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性教育を授業でやってみてわかったこと

性教育とは、
先進国では、「性的同意」や「性の多様性」など、人権教育のことを指す。
後進国では、「避妊」や「感染症」など、貧困対策のことを指す。
日本では、……。

性を学ぶことは人権を学ぶこと。
日本では、……。

ユネスコは「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」で、
性教育に8つのキーコンセプトを掲げている。
1 人間関係
2 価値観、人権、文化、セクシュアリティ
3 ジェンダーの理解
4 暴力と安全確保
5 健康とwell being(幸福)のためのスキル
6 人間の身体と発達
7 セクシュアリティと性的行動
8 性と生殖に関する健康

昨日の大隈塾は、産婦人科で性教育の専門家の、高橋幸子さん=サッコ先生だった。
「趣味:性教育、特技:性教育、仕事:性教育」

大学医学部6年生のときに性教育をやりたい、と決め、
産婦人科の専門医になって、
お医者さんのかたわら、小学生から大学生まで毎日のように講演、講義、
本やブログの執筆、本やYoutubeなどの監修、
ホントに趣味:性教育、特技:性教育、仕事:性教育」。

なぜ性教育が必要かというと、サッコ先生いわく、
・被害者にも加害者にもならない教育
・ネットの情報に惑わされない、だまされない
・初交年齢を上げる
・自分を知る=豊かな性を育む
・人を大切にする「関係性」を学ぶ
ことによって、「まさしく、豊かに生きる」ためだと。

ちょうどいま、4月1日から4月30日まで、
内閣府は、「若年層の性暴力被害予防月間」
としている。

10代20代に対する性暴力には、
AVの出演強要
レイプドラッグ
SNSを利用した性被害
お酒に酔わせて性的行為を強要
セクシャルハラスメント
痴漢
がある。

女性だけの問題ではなく、
男性はこうした加害者にならないようにする。
また、男性もこれらの被害者になる恐れもある。

サッコ先生は、
「性教育は、未来の選択肢を広げるライフスキル」
と。

サッコ先生の講義を終えて、こう思った。
なぜ日本では、性教育が無視されるのか。
それは、セックスを学校で教えるのはけしからん、
生理や妊娠や感染症はオンナの話だ、
という政界と教育界の昭和脳が、
家庭と学校とに生き残り、
そのまんまアンコンシャス・バイアスとなって、
すべての日本の男性が身にまとっているからだ。

そして、性暴力を暴力と犯罪のカテゴリーから外し、
被害者を自己責任として冷笑し冷遇し、あるいは無視する世の中の風潮。

性教育を軽視しているわたしたちは、
女性に罰ゲームを用意し、
子どもたちや学生たちの未来の選択肢をつぶしている。
そして実は、わたしたちも危ない橋を渡っているんだ、ということ。