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鰤を丸ごと一匹捌く① <生食> 肝料理、カルパッチョ、タルタル

先日、鹿児島からお取り寄せできる最高の鰤「鰤王」の半身を捌いて食べる記事を書きました。
この「鰤王」があまりに美味しかったため、今回は半身に飽き足らず、「ラウンド」という丸ごと一匹購入して頭から内臓まで食べつくすチャレンジをすることにしました!

前回の記事はこちらから。

消費計画を立てる

さて、前回同様今回も事前に調理計画を立てます。まずはサイズ。今回頼んだ鰤王は「早生鰤王」という、鰤王のワンサイズ下のものを注文。それでもサイズは3.5kgと、前回の2倍以上。
我が家の消費要員は2人。前回はひとりで1食につき200g消費できると計算しましたが、とても美味しいので調理方法をあれこれ変えれば300gくらいは食べれそう。
そしてだいたいアラ・骨・皮などの非可食部を見積ります。これは多く見積もって500gほどと考えます。
これらをもとに計算すると、(3500-500)/600=5(日)で、5日あれば食べ終えれる計算になります。
今回は長期的に食べれる保存食も作ってみたいと思うので、最終日に食べる保存食はさらに一日分にあたる600gを保存用に調理することにしました。
それを踏まえると4日に収まるので、計画的には前回と変わりないですね。まあ連続して食べるのも4日が限度かなと思うので、どんなサイズでもこのように生、半生、加熱、保存(熟成)の4方法で考えるのが基本になるかもしれません。

初日…生食 / 600g
2日目…半生食 / 600g
3日目…加熱食 / 600g
4日目…保存食 / 1200g(初日か2日目には調理を完了させる)

鰤を捌く

さて、届いた早生鰤王を捌いてきます。

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…正直こんな綺麗な鰤、見たことがないです。ちなみに右下に見える包みは同時購入したアワビです。

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全身に気高さ、気品が漂っていて、眼が完全に生きてる…。鱗も一枚一枚がきらきらと光り、以前の鰤王よりも渋く落ち着いた輝きを放ってます。
この状態でめっちゃ声を上げながら撮影していて、傍から見たらグラビア撮影みたいだったかもしれない。

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あまりの美しさに、こちらも背筋を伸ばさねばという想いになり、道具もちゃんと手入れをして挑みます。さて、通常であればここから鱗をそぎ落としていくのですが、この鰤王は皮も美味いので、半身だけそぎ落とすことにします。

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この鱗、純金含まれてたりしないかな??

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鱗のそぎ落としは案外簡単で、外皮に吸い付かれるように刃が入っていく。もうちょっと深く刃を入れたらどうなるかな?と鰓近くで深めに刃を入れたら誤って皮も削ぎ落してしまいました。
それにしても、この「そぎ落とし」ができるのはこのサイズ・ラウンドならではでないかと。

この状態から頭を外し、「なし割」で頭を真っ二つにします。

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そのあと、内臓を外し、腹を洗い、身を三枚におろしました。

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中骨の周りにたくさん身がついているので、その身はすき身にします。この作業をスキミングと言います。嘘です。すみません

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左上から、
1. 肝。肝臓。
2. 腸を開いたもの。中はしっかり洗う。
3. 胃袋を開いたもの。こちらもよく洗浄する。
4. 幽門垂。大きい。脂が乗っている。
5. 卵巣。メスだったのですな
6. 腎臓?

さて、では調理へ。まずは内臓から食べていきます!

鰤の肝刺し

肝臓、胃、腎臓、卵巣、腸に火を通して刺身で食べます。

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基本的に醤油かポン酢で食べます。まず肝臓。とても濃厚で、言われなければ鰤とはわからなそう。醤油と合わせることでうまみがさらに増し、舌にねっとりとからみつきます。これは半分は裏ごしをして肝醤油に。
卵巣、腎臓、腸は少し苦味があります。腸は場所ごとに少し味が違っていて、噛めば噛むほど味わいがあり面白かったです。
そして胃が美味かった!食感がこりこりと楽しく、臓器特有のうまみがある。噛むほどに甘さが増して、ゴマと相性がとてもいい。これも鰤と言われないとわからなそう…

幽門垂のポン酢和え

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幽門垂は細かな脂に包まれているようで、ふわふわしています。ネットで調べると「名前は知らないけど鰤の中で一番うまい部位」という声もあったりします。少しかじってみると甘味があります。柑橘の香りと相性がよさそう。さっと湯がいた後、ざくざく切ってポン酢に漬けることにしました。

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最低30分は漬けて、盛り付け。あしらいに大葉、ゴマを添えます。

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これがまた不思議な食感。ふわふわしているけど臓器の繊維が走っていて、噛むと甘味のある脂がプチュルと染みだす。まるでグレープフルーツのよう。とても面白い!味もとてもいいし食感も楽しいのでこれはいろいろ研究したくなってしまう。

鰤のカルパッチョ

さて、早生鰤王の身を食べていきます。カルパッチョにしてみましょう。

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身をそぎ切りにして皿に並べ、塩を振って10分。水分が出たらふき取って、レモン汁をふりかけて手で押したりして馴染ませてさらに10分。塩は強めが美味しいので、だいたい身の重さの3~4%ほど、レモン汁は身が100gに対して大匙1ほどかと。

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その間に野菜類を用意します。人参、キュウリ、ミョウガ、セロリなどの香味野菜を千切りにして、トマトを角切りに。塩を振って和え、しんなりしたらレモン汁、オリーブオイルと和えます。
切り身に乗せ、オリーブオイルを回しかけコショウ、バルサミコ酢を少し垂らして完成!

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鰤のうまみと野菜の青い香りが絡まって美味しい!鰤の身がすっきりしているので、野菜の味を邪魔しない。また、オリーブオイルのフレッシュな香りとバルサミコ酢の甘味が絡まっていい。醤油で食べるのとはまた違った味わい。野菜がむしゃむしゃ食べれるので、上に乗せる野菜はたくさん用意しましょう。

鰤のタルタル

次はタルタル。玉ねぎ、パセリ、ケッパー、バジル、アンチョビ、ニンニクを細かく叩きます。分量の目安は玉ねぎ1/6、パセリ1つまみ、バジル6枚、ケッパー小さじ1、アンチョビ2尾、ニンニク1/2片、すき身100gというところ。

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このくらいに細かく叩いたら、すき身、塩、マスタード、オリーブオイルと混ぜ合わせます。塩は小さじ1/2、マスタードとオリーブオイルはそれぞれ小さじ1程度。

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味をみて調整し、整ったら大葉、ミョウガなどを千切りにしたものを添えて完成!

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バジルの香りとケッパーの苦味がさわやかで、そこにとろっとした鰤の身がまじりあってとてもいい。マスタードの酸味と辛味も相性抜群。これはぜひパンに塗りたい!

鰤たく

最後にすき身を使ってもう一品。鰤と言えば大根だよな、、、ということで角切りたくあんと合わせた「鰤たく」。

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安定のうまさ。たくあんのコリコリとまろやかな鰤の身の絡みが素晴らしく美味しい。これはご飯に乗っけて食べたい。

以上、まずは生食の料理をいろいろ作ってみました。和食だけでなくイタリアンにも使ってみましたが、鰤特有の臭みなどが皆無でうまみがすごいのでどんな料理にも使えますね。

次回は半生食です。どうぞお楽しみに。

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