態が招いた結末であるかもしれません。
しかし、すべてはチョーケシに。

あらゆる失態が、そうボールペンの発注数の桁を間違えようが、勘違いによって10分間で407億円の損失が生じようが、すべてはチョーケシ。ジェイコム事件でジェイコム男が幸福になったように、あなたの失敗はきっと誰かを幸福にしていますよ!
チョーケシ
チョーケシ
チョーケシ
チョーケシ・・・

皆様も一緒に歌いましょう、すべて捨ててチョーケシに。
世界は少しずつ消しゴムで消えて、あるいはブラックホールのような黒壁の臨界によって、この世の中は虚無に満たされます。
どんな失態も虚無の中に溶けて消えます。すべては些末事。

チョーケシ
チョーケシ
チョーケシ
チョーケシ・・・

どんなに不幸な人にも、幸せは勝手にやってきますよ。頼んでもいないのにね。
ハンバーグを頼んだのにカレーが来たんだけど!

その日はカレーの方が美味しい日だったんですよ、きっと。

とリンクを貼ったのは全国で企画が展開された「注文をまちがえる料理店」プロジェクト。認知症で間違いを犯さざるを得ないご高齢者をスタッフにした間違える前提の料理店。

偶発的に生じる幸運をセレンディピティと言いますが、注文をまちがえる料理店はセレンディピティそのものです。間違えられた注文によって、きっと凄く良いものが届きますよ。
(間違えないこともあります)

皆様にも「こんなもの頼んでないけど」と幸福の届かんことをお祈りいたします。

2023年3月 ムラサキ


今回のまとめ
・ドラマツルギーは予測と結果の不整合から生まれる
・悲劇も喜劇もミスマッチを起点にしている点で同一のものである
・ボタンを押し間違えると407億円の損失が生まれる
・すべてのものはアブラヤシでできている
・最終的に世界はチョーケシになる
・「間違えないこと」は大切ではない。もっと大切な事が他にある。

山羊の郵便局

恒例の「山羊の郵便局」企画です。参加作品のハッシュタグを見て「黒山羊派」「白山羊派」「青山羊派」があるものは皆様からのお手紙を募集中です!下記のフォームから作品と郵便局を選ぶと回答欄が開きます。是非、お手紙をお送りくださいね。締め切りは3月末日です。寄せられたお手紙は山羊の郵便局事務局がお届けしますが、山羊だから途中で紛失することもあります。

フォームが表示されない方はコチラ


次回テーマの投票

NEMURENUは次回テーマを投票によって決めています。次回第54回のテーマは何にしましょう?お気軽にご投票下さい!

投票締め切りは3月15日18時までです。
投票数が一位のものが複数ある場合はNEMURENUホームページの会議場で決定します。(https://murasakikairo.wixsite.com/nemurenu



フォームが表示されない方はこちら


次々回テーマ候補の募集

次々回テーマの候補を募集しております。締め切りは次回テーマ投票時まで(5月5日頃)。書いてみたい、読んでみたい、お好きなテーマをご投票下さい!

フォームが表示されない方はこちら



宣伝

NEMURENUの公式ショップです!

作品募集中。

NEMURENUは毎回、テーマを決めて皆様から作品を募集しております。
自作品の宣伝に、なんとなく、なんとなく。お気軽に企画にご参加下さい!参加資格や制限はありません!
参加の方法は応募作品にハッシュタグ「ネムキリスペクト」と付けるだけ!
文芸、イラスト、写真、音楽オールジャンルでご参加できます!
新作、過去作、自薦、他薦問いません。
誰でも、なんでも、歓迎します!

作品提出後に私が気がつかない場合は記事のコメント欄等でおしらせください!

#こんなもの頼んでないけど #ネムキリスペクト #小説 #募集中 #NEMURENU