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史上最年少は狙わないと勝ち取れないけど、狙ったからって取れるわけでもない。この差はなにか。

南谷真鈴さんにはいつも驚かされる。

昨日もオンラインでトークイベント「春休み大隈塾」約束したのに、
当日朝電話がかかってきて「今日ですよね〜」
というから「今日だよ」と返すと、
「いまから山に登りま〜す」

南谷真鈴さんは、7大陸最高峰と北極点と南極点到達する「グランドスラム」を史上最年少で成功させた女性。
早稲田大学の学生だったけど、いまはコロンビア大学で学んでいる。

登りに行くのはいいけど、ちゃんとトークやってよ、
とその電話でお願いした。
しかも、開始時間ぎりぎり。
ノイズがけっこうある。

ノイズのことをいったら、電車で移動中だといい、
「ちょっと待ってて」
といって無音になり、しばらく待ってたら、
音声がクリアになってた。
「タクシーに乗り換えました〜」

いい人だ。

冒険家、といわれるのがあまり好きじゃない。
世界中で何人もいない、グランドスラムの達成者だから、
世間は当然、冒険家、と呼ぶ。

「だって、エベレスト登ったのもグランドスラムも、
わたしにとって、
わたしの人生のプロジェクトのひとつでしかないんですもん」

17歳のとき、事情があり家族がばらばらになった。
一人暮らしをしながら高校に通い、
寂しさとか辛さとかを全身で受け止めながら、
<確実にやりたいことリスト>
とつくった。
絶対にやる!と決めたことを書き出した。

エベレストに登る、と決めたのもその中のひとつで、
19歳のときにホントに登った。

そこから次々と高い山にチャレンジして、
偉業を達成して、世界から称賛を受けた。

でもその称賛を身にまとって生きていくのではなく、
その称賛は部屋のどこかに置いておいて、
つぎのチャレンジを始めている。

書き出した<確実にやりたいこと>リストのひとつでしかないから。

早稲田大学では政治経済を学んだ。
コロンビア大学では、宇宙物理学とコンピューターサイエンスを極めたい、と。
「まずはexcelを使えるようにならないとね♡」

ってそのレベルから宇宙物理学かい!
「だって、いまやりたいのは宇宙物理とサイエンスで、
そのための基礎は必要でしょ?」

エベレストも地上の歩行トレーニングから始めた。
宇宙物理学だってexcelからやるのは当たり前だ。

彼女には、目標が高すぎるからやらない、ということはないんだろう。
いま向かってる奥多摩の山もエベレストも、同じ山としか捉えてないんだろう。