場の空気で悪に加担できる「人材」が求められる方便の世界

今も昔も酒に溺れたイキリ大学生による迷惑行為というのは何度も問題になってきているし、むしろ「最近の大学生はおとなしくなった」などと言われることも多い昨今ですが、先日(2024年3月)某大学のサークルによる旅館破壊事件というのが世間の注目を集めていました。事件自体はよくわからないことも多く、メディアでも大きく話題になっていることから、また何か裏があるきな臭い事件なのかなぁと感じていたりもします。学生たちのあまりの卑劣な行為に世間では批判が殺到しており(当たり前ですね)、何かを叩きたい人々にとって、恰好の的となっています。

noteを始めた初期の頃に「大学生文化」になじめず虚無感に襲われた大学時代 という記事を書いたことがあったのですが、私は本当にああいった大学生のノリが苦手でなじめず、なるべく避けて通ってきました。イッキやコール文化も苦手で、何が面白いのかわからないし、誰か吐くんじゃないかとハラハラするのも嫌でしたね(嘔吐恐怖症)。今回の事件を見て思い出したのが、過去にNHKの『事件の涙』という番組でやっていた急性アルコール中毒で亡くなった大学生の話でした(番組HPのリンク)。大学のサークルの飲み会か何かで急性アルコール中毒で亡くなった方のお父様が心境を語るというような番組だったのですが、周囲の人間が息子さんが危険な状態にあるかもしれないとうすうす気づきながら、保身のために誰も助けを呼ばず、処置が遅れて帰らぬ人となった…といったお話だったと思います。私はこれを観たときに、この方は本当に気の毒だけど、こういう事件に巻き込まれたくなかったらヤバイ人たちとは絶対に関わってはいけない、それしか防ぐ手立てはないのだと強く感じました。

今回の旅館事件に対するネットのコメントでも、やはりまともな人はすぐに辞めるようで、サークルに残っている時点でヤバイ人が濃縮された状態であるとの指摘もありました。これはどのような集団にも言えることで、その集団に合わない人は辞めていくので、適応できる人だけが残り、自浄作用もなくどんどんヤバさがエスカレートしていく…というのは本当にあるあるですね。そしてこのことを考えたときに思い出したのが、2023年に判明したBという車関連会社による一連の不祥事でした。まともな感覚の人であれば、お客様の大切な車にわざと傷をつけるなどということは絶対にできませんので、適応できなくてすぐ辞めます。でも中には上からの命令ということで洗脳されていたり、自らの出世やお金のためならとそれを平気でできる人もいたわけで、そういう人だけが適応して残っていたのだと思います。

この資本主義社会においては倫理観が崩壊しているので、善悪が良心の感覚と逆になることも多く、B社にとってはまともで真面目な人は「悪」(内部告発要注意因子)で、会社の言う通りに悪行をできる人が「善」とされていたのだと想像します。こういった会社は真面目で倫理観のある人より、場の空気を読んで悪に加担できる「人材」を常に求めていたと思います。そしてまた今回の旅館事件に戻りますが、彼らに対する批判の中に「内定を取り消せ!」といった声も見受けられたのを思い出しました。普通に考えればそう思うのですが、脳裏にふと「こういう人ほど方便の世界の会社には求められている「人材」なんじゃないの?」という考えが頭をよぎったんですよね。旅館事件の学生たちは例のB社のような会社であれば引く手あまたのような気がしたし、この事件が大事にならなければB社のような会社で上り詰めていく可能性もあったのではないかと思ってしまいました。ここではわかりやすくB社を例に出していますが、方便の世界の会社では多かれ少なかれ悪に加担しなければやっていけないので、程度の差こそあれ、どの会社・組織にも言えることなのではないかと考えています。

現に私の時代にイッキやコールをウェイウェイやっていた人も(いろんな人がいるとは言え)総じて就活は上手く行っていたように思うし、方便の世界の会社にとっては必要とされる「人材」なのだと思います。NHKの番組で観た、急性アルコール中毒事件で逃げ切った学生も、おそらく今普通に働いているだろうし、優秀だと評価されている可能性もあります。モラルや倫理観が低いことは世間にさらされるとものすごく批判されますし、あってはならないことなのですが、「他人のこと言えないよね?」という人もいっぱいいるでしょ~!と内心思ってしまったのも事実です。モラルや倫理観が低い人の方がこの世界ではうまく立ち回れることが多いし、そういう人たちが中心となって権力を握っていますよね。なんだかんだあぁいう人たちの方が方便の世界には適応できるのだと悟った大学生の頃の無念な気持ちを思い出したので、また記事にしてみました。

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