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原子力発電再開の前に「聴く力」を

「プランB」としての原発再稼働

岸田首相は原子力発電所の再稼働を検討するよう指示した。
新しい原子力発電所の建設も含めて。

冬になって、暖房そのほかによる電力逼迫は、
北半球のどこでも問題になるだろう。
ロシア以外は。

だから、原子力発電所の再稼働だ。
原子力発電による電力供給の再開だ。

2011年の福島第一原子力発電所の事故以来、
原子力発電に依存しない電力政策を進めてきた。
これを「プランA」とするなら、
もしそれが破綻した場合の「プランB」も準備しておく。

これは理解できるし、むしろ「プランB」がないほうがおかしい。
だけど、「プランB」にはどんな可能性と危険性があるのか、
きちんと提示しなければ、そっちほうはもっとおかしい。

原発政策は「安全じゃない」が前提

1945年の広島と長崎に落とされた原子力爆弾と、
その威力による人間への被害、地域への損害。
これを直接知る人は少なくなってきた。

2011年の福島、3基の原子力発電所の炉心溶融は、
もう少しのところで広範囲に放射線被爆にあうところだった。
これを直接知る人、故郷を追われた人たちはまだまだたくさんいる。

かつての原発政策は、「安全」が前提だった。
いま「プランB」は、「安全じゃない」が前提であることは、
日本中のみんなが知っている。

万が一のことが起こった場合、
①すべてにおいて補償があるか
②とくに避難先の確保とそこでの教育を含む生活への補償
③1次産業2次産業3次産業問わず仕事への対策
④行政がどう動くか、応援職員の確保はどうか
⑤インバウンド需要への影響などに考慮しているか
などなど、先に決めておかなければいけないことがたくさんある。

まずは住民の声を聴くこと

原発政策は「安全じゃない」が前提になる。
地震がある、台風がある、大雨大風がある、
火事や原子炉運転中の事故もあるだろう。

安全じゃない前提で、住民を納得させられるか。
というより、岸田首相は原子力発電所の再稼働指示の前に、
福島の人たちの話、全国の原発周辺住民の声を聴くことが先だろう。