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方向上手

私は、方向音痴です。
徒歩10分とあって10分で着いた試しがない。【車で5分】とカーナビででていたので、意気揚々と出かけて5分どころか40分経ってもたどり着かなかったこともある。情けない。

そんな私ですが、1人で出かけるのが好きだ。事前に行きたいところを何個かピックアップして、自由気ままにうろうろするのだ。迷子になっても自己責任、誰にも迷惑をかけない。
地図を見ても全くわからないが、地図アプリは使う。自分が右に行くべきか左へ行くべきか、アプリを使えばわかる。東西南北はわかないが、私が動いた方向に丸い印が動くので、それを頼りに進むべき道を探す。それすらも役立たなくて、逆方向に進んでいることもあるのだけれど。

つい最近も1人で出かけた。目的地は、パン屋さんと美術館。
いつも通り、パン屋さんは駅から徒歩15分となっていたが30分ほどかかって無事到着。美味しいと噂の天然酵母パンが買えて大満足だ。では次の目的地、美術館。パン屋さんから徒歩20分となっている。これは、奇跡的にも40分で到着できた。もちろん迷子にもなったのだが、寄り道もした。それで40分は私的には快挙だ。とても気分が良い。寄り道して買った紅茶とパンを美術館近くの公園でムシャムシャと頂く。とても幸せな時間だった。そして美術館へ。ずっと行ってみたいと思っていた【黒田泰蔵】。私が言うまでもないが、展示は素晴らしかった。
さてここで、私はまたしても方向音痴を発揮してしまう。美術館の中で迷子になってしまったのだ。館内をうろうろしていたら(同じところを右へ左へ何回も歩いていた)、みかねた学芸員の方が声をかけてくださった。助かった。恥ずかしさはあるけれど、助けてもらえた喜びが上回る。これでやっとこの建物から出られる。安堵した。

帰宅後、夫に今日も方向音痴を発揮しまくったと話をした。夫は全く方向音痴ではない。初めての場所でも、地図をちらりと見れば目的地に到着することができる。私から見れば夫は特殊能力を持っているようにみえるが、夫からすれば私の方向音痴が理解できないらしい。
私は夫に『あなたは方向上手やな』と言った。
すると夫は『なにそれ?』

私は音痴の対義語が思いつかず『上手』という言葉を使って、『音痴』の反対の言葉を表現してみた。その旨を夫に伝えると、しっくりこないと言われた。
インターネットで『方向音痴』の対義語を調べると、どうやら対義語はなさそうだ。そもそも音痴の対義語がないのか!?気になって仕方がない。

方向音痴であることは、なかなか不便なことが多いけれど、普段見落としている風景を発見できることがある。それはそれで幸運なのかもしれない。
いや、負け惜しみだね。


#方向音痴 #美術館巡り#趣味#食べ歩き#四文字熟語

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