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ワンさんのトマトと卵の炒めもの

中国では、立冬の日には餃子を食べるそうで、
昨日、ワンさんに餃子をつくってもらってみんなで食べた。

みんな、とは、大隈塾のコミュニティハウス(シェアハウス)のメンバーとその友だちで、
みんなでごはん食べると美味しいよ、ということで集まった。

せっかくなら大家さんの知り合いに中国人のご夫婦がいて、
ふたりとも料理上手だから、大家さんにお願いして、
料理教室みたいにやってもらおうよ、ということで、餃子パーティになった。
たまたまその日が立冬だったのはあとから知った。

ワンさんは、餃子を2種類用意してくれた。
ひとつは市販の餃子の皮、もうひとつはワンさんがつくった小麦粉の生地で、
生地をちぎって、手のひらで丸めて、綿棒で伸ばしながら丸く成形する。
市販の皮は焼き餃子、オリジナルは水餃子。
皮の厚さはほとんど変わらないんだけど、
試しに市販の皮をお湯で茹でると、破れやすかった。
ときどきお店で食べる水餃子には、皮が分厚すぎて団子を食べてるようなのもあるけど、
ワンさんの皮は薄いのに、がんがんに茹でても平気なほど丈夫だった。

「ほかにもつくるよ、何にする?」
ということだったので、トマトと卵の炒めもの、をリクエストしていた。
トマトと卵の炒めものは家庭料理の一品で、
あまりに家庭料理過ぎるためなのか、日本の中華料理屋ではメニューに載っているのをあまり見たことがない。

どうしても食べたくなったときは、スマホのアプリでつくりかたを調べて、
自分でつくって食べていた。
本場の料理人はどうやってつくるんだろう、と興味津々だった。

驚きの連続だった。
まず、おいおいおいおいってぐらいに、フライパンに油を入れた。
どくどくどくどくどくどくどくどく、って感じ。
その前に、これもまたへ〜〜〜〜〜ってぐらいに、卵を完璧に溶いた。
かしゃかしゃ(以下省略)、って感じ。

で、その完璧な卵を、熱したたっぷりの油の中に入れ、
しばらく放置して、卵が固まってきたらがんがんにかき混ぜた。
頃合いを見て、いったん卵はもとのボウルにもどして、
フライパンをキッチンペーパーで拭いて、
再び油を入れ(前回よりかなり少なめだけど、やっぱり普通より多め)、
薄切りにしたにんにくと、小口切りのネギをいれる。
香りが立ってきたら、スマイリーカットしたトマトをばしゃ〜っと。
トマトはカットしてしばらく置いておいたので、水分がそこそこでている。
水分がそこそこでているトマトを、あちちちな油の中に放り込むもんだから、
フライパンに火がバーンと入って、みんな大喜び。

そこで塩をちゃっちゃと振ったら、ボウルにとっていた卵を戻して、
ごま油を少し、水道の蛇口から(!)水を少し、
混ぜ合わせて、出来上がり。

調味料は、塩とごま油だけ。
だけど、めちゃくちゃ美味しかった。
たしかにいま思い返してみると、深い味わいではなかったかもしれないけど、
食べた瞬間はトマトと卵がたまらなく美味しく、
これが塩だけでできたのか! と感動すらした。

みんな写真を撮るのを忘れて、あっという間に食べ終わってしまった。
もちろん餃子も美味しかったけど、
トマトと卵の炒めものが塩だけで絶品過ぎて、まるで手品のようだった。

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