見出し画像

むにみずべ 京都編06 伊根の舟屋

言わずもがなの、むにみずべ。
その圧倒的な面白さの前に、人々はなす術なく訪れる他ないのです。こちら、知っていますか?

English information below.


危なくないのかその舟屋

伊根と言えば、海岸に所狭しと並ぶ木造家屋です。
ですが内陸県にお住まいの皆様でもご存知の通り、海には干満差もあれば台風やら高潮やら、そんな近くに住むと色々と良くないこともあるはずです。

ところが伊根はいくつかのポイントが重なり、こうした壁を乗り越えているのです。
まずは、日本海側にあるということ。


日本海側にしかない舟屋

隠岐島の舟屋

実は「舟屋」という存在自体は、伊根以外にも見ることができます。
主なところで、福井の三方湖、兵庫の豊岡、島根県隠岐島。
しかしそのどれもが、日本海側です。やはり世界的豪雪地帯で、冬に漁に出られませんので、泊めておくガレージが必要な訳です。

そして干満差も重要です。
干満差は引力に合わせて海面が上下する時に、どれだけ海水が流入するかで決まりますが、津軽海峡、対馬海峡などで締め切られた日本海はそのバランスが合わず、ほとんど干満差がありません。何と伊根では40cmしかありません。だからこそ、ここまで海面と近い家屋が建てられるのです。

加えて、海には絶対あるはずの、波も伊根では問題になりません。


日本海側で、
南向きの湾にしかない舟屋

南向きの伊根湾

伊根は半島の先っちょで南側を向く湾に面しています。そのおかげで、北からの強い波は直撃する事なく、回り込んだ波だけがやってきます。

それだけでなく、湾の入り口には青島がドンっと構え、いよいよ湾に達する波は選りすぐりのさざ波だけとなります。
だからこそ海に重なるように舟屋を建てることができます。

伊根の守護神 青島

こんな素敵な場所、当然漁師の皆さんが放っておく訳もなく、漁師町が形成されます。


日本海側で、
南向きの湾で、
ブリ漁で稼いだ伊根にしかない舟屋

天然の良港たる伊根は古くから漁師町が生まれましたが、その輝きに磨きがかかるのは江戸時代。
長崎五島列島の三井楽、越中富山の氷見と並ぶ三大ブリ漁場として、丹後鰤、伊根鰤のブランドは、全国でブリブリ言わせたようです。

そうして荒稼ぎしたお金によって、舟屋が今のように2階建や瓦葺の立派な装いになっていきました。

ではこの舟屋どう楽しむか、もちろん海と陸両方から見てみましょう。


海から見る舟屋

我々が乗ったのは亀島丸さんという、海上タクシーのひとつ。
なんと伊根浦中の着岸できる岸壁があればどこでも行ってくれちゃう、漁師町ならではのサービスです。

ちなみに個人的には鳥がとても苦手ですが…
伊根の船はカモメの餌やりがとても大人気アトラクションでして、
意識が飛びそうになるくらい、飛んでいる鳥と人生で最接近することができます。

かもめ、かもめ、、、こ、こわい、、

友人も大好きなカモメにせっせと餌をやるもんですから、カモメも元気よくバッサバサ来ます。
友人との固い友情にばっくりとヒビが入りそうになりましたが、そこを救ってくれたのは伊根の絶景

まぁしょうがない。
こんな景色が見えるならカモメを大集結させたことも、伊根の海に流してやってもいいでしょう。

さて亀島丸さんは舟屋の見学もできます。


舟屋から見る海

まず、海が綺麗なのです。ちゃぱちゃぱと気持ちの良い音を立てて、家の中に海が入ってきます。

と、そこに船の音が近づいてきました
なんと漁からのお帰りのタイミングに遭遇。本当にここは船のガレージなのだと改めて感じます。

漁からのご帰宅に遭遇

舟屋は今では離れとして使われ、そのうちいくつかには民宿として泊まることだってできちゃいます。

この舟屋泊と、もう一つ心残りの楽しそうな体験が、そもそも伊根に船で行くことです。


伊根に船で行く

写真は雰囲気で湘南選んでしまいました
ヨットで行く訳じゃありません

少し前から「海の京都」として日本海側をPRし始めた京都。秀逸ですよね。
京都市内に集中しがちな観光客を、さらに別の地域に誘導すべく、「海」「森」「お茶」の各テーマで紹介をした中でも、海の京都は特に浸透してきているのではないでしょうか。
それもそのはず、構成する舞鶴、天橋立、そしてこの伊根浦は、どれも珠玉の観光地です。

さてそんな海の京都、
やはり海で繋がっている訳です。

天橋立からモーターボートをチャーターし、1時間ほどで伊根を周って帰ってくるというもの。なかなか素敵です。

そもそも陸の道が無かった伊根は、日常の買い出しなども船で行っていました。やはりそうした町を最も感じるのは船で訪れることのはず。
次こそ、必ずや海から入ります。

他にも期間限定のイベントでは舞鶴からも船で来れたりもするようで、こちらも要チェックですね。

以上、言わずと知れたむにみずべの伊根でした。


Information

Ine is located in north of Kyoto, and it is really famous about the seaside boat garage, Funaya. We can enjoy the sceanic view from the taxi boat, and also the ocean view from Funaya transcends description.
In addition, some seaside attractions in Kyoto prefecture, Umi no Kyoto, are connected by memorable cruise.

この記事が参加している募集

#一度は行きたいあの場所

52,953件

#今年やりたい10のこと

5,132件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?