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むらの工作室通信vol.5『クリエイティブツール講習会でこれを作りました!~製作物発表会~』

むらの工作室は、年齢・職業・地域を超えた多様な人たちが集まり、お互いに尊重し合い、新しいモノやコトが生まれる空間を目指して、工具やデジタル工作機械(※)の貸出および利用サポートものづくり体験ワークショップの開催などを行っています。

この施設は人口約1,400人の中山間地域、岡山県西粟倉村にて村民や関係人口の方々がテクノロジーを新しい手段としてもっと身近に使える工作スペースとして、西粟倉むらまるごと研究所が運営しています。

※デジタル工作機械…3Dプリンター・レーザーカッター・UVプリンターなど

2023年10月から開催してきたクリエイティブツール講習会の発表会を12月23日(土)に開催しました。今回はその発表会の様子をレポートします。


クリエイティブツール講習会概要

この講習会は、むらの工作室にある、レーザーカッター・真空成型器・3Dプリンタ・UVプリンタ、これらのクリエイティブツールの使い方を学び、実際に自分でものをつくってみる、ということを目的に、2021年からむらまるごと研究所にて開催しています。

2023年度のクリエイティブツール講習会参加者は8名。(発表会参加者は6名)
小学生~大人まで幅広い年齢層の方が参加され、10月から2回の講習会と自由製作日を経て、発表会を迎えました。

まずはちらりと皆さんの作品をご紹介します。
どのような思いでこの作品を作ったのか興味がわきますね。

左上:置き配札、シューズクリップ、真ん中上:ルービックキューブ、右上:ランプシェード
左下:和紙ランタン、真ん中下:アクリルのオブジェ、右下:木製本棚

まずは講習の振り返り

最終回の目的は、2か月の試行錯誤を繰り返して作ったものについて、試作や失敗をみんなで共有することです。

ワークシートの説明をする工作室のマネージャーのざっきー

まずはワークシートの記入から。
・講習会の参加動機
・クリエイティブツールを使ってみた感想、気づいたことなど
・今後作ってみたいもの
・製作したものについて、特徴や推しポイント
・苦労したところ・失敗したところ
などを記入しました。

第1回、第2回、自由製作日をディスカッションしながら振り返り

作品発表

ーーーまずはSさんの作品、「置き配札」と「シューズクリップ」です。

使用した機械:レーザーカッター、UVプリンター

「何でも興味を持ち続けたい、新しい視点で楽しみたい」というSさんの作品。ご自分で置き配札を作成したけれど、日に当たり色が落ちてしまったとのことで、デジタル工作機械で新しい置き配札を製作されました。
👩「配達してくださる方に感謝の気持ちが伝わったらいいなと思います。」
シューズクリップは、おうちに多くの方がいらしたときにどの靴がだれものかわかりずらかったことがきっかけで製作されたとのこと。
👩「こういうシンプルなものなら、ご高齢の方も自分で作って楽しむことができると思いますね。」

ーーー次はOくんの作品、「OZZY’S CUBE」です。

使用した機械:UVプリンター、3Dプリンター
作品を鑑賞しながら、みんなでディスカッション

👦「ルービックキューブを3Dプリンターで作れるんじゃないか、と考えたのは、ルービックキューブがたくさんのピースでできているから。パズルもピースでできていて、パズルを3Dプリンターで作ることができるのなら、ルービックキューブも3Dプリンターで作れると思ったの。」

ざっきー「作ってみて大変だったところはなんだった?」
👦「時間がたくさんかかった。真ん中のコアの部分は2回も作り直しをしたし、大変だった。」
ざっきー「でも、それでも投げ出さずに、なぜうまくいかないかをその場で考え、対応しながら進められたことで最後までやり遂げた。すごいよ!」

