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誰でもわかるセールススキル ユアユニで生涯、学びの道を!WEEK12

こんにちは「師子吼する」です。ユアユニのWEEK12の講座は「セールススキル」についてです。今回も考え方が難しく、時間がかかってしまいました。
講座の内容もどんどん濃いものになっていきますので、今後もブログを作るにも時間かかると思います。申し訳ありません。 m(_ _ )m

■提案の価値

このセールススキル講座を受ければどうなるか

・ものを安く仕入れて高く売れる。
あくまでも例えだが、自分が餃子を売る場合、「餃子の王将」よりも餃子を高く売って買ってもらうことができる。ビジネスでは安く仕入れて市場価格で売るか、市場価格で仕入れて高く売るか、という3つの利益構造しかない。一番よいのは安くし仕入れて市場価格よりも高く売ることができるようになる。

・オンラインで多くの申込を獲得できる。

セールススキルとなると対面でしかできないのではないかと思うかもしれないが、ものを買う時に誰の顔もみないで買うこともよくあるだろう。ネットのオンラインの申込がそうだが、ただオンラインに詳しくなっただけではものは売れない。申込がとれて初めて売れて儲かるのである。セールススキルがないとオンラインの知識がいくらあってもやり損である。

・差別化によりリピートを増やせる。

Aの店もBの店も同じであればリピートされない。セールススキルができると差別化につながり、リピートされる。

・人にアドバイスすることができる。

セールススキルも自分だけが利用できる知識ではなく、他人に教えられることがさらなる価値に繋がる。

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マクドナルドの時給

では講義に入っていく。よく引き合いに出される話だが、マクドナルドで全国売上1位になったスタッフがいたとしても、その時給が大きく上がったりはしない。なぜかというとマクドナルドのカウンターに来た客はスタッフが何をしようが必ず注文はする。スタッフはただ単に作業や業務をしているだけである。だから時給は上がらない。オンライン、オフラインに関係なく価値というは作業や業務ではなく提案につく。竹花氏は言われてやるのが作業や業務であり、自分で考えて行うことが仕事だと考えている。作業や業務をやっている限り、いくら売上が上がったとしても、給料は変わらない。自分で考えて提案をするから自分に価値がついて給料は上がるのだ。ただ誤解しないでもらいたいが、マクドナルドのスタッフやシステムを否定している訳ではない。
生命保険や医療保険なども最近はオンラインでの販売が多くなっている。ただオンラインの方が運営コストが低く保険の手数料などが安いのに、保険はオフラインの窓口販売も未だにたくさんある。窓口販売は運営コストが高く保険の手数料などが高くなるはずで、それを知る人も多いにも関わらず、窓口販売が廃れないのは、ネット利用が困難は高齢者などがたくさんいることもあるが、オンラインで自分で考えて安く買うよりも、高くてもよいので保険を買うのに提案を求め、そこに価値を感じる人々も多いからだ。
美容室で美容師が客に言ってはいけないことは「今日はどんな髪型にしますか」である。なぜならこれだと客の言う通りに髪を切るだけなので作業になってしまい、自分に何の価値もつかない。なので「今こういうのが流行りなんですがいかがでしょうか」と一言提案するだけで自分の価値を上げるのだ。「よけいなおせっかいをするな!バカ!こっちで決める!」と怒る客もいるかもしれないが、そんなアホな客は願い下げである。
マクドナルドやドトールのスタッフはそもそも提案するような仕事ではないが、スターバックスは提案が仕事でもあるのでスタッフは「焼きたてのパンをいかがですか」「新商品があるんですが、いかがですか」などとよく提案している。

