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「デジタル×防災!」西会津に行ってきました!

■西会津でみてきたもの

データプラットフォームの整備を進めるむらまる研ですが、今回は「防災」分野でデジタルを用いた取り組みについて学びに西会津町へ行ってきました。また、「デジタル×防災」勉強会の前後では、西会津の街並みや取り組みについて視察させて頂き、むらぼの運営やむらまる研の拠点の在り方のヒントになる事例もたくさん体験させて頂きました。

【西会津視察の概要】
■日時:2022年11月12日(土) 〜13日(日)
■場所:福島県西会津町
■内容:
①8月西会津町豪雨災害に関する西会津町町長および役場職員との意見交換②デジタル×防災 勉強会
③西会津国際芸術村の視察
④オンデマンドバス見学
⑤移住者による場づくりの事例視察

①西会津町町長との意見交換

西会津町は今年2022年8月の豪雨により大変大きな被害があった地域。
初日の午前は、西会津町長にご挨拶させて頂き、意見交換の時間を頂きました。

会場となったコワーキング施設「ぷらっと」

今回は私たちむらまる研のメンバーとともにコミュニティリンクの榊原氏も西会津に来訪され、主に三者での意見交換をおこないました。町長や役場職員の方からは、被害の状況や復興に向けた取り組みにおいて「緊急時の情報の集約やフローに課題感が残った」というお話が・・・・。
私たちの取り組みやコミュニティリンクさんの取り組みをお伝えしたのち、今後西会津ではどのようなデジタルによる「自助・互助」のサポートができるのか、そしてそこの整備を進めることが重要であると改めて確認する時間でした。

②デジタル×防災についてまちの方々と勉強会

防災は、日頃の地区の自治能力や非常時に対する対応力を向上させることが重要です。一方で、榊原さんからの活動紹介の中で「避難時の連絡フローや安否確認などについて、これまで人力で時間をかけておこなっていたことや、災害に対する危機感の差面倒であること・手順が複雑である、などの課題が新たな住民の参画の壁となっている」という話がありました。
今後の緊急時における対処並びに防災においては「日常から備える」ことをよりシンプルな手順で、わかりやすくすることが求められています。

以上の背景を踏まえ、今回の勉強会では、榊原さんとむらまる研デジタル担当の川上さんによる取り組みの中から、デジタルツールによりどのようにフローが簡略化され、住民の参加ハードルを下げることができるのかなどについて、兵庫県下の地域の事例等を学びました。
参加者の中には、実際に被害を受けた農家さんやその復興に尽力したまちの方々が参加されておられ、今後の防災において何が課題と感じたか、デジタルでどのような備えができるのかについて意見交換する貴重な機会となりました。

③アーティストが集まる創造の拠点

二日目の朝は西会津国際芸術村へ。
工作室やキッチンが用意された元小学校の建物にはさまざまなアート活動が行われてきた痕跡が。

コロナ禍で活動場所を失ったアーティストたちの受け皿として活用され、そこには地域の方々も足を運んでいるようです。高校生が制作や発信の場を求め利用するケースもあるなど、創作手としても受け手としても西会津の時間の一部に芸術がある時間が西会津には流れています。

西粟倉にもさまざまな技術や専門性、興味関心を持つ方々が集まってきているし、そもそもどんな活動をしているのか、どんなことが好きなのか、などを発信する場があればシンプルに楽しそう、何か起きるかもなと思えた体験でした。

④気軽に誰の足にもなってくれるバスの形

中山間の地域である西会津。例にも漏れず高齢者も多く、その方々の移動の課題は大きい。移動したくてもできない人がいる一方で、バスを走らせても空のまま運行している時間・路線が多いなど、ニーズと現状にズレが生じている状況だったと言います。
そこで導入されたのがオンデマンドバスの仕組み。

発案から実証、実導入までのスピードは凄まじい鋳物があったとのこと。これは日頃から新たな取り組みに対し柔軟かつ迅速に動ける職員さんやその職員さんとの関係を構築してきた地域のプレイヤーの方々がいたからの賜物。
実際にその予約の仕組みと予約から運行までの一連のシステムを紹介頂きました!

運行している車両は計6台
実際に送迎してもらいました

一時間前に予約さえすれば、最寄りのバス停(バーチャルバス停というものがアプリ上では設定されている)まで迎えにきてくれる、しかも片道150〜300円という金額で全域をカバー。(中心地⇆各ブロックだけでなく、各ブロック間も移動できるのが便利)
バスの運転手もそうですが、利用するお客さんに対しても、これまで丁寧に予約システムやアプリの使い方の普及をされてきたことが効果をだしている印象でした。西粟倉でも高齢者や関係人口の方、子供たちの移動には課題が多くあります。一方でタクシー会社もバス会社もないからこそ調整はそこまで煩雑ではないのかもしれない。今ある福祉バスやスクールバスの今後を通していくかなども並行して検討するのが良いのかもしれません。

⑤人が溜まる場をつくる移住者たち

最後は、旧街道の中心エリアから少し離れた地域で起こっている、既存建物を再活用し場をつくる移住者さんたちにお会いしてきました。3件お伺い。
■私設図書館&レンタルスペース

■事務所&シェアハウス

■ゲストハウス

同じ街道沿いに点々と新しい場が生まれているのが、少しづつ、でも着実にそのエリアの空気感を変えていく兆しが感じられます。
地域の子供たちからイベントに参加した地域外の人たちまでが入り混じりその時間を共にできる場があるのは、外から訪れたものとして純粋にワクワクしました。何より、そこにいる店主さんたちが楽しそうだったのが印象的でした。

まとめ

今回の西会津視察では主に
デジタルに関する取り組みや今後の展望について話す機会と西会津で起きていることを実体験する時間となりました。
西粟倉でも応用できることや、活動のヒントとなることが多くあった気がします。それは多分似たような中山間地域で県境、旧街道沿いであること、などのコンテクストがあるなど、つながるポイントがあるのでしょう。

今回を機に引き続き西会津の方々とは情報交換や協力できるような機会を持てればいいなと思うと共に、デジタルでの取り組みを行う地域同士であるからこそ、似ている地域性、けれど全く異なる地域性があるからこそ遠隔でも連携していけることがあるのではないかと思います。
(担当:秋山)


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