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「動物園」と「ちりとてちん」

落語でワークショップをやった。

ファシリテーターは楽亭じゅげむさん(小幡七海さん)。
京都女子大学在学中から落語を始め、
コンテストでいくつも賞を取り続けて、
最後は「全日本学生落語選手権」で優勝した。

審査委員長の桂文枝(いらっしゃ〜い)からプロになるよう勧められるが、
もともと小学校の先生になりたいという夢も捨てきれず、
迷ったけれどもやっぱり学校の教員になった。

赴任先で落語クラブをつくって児童たちと落語を楽しんでいたら、
落語を通しての子どもたちの個性の発揮の仕方がバツグンで、
これを教育のカリキュラムにしないといけない、
それが自分の使命だ、という思い込みが爆発して、
教師をやめ、「落語教育家」を名乗り、
日本全国の学校、企業研修などで落語ワークショップをするようになった。

すごく楽しいワークショップだ、という評判を聞いて、
それなら、ということで、
プレイフルな学びを目指す大隈塾コミュニティは、
じゅげむさんにお願いして、ワークショップをやってもらうことにした。

それが、昨日(2022年8月28日)。
・アイスブレイク
「動物園」(なまけものが動物園でトラのきぐるみを着て仕事をする噺)
・グループワーク
「ちりとてちん」(しったかぶりのロクさんを腐った食べ物で懲らしめる噺)
・グループワーク

じゅげむさんの噺っぷりがとても聴き心地がよく、
そもそもわたしが落語が好きということもあって、
グループワークよりもずっと落語をやってて欲しい、
と思っていた。

が、グループワークをしながら、
3人4人で感想をシェアしながら、
「ああ、これって対話型鑑賞と同じだな」
というか、これは対話型鑑賞そのものだと気がついた。

たとえば、「ちりとてちん」は、
しったかぶりで威張りん坊のロクさん(名前は諸説あり)に、
腐ってカビが生えた豆腐を瓶詰めして桐の箱に入れ、
「長崎名物『ちりとてちん』」だとして差し出す。
ロクさんは「ああ、知ってるよ」といって一口食べる。
そしたらもう大変……。
という噺。

ワークでは「自分だったら、どんな<ちりとてちん>をつくりますか?」

参加者からでてきたのは、
・木くずのふりかけ
・牛脂をそのまま食べさせる
・三つ葉と偽ってパクチーを
・ファミレスのドリンクバーででたらめな飲み物をつくる
とか。

思いもよらない「ちりとてちん」がでてきておもしろかった。

あなたなら、どんな「ちりとてちん」つくりますか?

撮影/佐藤洋輔さん https://chiikitoeizou.com/