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「不」の解決

競合の店が儲かっているなら、うちは何かを無料にしようとか、何かをサービスで付けようとか、そんな差別化をするのではなく、提案に価値があるなら、今持っているサービス・商品の提案を変えて差別化すべきである。ではその提案はどのようにすべきか、仮の話だが自分が32インチのテレビを買おうと電器店言ったとき、テレビの価格は安くて3万円、高くて8万円程だろうと考えていたのに、店員にいきなり32インチのテレビが「値段は30万円です。」と言われると、びっくりするだろう。竹花氏によると予想外に高額なものを見聞きした時の人間の脳の反応は、ほっぺたをつねられた時の痛みと同じであるという。ただこの痛みと同じ脳の反応の原因は、ただ高いからではなく、なぜ高いか理解ができないから。なのでものを高く売ろうとしても、痛いままだとものは買ってもらえない。ではこの痛みを和らげて買ってもらうためには何が必要か、これは客の現状の「不(不満、不平、不便、不利益、不足など)」を解決し客の理想を実現する「改善」を提案すること。人間が買い物をするのは「改善」を買っているのである。「不」の考え方は、竹花氏が以前勤めていたリクルートのもので世間によく知れ渡っている。あとマーケティングの世界でよく言われる「改善を買う」という発想は、フィリップ・コトラーなどと並ぶマーケティングの権威でハーバード大学大学院教授であった、セオドア・レビットが著書
「マーケティング発想法」(1968年)
の中でレオ・マックギブナという人物の「昨年、4分の1インチのドリルが100万個売れたが、これは人々が4分の1インチのドリルを欲したからでなく、4分の1インチの穴を欲したからである。」という言葉を紹介したことから広まっていった。ちなみにマーケティングの世界において重要な発想を生み出したレオ・マックギブナという人物についてはレビットはまったく語っておらず詳細は未だに不明のままである。
話を戻すが、よくテレビで自分に自信がないと言う太った人が、トレーニングプログラムをこなして引き締まった理想の体になったというようなダイエットのCMや、足が悪くなり歩きかねていたおばあさんが、これを飲んで元気に歩けるようになりましたと言うような健康食品のCMをテレビで見かけるがこれはセールスの基本中の基本なのだ。人間が価格が高くてもよいので欲しいと感じる瞬間というのは、現状の困っている「不」をそのサービス・商品で改善できると確信したとき。この確信をさせることが提案であり、価値となる。どんな髪型にすればよいのか悩んでいる「不」を抱えている客に美容師が「今流行りのこの髪型はいかかですか。」と提案し、客に「不」を改善できると確信させることが美容師の価値なのだ。

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伝え方とセールススキル

●iPodのCM

皆も見たことがあると思うが、アップルのipodのCMはipodをイヤホンで聞いている人のシルエットがリズムにのって踊っているだけで機能の説明どころか、ipod自体もはっきり出てこなかった。しかしおしゃれで人をわくわくさせ、「ipodというのは何だろう?とても楽しくなりそうだな」とより思わせるようなつくりで、これがつまらないという日常生活の「不」をもっと音楽で楽しい理想的なものにするというアップルの改善の提案になっていた。竹花氏が見たというGoogle広告のCMもサービスの説明が一切ないものがあった。その内容は花屋のおばあさんやピザ屋のおじいさんが客が来なくて困っていた。そこでおばあさんとおじいさんがスマホでGoogle広告を申し込んで使うとGoogle広告を見たという客が店に来たというストーリーになっていたという。このように、ものを買ってもらうには、買ってもらう前に改善の提案を伝えないといけない。これがセールススキルになるのだが、伝え方はどうすればよいか、それは以下の4つが必要になる。

①共感・共感がないと店・サービス・商品に人は振り向いてくれない。

②物語・・店・サービス・商品に関する物語がないと人に記憶してもらえない。

③想像・・店・サービス・商品で「不」を解決し理想とする姿を具体的に想像できないと人に使ってもらえない。

④独自・・店・サービス・商品に独自性がないと、人に使い続けてもらえない。

改善を伝えるには、人を「共感」させ、店・サービス・商品の「物語」を聞かせて、人に利用しているところを「想像」させ、最後に「独自」性を強調し、店・サービス・商品の詳細を説明する。

この4つのポイントは必ず①共感②物語③想像④独自の順番で話をする。これは営業でのセールストークでも、ブログなどオンラインでのセールスライティングでも同じである。

共感と物語

①「共感」について具体的に説明する。竹花氏は新橋に「YAKINIKU FUTAGO 37West 17th St」という焼肉店を経営しているが、この店はオーナー制度があり、竹花氏はそのオーナーたちをパーティーに招待するメールを自分でつくった。ここで最初の「共感」だが、これは人が感じている「不」を自分が代弁する。メールのはじめにはまずこうある。
「家にこもりながらひたすら暗いニュース。出かけようにも開いているお店は少なく、いつも混んでて、コロナも怖い。」これが竹花氏は皆が思っている現状の「不」だと考えた。ブログもYouTubeと同じで人は読むかどうかは最初の15秒で決める。メールを読んでもらうために、文頭は人に共感してもらうようにした。「不」に対する共感はどうつくるか、これは客が何が不満で客に来るのか、何が不満で商品・サービスを買うのかを考えて書き出してみる。

