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南の島で東北の豊かさを考える

京都芸術大学の期末試験で、
「自分なりの『東北』観を書きなさい」みたいなお題があって、
テキストとか自分で書いたレポートを読み返したりしてた。

改めて、東北は豊かだなあと思った。

なんだか、東北は貧しい、というイメージがあるが、
たしかに東北の太平洋側では、
大きな地震は多いし津波もそのたびに襲ってくる。
大凶作による飢饉が何度もあったのも事実。

それは太平洋のプレート活動による地震と津波であり、
寒冷化による凶作と飢饉、そして中央政府のコメによる全国一律の課税によって、
そもそも温暖な地域よりも収穫量は少なく、
凶作とか関係なしにコメを持っていかれるから、
自然環境的に統治システム的に痛みがあるようになっていた。

それでも、鉱物の産地だったことが、岩手県では世界遺産などでいまでも観光資源となっているし(橋野鉱山、中尊寺)、
海産物や牧畜や湧き水など食に関するものが充実している。

特筆したいのは、温泉が身近にあることだ。
仕事帰りにクルマでちょっと出かける感覚でお湯に浸かることもあるし、
安価な湯治旅館もあるので、
何日か宿泊しながら、リモートで仕事をすることもできる。

ライフスタイルとしてもワークスタイルとしても、
豊かに暮らせるのが東北なんだなあ、と、
与論島でワークウェルネスしながら考えていた。


『いま「東北」の歴史を考える』 高山宗東 総和社 2011年