「たくましい知性を鍛える」

前前前回の前提。
大隈塾(科目名は「たくましい知性を鍛える」、大隈塾は通称)ではなぜ、
SA(Student Assistant)に激しく働いてもらっているのか。
それは、「学生たちが主体的に企画し運営する講義」という設定だから。
受講生100人が主体的になるために、
SAがそのリード役を担っているから。

ゲスト講師の講義+ディスカッション+質疑応答+グループワーク
質疑応答までで90分、そのあとグループワークを90分やる。
ゲスト講師に「おまかせ」しない講義を準備する、
それを受けて、さらに理解度を深めるためのワークをつくる。
とくに、後半90分をどう充実させるか。
受講生たちがいろんな意味で「意味わかんない」って思わないようにするには、
webにもでてる、よく知られているアイスブレイクでもワークでも、
いったんシミュレーションしてみないといけない。
ぜんぶ出来上がったら、似た教室を借りてリハーサルもする。

3週間かけて、1回(2コマ)の授業をつくってる。

なんでこんなことしてるのか。

大隈塾は潰される、といううわさがあった。
2012年のころ。

大隈塾は2002年開講で、10年以上がたった。
かつては200名定員の倍近く申し込みがあった名物講義も、
定員割れが常態になっている。
熱気も活気も、かつてとは比べものにならない。
そろそろ役割を終えたんじゃないか。

うわさに過ぎないかもしれないが、
自分たち自身でも「それもあるかも」と思う。

じゃあ、と、大隈塾の学生有志が立ち上がった。

「大隈塾をつぶしましょう!」
と。

「そのかわり、新しい大隈塾を立ち上げたいです!」
と。

有志たちは企画書を書き、説明資料を作り、
職員にプレゼンし、OGOBにプレゼンし、
改良を重ねて、所属長にプレゼンした。

大学が用意したコンテストからではなく、
学生たちの企画から出来上がった講義は、
おそらく前例がないのではないか?

新しい大隈塾の科目名は、「たくましい知性を鍛える」になった。
学生たちが自主的に企画し運営する、
講義とディスカッションだけではなく、プロジェクトで学びを深める授業。
すべての学部から、すべての学年の学生たちが集まる授業。
それが大隈塾「たくましい知性を鍛える」だ。

だから、
それまでの大隈塾のTA(Teaching Assisttant)とは比べものにならないくらい、
新しい大隈塾のSAたちにかかる負担は、大きくなった。