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たとえば竹花氏のかつての職場であったリクルートは創業者である江副浩正氏が1962年に「企業への招待」という就職情報誌をつくったのがはじまりであった。今の学生の新卒採用は、大手求人サイトに学生が登録。複数の企業にエントリーするのが基本だが、当時は高度経済成長で企業の採用意欲が高まっていたにもかかわらず、学生が就職情報を得るには教授や先輩のコネ、大学の就職課にある求人票で調べるなどに限られていて、「学生が情報を得る手段が限られているうえに面倒で、効率的に情報発信できず大量に採用できない」「地方の企業は学生も多い都会の大学への情報発信もしたいが、手間も費用もかかる」「コネではよい人材が集まらない」という企業側の「不」があり。学生にも「不」にもなっていた。江副氏はこれらの「不」を見つけ出し、改善のに乗り出す。大学の掲示板に貼られていた就職説明会の広告とアメリカの大学で配布されていた「キャリア」という就職情報ガイドブックを参考に、東京大学の学生新聞に企業から広告をもらう営業をしていたことも活かして、学生と企業が直接つながれる求人しか載っていない就職情報誌の発行を計画。情報誌の営業した企業から「不」に対する共感を集めて、作成費用や情報誌のを学生に送るための送料を企業からの掲載料でまかなうことができた。この情報誌は無料で学生の自宅に送られるが電話帳のように分厚い。これを読んで自分が行きたい企業を探し、応募の電話をかけたり手紙を送ったりする。今日のネット社会の時代から見ると非常に不便だが、それでも当時はたくさんの情報が得やすく就職活動が便利になったと学生に大当たりして、企業と学生を直接結び付けたこのビジネスは、就職活動に大きな変革をもたらすまでになった。仮にこの就職情報誌のセールスで「不」の共感を地方の企業の担当者の共感を得るトークをするなら、あくまでも例だが「この人手不足の中でよい学生を採用するのは大変ですよね。大学の教授にお願いするのも気を使うと思いますし、そもそもコネ採用だと選べる人材も限られてしまいます。都会には学生が多くいますが、地方から都会の大学の学生にも情報を発信しようとすれば、手間も費用もかかるのではないでしょうか。」というものになろう。(実際に江副氏や営業がこんなトークをしていたかわからないが)このように改善を提案するには「不」を考えないといけないのだ。ちなみに江副氏は1989年に政治家、官僚などの大規模な収賄事件である「リクルート事件」の首謀者として収賄罪で逮捕されたことで有名だが、リクルートは株式時価総額が2022年1月時点で日本第6位の約9兆円にもなる企業にまで成長し、現在では江副氏は傑出した起業家として再評価されつつある。

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②「物語」だが、昔話の「桃太郎」のあらすじは「川から流れてきた桃から生まれた赤ちゃん。おじいさんおばあさんに『桃太郎』と名付けられ強く育つと、鬼どもが方々で悪さをして宝物を盗んだと聞き、鬼退治へ、途中で会った犬、猿、キジにおじいさんとおばあさんがつくったきび団子を渡して仲間にして見事、鬼を倒して盗まれた宝物を取り返した。」というものだが、このだいたいのあらすじは誰で知っていて聞かれてもすぐ答えられるだろう。しかし「昨日の朝食は何だったか」と聞かれるとすぐに答えられない人が多いのではないだろうか。これはなぜかというと「物語」は、脳内で快楽物質「ドーパミン」を生み出し、人の感情を高めることができる。感情は、脳にある扁桃体が判断している。あと脳には、忘れても良い記憶と覚えておくべき記憶を分ける海馬という器官があるが、扁桃体と海馬は隣同士。高ぶる感情を伴う記憶は、扁桃体が海馬を刺激するため、思い出として脳に強く定着することが様々な研究からわかっている。だから桃太郎のあらすじはだれもがすらすら言える。セールストークはまず「不」で物語を作って話すのである。物語は自分の経験したことがよい。仮に先程の就職情報誌のセールスで「不」の物語を地方の企業の担当者に話すなら。「私の知っているある学生はよい就職のためには教授の機嫌取りをしなければならず、苦痛だと言います。就職課はいつも混雑。求人票も少なく、希望の就職先がなかなか見つけられないと疲れ果てていました。これで学生にも企業にもよくないですよね。」というものになろう。この「不」の物語は営業のセールストークで実際に話すだけではなく、店舗やオンラインでも伝えることができる。まずハーバードビジネススクールの元教授で国際的な経営コンサルタントとして活躍するデービッド・マイスター氏は待ち時間について以下の8つの法則を提唱している。

