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便利で快適な暮らしより、意味のある生き方をしたい


タイガーモブのネイチャープログラムin北海道、2日目。
バスで暮らすマスミさんたちの話を聞いた。

名古屋から札幌の大学に来ていたマスミさんは、
小さなツアーグループに勤める男性と結婚した。
その人は、アパートや家ではなく、バスで暮らしていた。

動かなくなったバスと川のそばの土地を買って、その中で生活をしていた。
マスミさんは都会での暮らしから、
自然の中で生活するライフスタイルに変わった。

電気もガスも水道もない。
明かりはソーラーパネルで蓄電をして、
ランプやヘッドライトで夜を明るくした。
水は摩周湖の湧き水をくんできた。
ガスはカセットコンロだったり、
プロパンガスを充填しながら使っていた。

お風呂は、近くの温泉か、共同浴場を利用した。

バスの中は、キッチンとダイニングとリビングルーム。
子どもも3人生まれ、手狭になってきたので、
自分たちで一部屋だけの小さなお家を建てて、
夜はそこで、家族みんなで寝た。

マスミさんは、とっても不便に思っていた。
虫が出てくるし、夏は暑いし蒸すし、冬は寒い、
シカやクマやいろんなケモノたちがやってくる不安もある。

それまで生きてきた自分のリズムを保ちながら暮らしていたんです。
自然の中で暮らしているんだけど、
いいことをしているんだけど、ものすごく不便だな、って。
だけど時間をかけて、ゆっくりと慣らしていきました。
環境を自分に合わせていくんじゃなくて、
自分をこの暮らしや環境に合わせていって。

そうしたら、水があるってありがたいなあ、
風が吹いたり雨が降るのもいいもんだなあ、
感謝だなあ、って幸せな気分になってきたんです。
自然の中で生きている。
いろんな生き物たち、微生物たちが周りにいることが実感できた。
心が豊かになっていくのがわかった。

なんでバスで暮らしているのか。
しばらく考えて、

自然を大切にしたい、っていう気持ちを、子どもたちに伝えるためです。

とマスミさんはいった。
便利で快適に生きるより、
意味がある生き方をしていた。

いまは、子どもたちが大きくなり、中学校高校に通うために、
釧路の街なかで暮らすようになった。

でも、子どもたちが巣立っていったら、
わたしたち夫婦はバスに戻ろうと思っています。
子どもたちが戻ってくる場所は、そこですからね。

thanks to 橋田真澄さん