工藤拓真_戦略思考_

今年度のゼミで初めてゲスト講師をお招きした。
『戦略思考』を書いた工藤拓真さん、
電通に勤める大隈塾ゼミOBだ。

戦略とはロジカルと同義語ではなく、
戦略とはクリエイティブとも同義語ではなく、
その両方を行ったり来たりするもの。

「論理だけでは終点が作れない」
ロジカルさは信頼を生み、
「確かに良い」ものを作るが、
それでは人は感動しない。

「なんとなく」、感覚的に共鳴できる、
かっこいい、好きになれるもの。

戦略には
「思いつきを愛せる力」
が必要だ。

工藤さんの話を聞けば聞くほど、
自分自身がいかに「戦略」してきたか、
初めて認識できた。
自信がついた、今ごろ(笑)

年をとって、選択肢をたくさん捨ててきた。
いまの自分で、選択は間違ってなかったのか。
いや、あのときあ〜すればいまとは違ってるはず。
違うあのときにはこ〜すれば、もっといいことになっていたはず。

悔いもなく後悔もしてないけど、
自己肯定感は下がっている。

そんなとき、「戦略」の若いセンセから
「思いつきオッケっすよ!」
って太鼓判押されたようで、
なんかよかった。

工藤さんのころの大隈塾ゼミは、
高野孟さんが担当していた高野ゼミと、
岸井成格さんが担当していた岸井ゼミがあった。

高野さんは、まず毛沢東の『矛盾論』を講じた。
戦略論で、潮目を読むことを第一としている。
現状を「局面」で分析し、
第一局面、第二局面、第三局面、
どれがいま一番重要な局面か。
そしてそれは絶対一番ではない。
相対一番であって、局面は次々と変わっていく。
局面が変わっていくのに、戦略を変えないのはどアホのすることで、
舟に刻みて剣を求む、ようなものだ。

局面を分析するからロジカルでなければならないが、
潮目を読むのはロジックだけではできない。
ドタ勘が働かなくてはいけない。
ドタ勘とはクリエイティブの領域で、
戦略とは分析とドタ勘の間で行ったり来たりするもの。

あってんじゃん! 『戦略思考』と『矛盾論』。