1) 何もしていない時間は長く感じる
2) 人はとにかく何かに取りかかりたい
3) 不安があると、待ち時間は長く感じる
4) 待ち時間が分からないと、長く感じる
5) 理由もなく、待ちたくない
6) 不平等な待ち時間は長く感じる
7) 価値あるものに対する待ち時間には寛容になれる
8) 独りの待ち時間は長く感じる

駅の改札の混雑や信号待ちでイライラするのは、1、2、4が当てはまるし、彼女を待つ時間はイライラしないのは(これは人にもよるが)7が当てはまる。この待ち時間を利用すれば、人に物語を読んで貰えるうえに待ち時間が苦痛でなくなる。竹花氏が行ったアメリカの飲食店では、席を案内されるまで少し待たないといけなかったが、待っている間にウェイターからパンフレットを見るように渡され、そのパンフレットには店やシェフについての物語が書かれていたという。あとオンラインであれば物語のページをわざわざ用意しても見てはもらえない。アメリカのサイトでよくあるのは画面が切り替わる間などのローティングの画面に物語が出ること。ローディングの待ち時間に物語を読んでもらえる。物語を読ませるために必要のないはずのローディング画面をわざわざ作っているサイトもある。竹花氏はアメリカのサイトは来た人を退屈させない小さな工夫がたくさんあるので参考にした方がよいという。これは日本にもたまにあるが、テーブルにあるチラシやトイレの壁に店の物語が書かれていたりする。これも読んでもらうための有効な方法で、このように店舗やオンラインであれば「不」の物語を待ち時間などにさりげなく伝えることが大事なのだ。しっかり伝えようとすると逆に見たり聞いたりしなくなってしまう。

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想像と独自

③「想像」だが店・サービス・商品を利用して「不」を解決し理想とする姿を具体的に想像できるようなセールストークを行ったり、オンラインや店舗であれば、サイトの画像や動画などで表現する。就職情報誌のトークであれば、「私どもの『企業への招待』という就職情報誌を使っていただければ、少ない負担で都会の多くの学生が御社の情報に手軽に触れられ、効率的な情報発信ができますので、応募も増えます。御社と学生を直接つなげられますので、これでよりよい人材の獲得ができて、将来、御社の大きな発展につながると思います。」というものになろう。オンラインや店舗であれば、HPやSNSに「不」が改善された理想が想像できるような画像や動画を載せる。よくカフェのインスタでコーヒーや料理だけの写真や動画を載せているものがあるが、これではもろに営業のようになるのでだめ。載せるのはコーヒーや料理ではなく、コーヒーを飲んで読書をしながらくつろぐ人や料理を食べながら楽しそうに談笑している人の画像や動画である。これが営業じみたものにならずにさりげなく「不」が改善された理想を人に想像させることになる。それらをを見た人は「このカフェではこんなにくつろげて楽しめるんだな。」と思い、店に来てくれるようになる。
④「独自」については話の最後に店・サービス・商品の機能にもっていくがその話の中で「独自」性を打ち出す。就職情報誌のトークであれば、「行っていただくのは情報誌に御社の求人を載せるだけ。あとは私どもで学生に情報誌を送ります。御社の情報を見た学生は電話や手紙で応募しますから、御社はそれを待つのみです。私どもでは大学新聞の広告の営業もしておりましたので、そのつながりで多くの企業からも掲載のお話があります。その掲載料で学生には無料で情報誌を送ることができます。このように私どもが学生を自分に合った行きたい企業に招き入れようと、雑誌の名前も『企業への招待』としました。こういう情報誌は他にはありません。」というものになろう。この一連の流れのように「不」を客に共感してもらい、自社の商品・サービスが客の「不」を改善できることを理解してもらえれば、高く買ってもらえる。

