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漁師はあこがれの職業

ノルウェーでは、漁師があこがれの職業らしい。

若者が次々と門を叩いて、水産業界に入ってくる。
なぜ?
岩手大学の齋藤孝信さんに話を聞いた。
「サーモンを中心に、魚がたくさん捕れる。
だから、給料がいいんです」

日本でも、釜石でも同じような状況だった。
40年ほど前のこと。
定置網は船に乗って漁に出るために順番待ちの状態だった。
船には定員があるから、希望すれば必ず乗れるというわけではない。
だから、乗れる順番が来るまで待つ。
なぜ?
「高校を卒業したばかりの18歳でも、
漁師になれるとボーナスでクルマが買えました」

というような時代も変わって、
いまでは魚がな捕れなくなった。
たとえば、サケ漁はピーク時の0.1%。

キツい仕事だけど儲かる職業ではなくなった。
だから、海から離れる人がひとりまた一人。

岩手大学の齋藤孝信さんは元釜援隊のメンバー

「くじらを釣りたい、っていう高校生がいたんですよ」
そんな変な高校生、じゃなくて、好奇心旺盛な高校生、どうしたんですか?
「クジラはムリだけどサメなら釣れるかもしれない」
ということで、漁師さんや齋藤さんといっしょに船に乗って海に出る少年。
定置網で働く人たちを見て、この生徒の顔つきが変わった。
なぜ?
「食の生産現場を体験したからですよ。
彼がお家で食べてる魚は誰が捕ってきた魚なのか、
ここではっきりつながったわけです」

生産者と食べる人が、顔が見える関係になった。
農業では浸透してきたやり方が、
漁業ではまだまだ。
民宿などでは、自分たちで目の前の海で捕った魚介類をさばいてお客さんに提供する、
ということはあっても、
スーパーで売ってる野菜に生産地域と農家さんの名前が記されて売っていることはあっても、
スーパーに並んでいる魚のパッケージに漁師さんの名前とか船の名前とかが記されたものは、あまり見たことがない。
(どこかの道の駅で見たような気もするんだけど……)

でももし、農業と同じように、生産者の顔が見えるような仕組みができたら、と思った。
「食べる人は、生産者を信頼して買う。その食べる人からの信頼が、生産者の励みになる」
と、齋藤さんはいう。

だったら、釜石では魚が捕れる量が少ないのを逆手に取って、
漁師さんの名前付きで魚を売ったらどうなんだろう。
手間はかかるが、付加価値がついて高く売れるかもしれない。

イオンとか市役所で見かけた水槽
釜石にも大学生はいるんです