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インプット、プロセス、アウトプット

猛スピードの講義だった。

昨日の大隈塾リーダーシップ・チャレンジのゲスト講師は、
38歳でA.T.カーニー(KEARNEY)の日本代表になった関灘茂さん。
22歳、新卒で入社し、16年目で社長になり、いま、39歳。

猛スピードなインプット、膨大な量のインプット。
インプットは、本と「達人」から。
インプットする前に、いろいろと想像したり、妄想する。

たぶん、想像と妄想することによって、
視野を広げ、視点の固定化を防ぎ、
想像と妄想が「あたった!」ことの快感と、
想像と妄想が「はずれた!」ときの気づきが、
猛烈インプットへの耐性になっているんじゃないか。

そうして、特定領域における大量の知識をインプットしながら、
どういう気づきを得ているのか、
知識と知識がどう結びついているのか、
確認と構造化をしていく。
確認していくときに、タグ付けもする。
タグ付けの柔軟性が、脳内引き出しの中の知識に多面性を与え、
ものの見方や解釈を多様にしていく。

こうしたプロセスを経て、アウトプットしていく。

プロセスで「強い個」が鍛えられ、
アウトプットに「尖った個」が現れる。

もちろん、このプロセスが、スムーズに進むわけでなない。
途中で行き詰まったり、成果があやしくなったりもする。
それでも、ストレッチリーチ的なゴール(ちょっとを伸ばさないと届かない目標)を設定し、
良質な失敗をし、気付きと学びをひねり出すことを繰り返す。

ものすごいインプットの一方で、社長として会社を経営していかなくてはならない。
受講生からの「気分転換はどうなさっているんですか?」
という質問に、
「イヤなことをやっているわけじゃないので、気分を転換する必要ないですけど……」
と、不思議そうな表情で答える。
でも、それがイヤミに感じられない。
「でも、ときどき、
何のために生きているのか、何のために働いているのか、
って、手帳を見ながらじっと考える時間はつくっています」
と。

1981年、神戸に生まれて育った。
1995年、阪神淡路大震災。
大震災の経験が、「何のために生きているのか、働いているのか」
自問し続けるきっかけとなった。

大学を卒業して入社して、
上司や先輩と比較するとあまりの仕事の出来なさかげんに、
あまりの知識不足に、
「これじゃクビになる」と怯えた。

「これじゃクビになる」修羅場を何度か踏んで、
猛烈なインプット、プロセス、アウトプットを始めた。

組織には、「強い個」と「尖った個」が必要だ、という。

その強い個」と「尖った個」の眼を摘んできたから、
日本企業は、世界のトップ50に1社しか入らなくなった。

「強い個」「尖った個」になるためには、
「正しい努力をしていればなれます」
ということだった。

やや早口で言いよどみのないプレゼンテーション。
猛スピードの90分だった。