■USP(Unique Selling Proposition)

USPとキャッチコピー

この就職情報誌が発行されたのは60年も前の話で独自性がはっきりしている事業ではあったが、自分の事業の独自性はどう考え語っていくか、独自性は商品・サービスを高く買ってもらうのに必要不可欠である。これはUSP(Unique Selling Proposition)というものを考える。これは商品・サービスが持っている独自の強みを意味する1960年代にアメリカのコピーライターであるロッサー・リーブスが提唱した概念。それぞれの言葉の意味は

Unique・・・独特の、独自の
Selling・・・売り
Proposition・・・提案

となる。つまり客に独自の売りを提案することになる。就職情報誌のUSPなら

Unique・・・求人を載せただけでよく、その情報誌を学生に無料で送ってくれるので学生も就職活動がしやすくなる。
Selling・・・情報を見た学生は電話や手紙で応募するので、企業はそれを待つのみ。余計な手間やコストがかからない。
Proposition・・・学生から応募が増え、学生を企業を直接つなげられるので、よい人材の獲得ができて、企業の発展につながる。

USP考え方は、MUPのWEEK10の講座に出てきた3C分析を使う。まず顧客のニーズ(Customer)を書き出し、自社の強み(Campany)競合の強み(Competitor)を書き出す。

無題のプレゼンテーション

上記の図では顧客のニーズと自社の強みだけが重なったところがUSPとなる。

ドミノ・ピザのUSP

USPの事例でよく語られるのはドミノ・ピザである。

ドミノ・ピザは1960年アメリカのミシガン州イプシランティにあった「ドミニックス・ピッツァ」という小さなピザ屋を、創業者であるトーマス・スティーブ・モナハン氏が買い取ったことがはじまり。
ある日、モナハン氏は、イースタン・ミシガン大学に通う車を持っていない学生たちが遠く離れた店に出向いてビザを食べることに苦労している様子を見て、それまで存在しなかった「宅配ピザ」を思いついた。これが学生に大当たりし、1972年には「注文後30分以内に配達できなければ無料」というキャンペーンも行われ評判となった。このドミノ・ピザの3Cは

顧客のニーズ:腹が減っているので味はともかく早くアツアツのピザが食べたい。でも学生など車がない人などは遠い店には行きたくない。

自社の強み:30分以内にピザを宅配で届けられる。競合と差別化するために30分以内に配達出来なければ無料にできる。

競合の強み:ドミノ・ピザよりも味の良いピザ屋や店舗が立派なピザ屋もたくさんあるし。同じように30分以内で届けられるピザ屋も出てきていること。

そしてドミノ・ピザのUSPは

Unique・・・30分以内に配達できなければ、代金を無料にする。
Selling・・・30分以内にピザを届けることができる。
Proposition・・・フレッシュでアツアツのピザを食べられる。

