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【再訪】BIZEN中南米美術館の村まつりで考古学に触れる

去る9月14日、BIZEN中南米美術館にてヤシュ・ナーブ村人限定 の村まつりの一部に参加してきました (同館に寄付すれば村人になれます)。

イベントはスタートセッション(S.S.)と呼ばれるもので、海外研究者の見地から、BIZEN中南米美術館のマヤ文明の作品を見ての印象や主たる調査作品の紹介をしていただく内容でして、今回はその参加レポートをしたい思います。

(ご参考:前回訪問レポート)



1. セッションの前に日生名物で腹ごしらえ

自宅から2時間かけて日生駅に到着しました。快晴で気持ちいいです。

日生駅
駅前。ちょっと南国感がありますね


セッションまで時間があったので、日生名物カキオコ(牡蠣入りのお好み焼き)を食べることにしました。お好み焼き屋は前回美術館館長にお勧め頂いた「もりした」さんにしました。場所は美術館から徒歩2~3分のところです。


入店すると4名待ちの状態でしたが、さくさくと席が回転し、かつ並んでいる間にオーダーを聞いてくれて、事前に調理開始もしてくれるので、さほど待ちませんでした。

入店からほどなくして席に案内されると店主と思われるおじいちゃんの軽快なトークを聞きつつ調理完成。 半分を醤油ベース、半分をソースベースでいただきました。 醤油ベースもさらに半分に割って山椒をかけて味わったりと 味変を徐々に楽しみながら完食しました。

醤油ベース(イチオシ)


ソースベース


醤油のお好み焼き屋とても美味しくて 牡蠣との相性も抜群。 私は生まれが大阪なのですが 正直大阪のソースベースのお好みよりもこっちの方が美味しいんじゃないかと思いました。牡蠣の元来持つ塩気と醤油がうまく絡み合って、お好みのポテンシャルを最大限に引き出しているように感じました。食感も絶妙です。また店内をよく見るとお好み焼きの食べログ 100選に選ばれているではありませんか・・・。  BIZEN中南米博物館に来る際は、もりしたさんにセットで来るのはもはやマストです!

店内にはカキオコの守護神が!
チチャ・モラーダも飲めます!


2. セッション概要

お腹一杯の状態で、美術館に到着するころにはなんやかんやセッション開始時間ギリギリに・・・。

BIZEN中南米美術館入口


今回のプロジェクトのため、米国テュレーン大学から研究者のルベン・モラレス氏、グアテマラ・バレー大学からトマス・バリエントス博士が来日。ルベン先生はマヤの碑専門文学をにしておられ、今回日本は初めてだそうです。トマス先生は考古学研究を30年も歩まれてきた方で、備前は2回目、日本自体は 4回目だそうです。そうしたお二人がお話しされるなか、館長と岡山大学の鈴木真太郎教授(古人骨の分析や鑑定がご専門)が通訳&コーディネートしてくださりセッションが進行されました。


セッション冒頭は今回プロジェクトないし訪問の目的が主に語られました。今回日本に来られて最終的な成果物として、1年ほどかけて同美術館のカタログを作るとのこと (体系的な説明も含むので、テキストと言っていいのかもしれません)。今回の先生方のBIZEN滞在はその調査、情報収集の一環です。

カタログの内容としては前半マヤの文化(各地土器の紹介も含む)を丁寧に説明で、後半はマヤ文字についての紹介。後半はマヤ文字の構成や歴史的背景を説明し、実際美術館に展示されている土器がどういうストーリーを語っているかなどを丁寧に説明する内容のようです。

この説明の中で驚いたのはマヤ文字と日本語は並行関係であるということでした。マヤ文字も日本語と同様に漢字のような表意文字と、ひらがなやカタカナのような表音文字で構成されているとのことで初耳でした。


その後は展示品であるチョコレートカップを研究者の見地から読み解いてくれるミニレクチャーがありました。これがすごいのなんのと言いますか、、プロの立場から見ると解像度が高すぎて鮮やかという表現ぴったりでした (鈴木先生が通訳の際にご自身の知識を使われてうまい具合に訳してくれていたのもあります)。素人が見ると、「ああきれいだな~、ぐっとくるデザインだな~」などにしかならないのですが(汗)、土器の見た目などから確実コンテクストを引き出す技術に思わず膝を打ちました。

レクチャーの一幕.
チョコレートカップ 1


チョコレートカップ 2


カップ自体はグアテマラ北部のChamaスタイルと言うものだそうで、それは上部にあるオレンジ色と白の帯が、薄いオレンジの背景などから特定。またカップにはカウィール神が描かれているとのことで、それは顔に鏡があって、たいまつが出てきていて火が噴き出ていることから特定できるそうです。

このチョコレートカップには4つ同じマヤ文字も入っているのですが、 これは翡翠の斧という意味だそうです (全然関係ないのですが、ここでhacha = 斧という単語を知りました)。翡翠は昔からグアテマラを代表するものだったのですね。ちなみにマヤ文字は当時君主政権に使われていたものだそうで、一般市民の日常生活では使われていなかったとのことです。


こうした密度の高い説明がありつつ、最後はQ&Aや、先生がお土産でもってきてくれた「マヤ文字かるた」の紹介と、集合写真の撮影で終了。その後はさらっと館内も見まして、改めて、エクアドルのパスト文化の土器がかっこいいなと惚れ惚れ。


パスト文化の土器
パスト文化の土器
美術館前景 1F


今回の訪問も満足度は高く、やはりここは時間をかけてくる価値がある場所だなと改めて思いました。その後は会場で知り合った方とお話ししながら帰路につきました。BIZEN中南米美術館のご縁に感謝しています。

そんなBIZEN中南米美術館のコチラです ↓  是非、この記事をみて興味が湧いた方は行かれてみて下さいね。尚、行かれる際は事前に電話予約を推奨します。


以上、お読みいただきありがとうございました。



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