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世界の謎と不思議はダウンロードできるのかな/ムーPLUS編集雑記

 在宅勤務がメインになっているムーPLUSの中の人です。
「メール」が手紙より電子メールを意味する現在は「固定電話」という説明用の新語も常用されているし、そのうち出勤・勤務という語は業務用の端末ないしアプリなどを立ち上げることを意味するようになったりして。従来の職場に肉体ごと集まる出勤を「集合勤務」と言うようになるのかな

 唐突にYAZAWAなんですけど「ステージ上のYAZAWAはダウンロードできない=ライブに価値がある」話は2007年のほぼ日でも語っていたみたいです。YouTubeの法人設立が2005年なのに、2007年のYAZAWA、未来をばっちり予言してたよね(ややモノマネ)。

「会いにいける」「接触」の時空間体験と、「ふわっと共有」「シェア」のSNSがいいバランスになっていたのに、片翼が不調でどうしよう2020年。共有しようにも元の体験、機会が激減。そこでライブでやってたことをネットでやってみよう……というのが在宅勤務だったりオンライン会議だったり、イベント会場でやってたことをネット配信してみたり、各エンターテイメントからYouTubeへ続々参入。
 ネット世界はどんどん渋滞するでしょうね……と、ムーPLUSも他人事ではなく、むしろモヒカン頭をキメてビッグウェーブに乗っていきます(たとえが懐かしい)。

(やっと本題なんですが)そんな中でムーも、以前から新刊発売イベントなどを実施していただいた書店、本屋B&Bさんの配信イベントに協力します。

 書店……書籍の現物をリアル店舗で対面販売するという「「「ザ・物体」」」な現場です。ムーPLUSも協力しているnoteお題企画「 #私の不思議体験 」への投稿作品について、怪談師のいたこ28号さん、吉田悠軌さんが語り合います。よく考えなくても書籍、書店の必然性が低いイベントですけど、MuTubeの収録場所はカレー屋さんですからね。ネットは空間的な必然性を薄めるものです。

 世界の秘境になにかがある、知られざる叡智が隠されている、目の前でとんでもないことが起きている、会ってしまった触れてしまったという、ムーで扱う「世界の謎と不思議」にはいろいろありますが、武田御大は「スプーン曲げというのは、ものすごくわかりやすいんですよ。見りゃわかるんだから」と語っています。

 電波や紙のメディア上にパッケージングされるうえで、曲がる金属はわかりやすかった。では今、ひとりの超能力者がスプーン曲げをするとして、それをウェブで扱うならどうするか、中継という実験ショーが適しているのか、説得力と魅力的な見せ方をどう整えるか……などを考えるのがムー側の仕事ですね。われわれは現象を提示するだけでいいのかというと、そうではない。混沌にこそ補助線を引かなければいけない。それが煙の幅を巻き尺で測るようであっても。

 とはいえ、豊島園やペルセポリスという現場には、やはり肉体を伴った体験者の言葉や写真が必要で、距離的な意味だけではない秘境へのアプローチは悩ましいですね。

 どこでもドアは指定できる(知っている)場所にはサクッと行けるけど、未知の空間を楽しむならタケコプターで体を飛ばしたほうがいいかもしれない。YAZAWAと米津玄師のどちらも世に出る22世紀を迎えたい気持ちは、もちろんあるのです。


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