まとめると「アツアツのピザを30分以内にお届けします。間に合わなければ代金はいただきません。」というUSPになる。こうしてドミノ・ピザは顧客を車を持たない、味にあまりこだわりがない学生など人たちに絞り、競合の強みである味、店舗で対抗するのではなく、30分以内の宅配スピードでかつ間に合わなければ無料というサービスを独自の売りにしたのである。このUSPはすぐに世間に広まっていった。
しかしアメリカでは注文した客の配達妨害が多発。キャンペーンは無料ではなく値引きに変更されるが、配達員の死亡事故も起こり、キャンペーンは廃止に追い込まれた。しかし現在のドミノ・ピザはスピードを重視するようになり、配達時間を10分とさらに短くしているが「デリバリー10分のお届けが私たちの目標です。ドミノ・ピザ側の不手際により、万が一お客様に満足いただけない場合は、商品の作り直し、もしくは全額返金をお約束します。」と、あくまでも目標であるが10分という宅配スピードと商品の不満、接客対応の不満、配達時間の不満、配達時間遅延によるキャンセルなど店の不手際に限るが、顧客が満足できなければ返金や作り直しをするという新しいUSPを強調している。日本でドミノ・ピザは既に出店している地域にさらに新規出店するドミナント戦略を行い、1店舗当たりの配達範囲を狭める。「ピザメイクマイスター」という社内試験に合格した熟練のピザ職人をすべての店舗に配置する。バイクが入れない場所を通るために、電動自転車を導入し使い分ける。ドライバーに自転車やバイクまでピザを持って行かせるのではなく、店員の持ち回りで「ランナー」という自転車やバイクに持っていくだけの係がやる。3分でピザを焼き上げるオーブンを開発するなど、数秒の時間も短縮する企業努力を行い、2021年6月23日には日本全国で800店舗を達成、最近の人手不足の影響は受けているが、世界全体でも業績は好調で、1万8000もの店舗を展開するまでになった。ドミノ・ピザのスピード重視のUSPは不動のものとなっている。他のUSPの事例をあげると

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◆M&Aチョコレート USP:「お口にとろけて、手にとけない」

Unique・・・砂糖菓子でコーティングされたチョコレート。
Selling・・・手に持っても溶けることがない。
Proposition・・・手も服も汚さずに子供でも安心して食べられる。

1930年代の後半、M&M'Sの創業者フォレスト・マースはスペイン内戦を戦う兵士たちが、表を砂糖でまぶして固めたチョコレートを食べていたのを見て、暑くても溶けない画期的なチョコを開発する。これが南太平洋に展開する兵士に支給したチョコが暑さで溶けることに困っていたアメリカ軍の目にとまり、チョコは軍に大量に販売された。そして第二次大戦後には一般販売もされ大ヒットとなる。他社の模倣品も出たが、M&M'Sのチョコは独自の地位を守り人気商品であり続け、現在でもアメリカ軍の食料の一つとなっている。あと「お口にとろけて、手にとけない」のメッセージはUSPのはじまりともいわれる。

◆ライザップ USP:「結果にコミットする」

Unique・・・必ずお客様の叶えたい身体に向けて、結果にコミットすること。
Selling・・・優秀なトレーナー、充実した設備、オーダーメイドで自分に合ったトレーニングメニュー、30日間の返金保証。
Proposition・・・人生最高の体と自信を得るためのボディメイクを提供する。

ライザップのプライベートジムのサービスは競合とほとんど変わらない。だが広告戦略に力を入れたこともあり、ユニークなCMで流される「結果にコミットする」という言葉がどの競合にもない独自のもので、サービスは大ヒットした。その後業績は低迷するも、現在はコロナ禍でも復調しつつある。

◆ダイソン USP:「吸引力が落ちないただ一つの掃除機」

Unique・・・紙パックを使わないデュアルサイクロン式の掃除機。
Selling・・・他の掃除機は経年劣化や吸引力が落ちるのが当たり前だが、ダイソンの掃除機葉吸引力が落ちないこと。
Proposition・・・吸引力が変わらないので、長く買い替えずに掃除機を使い続けることができる。

他社には吸引力がもっと強い掃除機があったが。ダイソンはあえてその点には言及せず、吸引力にこだわらず、高価な掃除機でもよいので長く使い続けたいという人たちをターゲティングして掃除機を大ヒットさせた。後に多数の競合が似たような掃除機を出してくると、吸引力にも力を入れ、USPを「他のどの掃除機よりも確実にゴミを吸い取ります。」に変えたりしている。

◆アスクル USP:「今日頼んだら明日来る」

Unique・・・定期的に届くカタログから商品を選んで、ペン1本からでも必要な数量をFAXやネットなどで注文すると翌日届く。
Selling・・・1900円以上送料無料、時間指定無料、かさばるものを玄関まで届ける。
Proposition・・・庶務のかたわら数本のペンを買いに行くための時間や重いコピー用紙を抱えてビルの階段を登るような労力がなくなること。

