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むにみずべ 石川編02 千里浜なぎさドライブウェイ

青春のハイウェイ、こちら知っていますか?


波に乗らなくても恋の季節がやってくる

湘南の波乗り、千里浜の車乗り

「青い渚を走り恋の季節がやってくる」のは、
ご存知、湘南の海です。
ですが、きっと真夏の砂浜をボード抱えて走っている波乗りジョニーさんは良いとして、車で走るとすれば、せいぜい海岸沿いの道路でしょう。残念ながらそんな中途半端な渚に、本物の恋の季節はやってきません。

ところが本当に渚を車で走り抜けられる、真に青春の道があります。
それこそ、千里浜なぎさドライブウェイ。


カニの爪でいう二の腕あたり

石川県観光連盟 2023/11/28付
読売新聞、朝日新聞、毎日新聞

2023年11月、石川県が打ったのは素敵な広告でした。昔々都道府県パズルで遊んでいた時に石川県ってドラゴンの頭みたいだなーとは思っていたものの、まさか特産品のカニと組み合わせてくるとは、底知れぬ石川県の魅力に脱帽しました。

爪を突き出している蟹が、KANI!と、ちょっと調子に乗っているのもまた可愛らしいです。

さて、そんなカニ君で言うところの二の腕あたり、地図でつるっとした海岸線こそ今回のむにみずべ、千里浜です。


対馬海流を正面に受ける塵浜

九十九里浜は66km、
千里浜(ドライブウェイ)は8km

千葉県の九十九里浜のように、どうせ長〜い砂浜だから千里浜なんでしょ、千里とか言いつつ九十九里浜の方が実際は長いですけどね!と思いきや、元々は塵浜と呼ばれていた事が由来とのこと。失礼しました。

なぜ塵かはわかりませんが、自動車が走れる青春の道がどうしてここに生まれたか、その鍵は確かに塵、砂粒にあるようです。

日本海を北へ駆け抜ける対馬海流が能登半島の付け根にある千里浜に向かって、川から運ばれた土砂を押し返します。
川と海に挟まれる過酷な環境を乗り越えた精鋭の砂つぶ達は皆一様に、0.2mm程度となります。
大きさが揃っていて水を含むとムギュッと固まり、自動車が走っても沈まない、なぎさドライブウェイとなる訳です。

確かに黒潮や親潮、対馬海流などと日本地図を見比べてみると、海流を遮るように横たわる砂浜はなかなか珍しいことが分かります。


稼げ、なぎさドライブウェイ

ではそんな精鋭の織りなす奇跡のむにみずべでは、どのような体験ができるのでしょうか。

はい、きもちーーーーーー
はくい市観光協会HPより

それはもちろん、走ることです。
もう一思いに渚を走り抜けてください。
羽咋観光協会はEVトゥクトゥクや電動バイクのレンタルなんかもしています。

このなぎさドライブウェイの観光地としての競争力が高い点と言えば、その位置どりです。金沢から始まることが多い石川旅行が、能登に向かうその途中、ちょ~ど良い感じの場所にあるのです。
けれど今のところ無料の道路なので、走り抜けるだけでは地元羽咋(はくい)にはお金が落ちません。

そこで2つアイデアを考えました。
稼げ、なぎさドライブウェイ。


なぎさドライブスルー

千里浜の北端に、能登千里浜レストハウスという施設があります。また南側にはちらほら浜茶屋と呼ばれる海の家もあります。例えばここで、ドライブスルーを一つの目玉にできたら面白いかなと思います。
ただ運転中の飲食を推奨し難いですし、ドライブスルーをまちぐるみで盛り上げるのも、現代の観光戦略としては亜流の中の亜流。語呂の良さだけで突っ走るのも難ありです。
というわけでもう一つ。


なぎさサンドグラス

千里浜再生プロジェクトの一人一砂運動
能登千里浜レストハウスHPより

それが、砂です。なぎさドライブウェイでは、年々小さくなっていく千里浜を残して行くために、一人一砂運動をしています。
現在イベントなどで子どもたちが砂を撒いたりしているようですが、環境保護の気持ちだけでは、中々広まりません。せっかくなのでこの砂撒きをアクティビティにできれば一石二鳥だと思います。
でも砂を撒くアクティビティって何だよ…

そこで、ふと思ったのは砂時計

例えば、下半分をなくした砂時計(サンドグラス)にこの砂をいれ、トゥクトゥクや電動バイクに装着し、砂を撒きながら移動してもらうのはどうでしょう。

下半分がなく砂を撒けるサンドグラスのイメージ
富山市科学博物館HPより

車で走るという千里浜の最大の良さを体験しつつ、移動しながら利用者が満遍なく砂を撒いてくれるので、浜も守られると言う戦略です

ついでにこの砂時計がトゥクトゥクのレンタル残り時間を示していれば、実際に意味のある仕掛けになります。砂が落ちる前にチェックポイントどれだけ回れたか等のイベントやアクティビティにすることもできます。

羽咋のレンタルEVトゥクトゥク
TABI -COLO HPより

懸念点は2つ。
1つは、砂時計のように密閉していないので、湿気って砂が出づらくならないか。
もう1つは、砂を撒きながら移動すると、風で乗ってる自分に満遍なく降りかかり、不愉快な体験にならないか。

これは今後の課題としましょう。

(まぁ本当は自家用車から砂を撒いて欲しいですがね。というのも車で走れるのが日本唯一なので、乗ってきた車でそのまま浜に出たいんですよね。
何かレンタルして乗り換えると、ビーチを走れる特殊な極太タイヤのチャリなんかとあまり変わらない体験のような気がするからです。)

でも、、、車の窓から砂を撒くのはちょっと想像ができないですね。


または著名な芸術家テオ・ヤンセンの風で動きだすアートStrandbeastにくっ付ければ、砂撒きながらアートが蠢く千里浜の新時代が幕開けするかもしれません。

ちょっとアイデアが発散しちゃいましたが、貴重なむにみずべの地元羽咋と観光客がwin-winになれる日を願い、引き続きアイデアを練り練りしていきます。


以上、真に青春の道、千里浜なぎさドライブウェイでした。

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