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時事無斎雑話(20) 釧路湿原を自転車で走る Cycling Road Across the Kushiro Marsh
もともと自転車に乗ることは好きでした。特に最近は医者から脂肪肝の傾向があると言われたため(注1)通勤や買い物はなるべく車を使わず徒歩や自転車で済ませ、さらに休日は天気が良ければ最低10kmは自転車で走り回ることにしています。そのほか車や列車に自転車を乗せて出先でサイクリングを行う「輪行」をすることもたまにあります。
そんな中、最近、釧路湿原のただ中を走るサイクリングロード「釧路阿寒自転車道」の存在を知り、挑戦してみることにしました。体質改善を目指すアラフィフのオッサンが無謀にも大自然に挑む自転車ツアーの結果は? 以下、その時の体験を写真紀行の形でレポートします。
注1:体型的には別に太り気味ではないので油断していましたが、それでもなってしまうもののようです。私の場合は酒よりも甘いものの影響が大きいようで、現在ケーキ断ちに四苦八苦中です。その話は機会があればいずれまた。
※以下、海外の方への案内用に英語のキャプションを写真に付けます。
Following photos have English captions for foreign readers.
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コースは釧路市内のスタート地点から阿寒までの片道25km、往復50kmの自転車専用道路「釧路阿寒自転車道」(注2)。途中から釧路の街中を抜けて湿原の中を走り、「湿原の夢ロード」という愛称がつけられているようです。持ち物は水とカメラと汗拭きタオルと携帯電話、あと、途中で低血糖状態に陥った場合に備え、レーション(携行食)としてミニ羊羹を持参します。
注2:この時は工事中のため一般道を通って迂回する部分が一部ありました。
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スタート地点。釧路市の中心部からは少し離れた場所にあるため、輪行の場合は泊まっている場所からここまでの往復に費やす時間と体力も計算に入れておきましょう。ベンチと看板があるだけの小さな休憩所で、自動販売機もありません。市街地を抜ければ途中にお店の類は一切ないため、サイクリング中に補給する水分は出発前に自分で準備するか周辺のお店で買っておくかして下さい。
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街中を抜けて1kmと走らないうちに、いきなり引き返したくなるような看板が目に入ります
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湿原の中へと通じる自転車道。
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秋の釧路湿原。
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そこかしこにトリカブトの花がきれいに咲いています。個人的に大好きな花なのですが、そのことを人に話すたびに「アブない人」扱いされるのはなぜでしょう。毒のある花ならスズランもヒガンバナもキョウチクトウもジギタリスもみんなそうなのですが。
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湿原の中を流れる川をいくつも超えていきます。
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湿原の中を走る自転車道。
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遠目で判りにくいもののオジロワシ(上)。カラス(下)に攻撃されていました。
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霧の街として知られる釧路ですが、この日は9月の秋晴れ、気温も暑すぎず寒すぎず、往路で向かい風が続いたことを除けば理想的なサイクリング日和でした。
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湿原を抜けると今度は森の中の道になります。
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森の中にもトリカブトの花。
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枯れ木にサルノコシカケ。
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終点。とはいえ何があるわけでもありません。あくまで途中の風景を楽しむ道と考えた方が良さそうです。
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折り返しての復路、森の中を流れる川を渡ります。
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橋の欄干に残された何かの動物の糞。エゾクロテンあたりでしょうか。このほか写真は撮れなかったもののキツネやエゾシカにも遭遇しました。ちょっとしたサファリパーク気分も味わえます。
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カラハナソウ。ビールに使われるホップの仲間です。
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テンナンショウの一種。マムシグサか?
往復50kmにかかった時間は4時間弱。途中で自転車を止めて写真を撮ったりしていた時間も含まれますが、平均時速で15kmを下回る計算です。42.195kmのコースを2時間程度(平均時速20km以上)で走るマラソンのトップランナーがいかに凄いかが改めて分かります。ともあれ天候にも恵まれたせいか余力を残して走破することができました。消費したカロリーは計算では1000カロリー少々(脂肪換算でせいぜい150g)なのでこれだけで痩せるものではないものの、十分に楽しめて自分の体力にもある程度自信を持つことができ、こうやって記事のネタにすることもできたので大いに満足しています。
全体的に起伏が緩やかな道のため距離の割に難易度は低い印象で、気合いを入れればママチャリでも走破は可能かもしれません。途中の景色も良く見所も多いので、輪行が好きな方、一度挑戦してみてはいかがでしょうか。ただし体調には気を配り、完走しなくても十分に楽しめる道ですので限界を感じたら途中で引き返すなど無理をしないようにしてください。