アスクルが事業を開始した1993年頃は中小企業に事務用品を注文翌日に届けるようなサービスは皆無であったため、事業は急成長した。社名もUSPにちなんだものにして多くの人々に認知された。現在では翌日に届くというのが当たり前となりコクヨのカウネットや大塚商会のたのめーる、アマゾンや楽天などの競合が多数登場しているが、その中でもアスクルはLOHACOという個人通販事業も開始。コロナ禍が通販事業の追い風となり、業績を伸ばしている。

USPは「結果にコミットする」みたいにキャッチコピーのようにもできる。USPがキャッチコピーと同じ場合もあるがUSPが客の「不」の解決を伝え、客へのメリットが明確なメッセージなのに対し、キャッチコピーは

日立「Inspire the Next」
東芝「Leading Innovation」
ファミリーマート「あなたとコンビに、ファミリーマート」
コスモ石油「ココロも満タンに」

とういうように客へのメリットは明確でなく。人の興味を惹くことに重点を置いている。もちろんUSPがキャッチコピーより優れているというわけではない。USPをはっきりメッセージにするなら短くてもかまわないが、長いなら1文か2文に抑えた方がよいといわれる。

このUSPで自社の強みがないと、価格勝負になり、事業が必ず行き詰まる。それに投資家に投資してもらえない。USPが見つけられないのであれば、顧客に「数ある店舗・サービス・商品の中でなぜうちを選んでいただいたんですか?」と質問し多かった回答をUSPの参考にしたり、自分のサービス・商品に他のサービスなどを掛け合わせて独自のものをつくる。ただあまりにUSP見つからない、つくれないとなれば、その事業は成功する可能性が低いため根本から考えなおす必要がある。ただ自分で事業や店舗を存続してるなら、自分を選ぶ顧客がいるはずなので、何らかのUSPはあるはずである。

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USPはすぐに商品・サービスを競合にマネされることが多く、結局、価格競争に巻き込まれることが多いともいわれる。とくにドミノ・ピザとM&M'SのUSPは競合にマネされており、これらはUSPではなくただの「自分が独自だと思う強み・特徴・メリットを活用した販売提案」で、ドミノ・ピザやM&M'Sは資本力があったのでマネされても成長することができただけであるともいわれる。本当のUSPは自分が本当の心からやりたいことが、口には出さないけど、多くの人が抱えている、潜在的な不満などの「不」を解消することにつながり、それの商品・サービスが競合にマネされたとしても、メッセージは簡単にマネされないように言語化する、例えば「結果にコミットする」というように、どこを探しても出てこない言葉でないといけない。という意見もある。USPは竹花氏以外にも様々な考え方がネット上にあるので、自分が納得できそうなものを調べて欲しい。そしてアピールできるようなUSPを決めて、必要ならキャッチコピーのようなメッセージにするなりして、セールスの④独自で説明できるようにしておかないといけない。

最後にセールススキルについてのまとめだが

・価値は作業でなく提案につく。提案のない店・商品・サービスは価値がない。これは事業だけではく、人間にも言える。提案できない人は職場でなくてはならない人にはなれない。
・客が買うのは商品・サービスではなく自分の「不」を解決するための改善である。
・「不」を客に共感してもらい、自社の商品・サービスが客の「不」を改善できることを理解してもらえれば、高く買ってもらえる。
・店舗やオンラインであれば「不」の物語や、「不」が改善された理想の姿は営業のように伝えるのではく、さりげなく伝える。
・スターバックスの店員が焼きたてのパンを勧めてくるように店舗やオンライン関係なく、商品・サービスを売るときに提案のフローは必ず入れる。
・セールストーク、セールスライティングは①共感②物語③想像④独自の順番で行う。

それではおまけです。

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私はカキフライが大好物。この前はま寿司で税抜280円のカキフライばかり注文して一皿に4つ入りで今回は4皿頼み、16個たいらげたました。
 ウマウマ(*´ω`*)
最後は納豆巻きを2皿注文してこれで、1700円ぐらい。カキフライ定食よりもずっと量が多くて安いです。しかし、はま寿司の人たちも、「なんじゃ、あのカキフライばかり注文するおっさんは|゚д゚)|゚д゚)|゚д゚)」と怪しんでいたかもしれないなあ( ̄▽ ̄;)

それでは恥知らずの食い意地のはった「師子吼する」でした( ̄▽ ̄;)
ありがとうございました。

2022年 2月1日

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