ーーー次はAさんの作品、「Lotus(蓮)のランプシェード」です。

使用した機械:レーザーカッター、UVプリンター

ご自宅でYogaをされているAさん。ご自宅のYoga Roomで使うランプシェードをアクリルで製作されました。
👩「この八角形の形にたどり着くまでには、段ボールで試作を重ねました。八角形を自分で書くところから始めましたが、最終的にはオープンになっている設計データを活用しました。接続部分などは自分で設計データを調整して工夫しました。美しいパターンを印刷するのが楽しかったですね。」

ーーー次はNさんの作品、「和紙ランタン」です。

使用した機材:レーザーカッター、UVプリンター、電動工具

👩「和紙にプリントしたのは、祖父母が描いた絵です。せっかくの絵を“描いたら終わり”ではなく、他のものに印刷することで、絵の新しい使い方が生まれたらいな、と思いました。
今後作ってみたいものはたくさんあるんですけど、まわりの人の得意を活かしたモノづくりがしたいです!」

ーーー次はJさんの作品、「透明アクリルのオブジェ」です。

使用した機材:レーザーカッター

どの風景にもすっと馴染むような組み立て型のオブジェ。
モチーフはなんでしょう。お花にも見えるし、想像的なものを具現化したようにも見えます。
👨「立体のものをレーザーカッターで作りたかったんです。今回の設計データも自分で作成しました。自分で造形したものを作ることができるデジタルツールは面白いと思いましたね。」

ーーー次はYさんの作品、「本棚」です。

使用した機材:レーザーカッター、電動工具

👦「読書が好きで、本をなくさないように本棚を作りました。学校の授業以外でモノづくりをしたのは初めてだったのですが何とかできました!板を電動工具で固定するのが難しかったですね。レーザーカッターに興味があって参加したんですけど、できてよかったです!」

「ブックエンドがあったらもっといいんじゃないかな」というコメントを受けたYくん、自分の描いた絵をレーザーカッターで彫刻したプレート用いて、その場でブックエンドを作ることにしました。

作品鑑賞でのコメントをうけ、早速ブックエンドを製作しました

様々なアイデアを受け止めたら、すぐにアクションに移すことができるのが工作室のいいところ!

講評

むらの工作室という場があることで人と人とが繋がり、多様な人や道具があることで新しいアイデアが生まれ、カタチにできる。それを体感することができたクリエイティブツール講習でした。

製作前のアイデアを考える場面や製作を進めていく場面で、参加者それぞれの視点から「それ作るならこんなこともできそう!」とか、「こうしたら実現できるんじゃないかな?」という会話が生まれたり、「クリエイティブツール使ってこれも作ってみたい!」と製作が追いつかないほどアイデアが溢れ出している方もいらっしゃいました。

今回講習会に参加してくださった方や参加者の作品を見た方々が、これからの日々の中で「これならむらの工作室行けばできるかも!」と、むらの工作室やクリエイティブツールがみなさんの中で当たり前の手段となることができたら幸いです。

レポートの締めくくりは参加した皆さんの記念写真。いい笑顔☺

☆作品展示のお知らせ

今回の作品は以下の日程で西粟倉村のあわくら会館にて展示されます!
アイデア・創造性あふれる作品をぜひご覧ください。

■■■クリエイティブツール講習会作品展示■■■
展示期間:2024年1月17日(水)~1月31日(水)
展示場所:あわくら会館2階東1前廊下
     〒707-0503 岡山県英田郡西粟倉村影石33−1

追伸:発表会の後も多くの方にご来場いただき、参加者に代わりざっきーが説明をしましたよ!

最後までお読みいただきありがとうございました。

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◆お問い合わせ:
一般財団法人 西粟倉むらまるごと研究所                 
むらの工作室マネージャー 山崎
住所:〒707-0504 岡山県英田郡西粟倉村長尾 1464 
E-mail:muramaruken.yamazaki@gmail.com 
TEL:070-1264-7355
◆Instagram:@mu___labo(むlaboの日々の様子やデジタル工作機械を使った作例を発信しています)


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